「高学歴難民(講談社現代新書)」の著者で、日本初の加害者家族支援団体 ワールドオープンