【ミシュラン店の裏ワザ】「ポークソテー」を柔らか~く仕上げるには…焼くのではなく弱火で温めるのが秘訣⁉
5月10日放送のバラエティ番組『ソレダメ!~あなたの常識は非常識⁉~』では、過去に放送されたミシュラン店直伝の王道肉おかずが紹介されていました。絶品「ポークソテー」を伝授していたのは、ミシュラン1つ星を4年連続獲得、銀座にあるフレンチレストラン・ラフィナージュの高良康之オーナーシェフ。低温でじっくり焼くと、お店のディナーコースに出てくる「ポークソテー」に近づけるとか。これは試してみる価値あり!
【シェフ三國の簡単レシピ】フレンチ巨匠の本気洋食!低温の油で鶏むね肉を煮る⁉「三國チキン南蛮」に挑戦
格上げワザ直伝シェフはフレンチで4年連続ミシュラン1つ星を獲得!
高良オーナーシェフのフレンチレストラン・ラフィナージュはミシュランガイドで4年連続1つ星を獲得しているフレンチの名店。こちらの「ポークソテー」は焼いている間に肉汁が漏れ出てしまわず、しっとりとした食感らしい。肉の旨味をしっかりと閉じ込めた仕上がりなのだとか。
極上に焼き上げるポイントは温度にあるようですよ。番組で得た格上げワザを実践して「ポークソテー」を作ってみます。
ミシュラン1つ星獲得シェフ直伝の「ポークソテー」を作ってみた!
豚肉は薄い肉ではなく、とんかつ用の肩ロース肉を選ぶのがポイントですよ。ソース用のフレンチドレッシングは特に指定がなかったため、今回は手作りすることに。オリーブオイル大さじ1と1/2、酢大さじ1、塩とこしょうを適量混ぜ合わせたものを用意しました。
【材料】(1人分)
とんかつ用豚肩ロース肉…1枚 ※今回は150g使用
塩・こしょう…各適量
バター…適量 ※今回は10g使用
サラダ油…適量
(ソース)
にんにく(みじん切り)…1/2かけ
玉ねぎ(みじん切り)…15g
湯むきトマト(粗みじん切り)…1/2個
塩…少々
フレンチドレッシング…適量
パセリ…適量 ※飾り用なのでなくても可。今回は生のパセリを用意。
1. 豚肉は焼く前に冷蔵庫で30分冷やします。
豚肉を常温に戻すと焼いた時に肉汁が流れ出やすいため、焼く直前まで冷やしておきます。
2. 豚肉に塩を振って下味を付けます。
下味と言えば塩とこしょうのイメージがありますが、こしょうは振らずに塩だけで豚肉の旨味を引き出します。
3. フライパンにサラダ油をひき、火をつける前に豚肉をのせます。その後、強めの弱火(または弱めの中火)に点火して、1分ほど片面だけを温めます。
フライパンが冷たい状態で豚肉をのせて点火するのがポイント。焼くのではなく終始温める感覚で、焦げないように肉を動かしながら均等に火入れすると、筋切りしなくても豚肉が縮まないそうです。
最初の火入れで焼き色を付ける必要はないとのこと。弱めの中火で約1分焼きました。
4. 豚肉を一旦取り出し、焼いた面の油が乾くまで1分ほど休ませます。
焼いた時間と同じだけ休ませると、焼いた面の熱が内部に浸透して、豚肉がやわらかく仕上がるそう。弱めの中火で約1分焼きましたが、肉の半分くらいがうっすらと色づく程度でした。
1分ほど休ませましたが表面の油は乾きませんでした。少し油が多かったのかしら?
5. フライパンにサラダ油をひき直し、豚肉を戻して弱火で中まで火を通し、細かい泡が立ったらひっくり返します。
フライパンに油が残っていたので、今回は油を追加せずに焼くことにしました。3で温めた面を下にして豚肉をフライパンに戻し、ここから焼き色を付けていきます。
豚肉をあまり動かさない方が、早く焼き色が付くそうですよ。弱火で焼いているので香ばしい香りはそれほど立たず、豚肉を動かさなくても焦げる心配はなさそうでした。
弱火で6分ほど焼くと、豚肉とフライパンの間に小さな油の泡が立ってきたのでひっくり返しました。
ひっくり返して弱火で6分ほど焼くと赤い肉汁が少し染み出てきました。中まで火が通っているのか心配だったため、もう一度ひっくり返しました。
ひっくり返して2分ほど追加で焼いた状態です。断面を確認すると中まで火が入ったようだったので、次の工程に移ることに。
6. 両面とも焼き色が付いたらバターを加え、溶かしバターを表面にかけながら焼きます。
バターは適量とのことですが、今回は10g加えました。バターが溶けたらスプーンで溶かしバターを豚肉にかけます。この工程、フレンチのシェフが行っているのを、テレビなどでよく見ます。
調べたら、これはアロゼという技法だそう。分厚いお肉を焼くとき、温まった油をかけてあげることで間接的に火が入り、お肉が硬くならずに火入れすることが出来るんですって。
今回用意した豚肉は、1.5cmくらいの厚さ。弱火で焼くだけでは火の通りが心配でしたが、アロゼを行うことで上からもゆっくりと火が入ると知り、納得しました。今回は溶かしバターが少なくなるまで、10分ほどかけてアロゼしました。
7. 溶かしバターが豚肉と同じような色になったらフライパンから取り出し、こしょうを振ります。
溶かしバターは茶色くなる前に量が少なくなったので、豚肉を取り出しました。最後にこしょうを振って仕上げます。
アロゼした面は香ばしい焼き色が付かなかったため、本来の盛り付けとは違うかも知れませんが、フライパンに接していた面を上にしました。
8. 豚肉を焼いた後のフライパンで、にんにくと玉ねぎを炒めます。火が通ったらトマトを加えて煮詰め、火を止めて適量のフレンチドレッシングを混ぜて塩で味を調えます。
ソースは少量なので、5分もかからずに完成。フレンチドレッシングを加え、今回は塩を加えずに仕上げました。ソースの味は味見しながら好みの味に調整くださいね。このソースを、食べやすい大きさに切った「ポークソテー」にかけたら完成です。
肩ロース肉なのにヒレ肉のようなやわらかさ♪筋も気にならず高級感のある味!
ミシュラン1つ星獲得の高良オーナーシェフ直伝の焼き方で焼いた「ポークソテー」です。弱火でじっくりと火入れするのが最大のポイントだったため、ソース込みで完成までに30分くらいかかりました、
いつもは、お肉の表面にこんがりとした焼き色が付いた方がいいだろうと、強めの中火でジュッ!と焼くので肉の縮みが顕著なのですが、今回は低温調理だったので、肉質のやわらかさが目にも伝わってきます♪
断面をクローズアップ!今回は1.5cm厚さくらいのとんかつ用肩ロース肉を焼きましたが、しっかりと中まで火が入り、生肉の時と同じくらいの厚さを保っています。
食べてみると肩ロース肉の程よい弾力はあるのですが、すっと嚙み切れて、とってもやわらかい!まるでヒレ肉を食べているかのような食感です!今まで焼いてきた「ポークソテー」の中で、ダントツの焼き加減!ミシュランシェフの格上げワザが活きているのがわかります♪
サラダ油だけではなく、バターも使って焼いているので、ほのかにバターの香ばしさをまとっているのもフレンチっぽい。トマト、玉ねぎ、にんにく、フレンチドレッシングを混ぜたソースも、程よく酸味が効いていてさっぱりとしつつも、豚肉の脂やバターと合わさることでまろやかに。すべて計算の上で成り立っているのが伝わる、極上の「ポークソテー」でした。
弱火でじっくり火入れすれば家庭でもお店レベルの「ポークソテー」に
『ソレダメ!~あなたの常識は非常識⁉~』で知った「ポークソテー」の格上げワザは、弱火でじっくりと焼きながら、溶かしバターを上からもかけて火入れするアロゼというフランス料理の技法が詰まった焼き方でした。
今回挑戦してみて、分厚いお肉は火を通すために、強火で焼かないといけないという固定概念が覆されました。弱火で時間をかけて焼けば、1.5cm厚さの豚肩ロース肉でもしっかりと火が通り、しかも極上のやわらかさに仕上がります。
時間はかかるけれど、ゆっくりと料理出来る日や特別な日のメインを作る時にぴったりな「ポークソテー」ですよ。ぜひ機会があれば挑戦してみてくださいね。
<参考文献>
Web
『ゆーゆーライフ~分厚い肉料理に最適なアロゼ~』
https://yu-u-life.com/aroze/
【シェフ三國の簡単レシピ】フレンチ巨匠の本気洋食!低温の油で鶏むね肉を煮る⁉「三國チキン南蛮」に挑戦
格上げワザ直伝シェフはフレンチで4年連続ミシュラン1つ星を獲得!
「月曜シェフ塾」が、11月28日に高良康之シェフを講師に招いて行う「フランス料理講習会」の募集を開始した。https://t.co/jWmBhlX2Xi#料理王国 #月曜シェフ塾 #高良康之 #ラフィナージュ #フレンチ #フランス料理 #フォン #ソース #ミシュランシェフ #フランス料理レシピ pic.twitter.com/rK5Dx6u5Yb
- 料理王国 / CUISINE KINGDOM (@cuisinekingdom) October 18, 2022
高良オーナーシェフのフレンチレストラン・ラフィナージュはミシュランガイドで4年連続1つ星を獲得しているフレンチの名店。こちらの「ポークソテー」は焼いている間に肉汁が漏れ出てしまわず、しっとりとした食感らしい。肉の旨味をしっかりと閉じ込めた仕上がりなのだとか。
極上に焼き上げるポイントは温度にあるようですよ。番組で得た格上げワザを実践して「ポークソテー」を作ってみます。
ミシュラン1つ星獲得シェフ直伝の「ポークソテー」を作ってみた!
豚肉は薄い肉ではなく、とんかつ用の肩ロース肉を選ぶのがポイントですよ。ソース用のフレンチドレッシングは特に指定がなかったため、今回は手作りすることに。オリーブオイル大さじ1と1/2、酢大さじ1、塩とこしょうを適量混ぜ合わせたものを用意しました。
【材料】(1人分)
とんかつ用豚肩ロース肉…1枚 ※今回は150g使用
塩・こしょう…各適量
バター…適量 ※今回は10g使用
サラダ油…適量
(ソース)
にんにく(みじん切り)…1/2かけ
玉ねぎ(みじん切り)…15g
湯むきトマト(粗みじん切り)…1/2個
塩…少々
フレンチドレッシング…適量
パセリ…適量 ※飾り用なのでなくても可。今回は生のパセリを用意。
1. 豚肉は焼く前に冷蔵庫で30分冷やします。
豚肉を常温に戻すと焼いた時に肉汁が流れ出やすいため、焼く直前まで冷やしておきます。
2. 豚肉に塩を振って下味を付けます。
下味と言えば塩とこしょうのイメージがありますが、こしょうは振らずに塩だけで豚肉の旨味を引き出します。
3. フライパンにサラダ油をひき、火をつける前に豚肉をのせます。その後、強めの弱火(または弱めの中火)に点火して、1分ほど片面だけを温めます。
フライパンが冷たい状態で豚肉をのせて点火するのがポイント。焼くのではなく終始温める感覚で、焦げないように肉を動かしながら均等に火入れすると、筋切りしなくても豚肉が縮まないそうです。
最初の火入れで焼き色を付ける必要はないとのこと。弱めの中火で約1分焼きました。
4. 豚肉を一旦取り出し、焼いた面の油が乾くまで1分ほど休ませます。
焼いた時間と同じだけ休ませると、焼いた面の熱が内部に浸透して、豚肉がやわらかく仕上がるそう。弱めの中火で約1分焼きましたが、肉の半分くらいがうっすらと色づく程度でした。
1分ほど休ませましたが表面の油は乾きませんでした。少し油が多かったのかしら?
5. フライパンにサラダ油をひき直し、豚肉を戻して弱火で中まで火を通し、細かい泡が立ったらひっくり返します。
フライパンに油が残っていたので、今回は油を追加せずに焼くことにしました。3で温めた面を下にして豚肉をフライパンに戻し、ここから焼き色を付けていきます。
豚肉をあまり動かさない方が、早く焼き色が付くそうですよ。弱火で焼いているので香ばしい香りはそれほど立たず、豚肉を動かさなくても焦げる心配はなさそうでした。
弱火で6分ほど焼くと、豚肉とフライパンの間に小さな油の泡が立ってきたのでひっくり返しました。
ひっくり返して弱火で6分ほど焼くと赤い肉汁が少し染み出てきました。中まで火が通っているのか心配だったため、もう一度ひっくり返しました。
ひっくり返して2分ほど追加で焼いた状態です。断面を確認すると中まで火が入ったようだったので、次の工程に移ることに。
6. 両面とも焼き色が付いたらバターを加え、溶かしバターを表面にかけながら焼きます。
バターは適量とのことですが、今回は10g加えました。バターが溶けたらスプーンで溶かしバターを豚肉にかけます。この工程、フレンチのシェフが行っているのを、テレビなどでよく見ます。
調べたら、これはアロゼという技法だそう。分厚いお肉を焼くとき、温まった油をかけてあげることで間接的に火が入り、お肉が硬くならずに火入れすることが出来るんですって。
今回用意した豚肉は、1.5cmくらいの厚さ。弱火で焼くだけでは火の通りが心配でしたが、アロゼを行うことで上からもゆっくりと火が入ると知り、納得しました。今回は溶かしバターが少なくなるまで、10分ほどかけてアロゼしました。
7. 溶かしバターが豚肉と同じような色になったらフライパンから取り出し、こしょうを振ります。
溶かしバターは茶色くなる前に量が少なくなったので、豚肉を取り出しました。最後にこしょうを振って仕上げます。
アロゼした面は香ばしい焼き色が付かなかったため、本来の盛り付けとは違うかも知れませんが、フライパンに接していた面を上にしました。
8. 豚肉を焼いた後のフライパンで、にんにくと玉ねぎを炒めます。火が通ったらトマトを加えて煮詰め、火を止めて適量のフレンチドレッシングを混ぜて塩で味を調えます。
ソースは少量なので、5分もかからずに完成。フレンチドレッシングを加え、今回は塩を加えずに仕上げました。ソースの味は味見しながら好みの味に調整くださいね。このソースを、食べやすい大きさに切った「ポークソテー」にかけたら完成です。
肩ロース肉なのにヒレ肉のようなやわらかさ♪筋も気にならず高級感のある味!
ミシュラン1つ星獲得の高良オーナーシェフ直伝の焼き方で焼いた「ポークソテー」です。弱火でじっくりと火入れするのが最大のポイントだったため、ソース込みで完成までに30分くらいかかりました、
いつもは、お肉の表面にこんがりとした焼き色が付いた方がいいだろうと、強めの中火でジュッ!と焼くので肉の縮みが顕著なのですが、今回は低温調理だったので、肉質のやわらかさが目にも伝わってきます♪
断面をクローズアップ!今回は1.5cm厚さくらいのとんかつ用肩ロース肉を焼きましたが、しっかりと中まで火が入り、生肉の時と同じくらいの厚さを保っています。
食べてみると肩ロース肉の程よい弾力はあるのですが、すっと嚙み切れて、とってもやわらかい!まるでヒレ肉を食べているかのような食感です!今まで焼いてきた「ポークソテー」の中で、ダントツの焼き加減!ミシュランシェフの格上げワザが活きているのがわかります♪
サラダ油だけではなく、バターも使って焼いているので、ほのかにバターの香ばしさをまとっているのもフレンチっぽい。トマト、玉ねぎ、にんにく、フレンチドレッシングを混ぜたソースも、程よく酸味が効いていてさっぱりとしつつも、豚肉の脂やバターと合わさることでまろやかに。すべて計算の上で成り立っているのが伝わる、極上の「ポークソテー」でした。
弱火でじっくり火入れすれば家庭でもお店レベルの「ポークソテー」に
『ソレダメ!~あなたの常識は非常識⁉~』で知った「ポークソテー」の格上げワザは、弱火でじっくりと焼きながら、溶かしバターを上からもかけて火入れするアロゼというフランス料理の技法が詰まった焼き方でした。
今回挑戦してみて、分厚いお肉は火を通すために、強火で焼かないといけないという固定概念が覆されました。弱火で時間をかけて焼けば、1.5cm厚さの豚肩ロース肉でもしっかりと火が通り、しかも極上のやわらかさに仕上がります。
時間はかかるけれど、ゆっくりと料理出来る日や特別な日のメインを作る時にぴったりな「ポークソテー」ですよ。ぜひ機会があれば挑戦してみてくださいね。
<参考文献>
Web
『ゆーゆーライフ~分厚い肉料理に最適なアロゼ~』
https://yu-u-life.com/aroze/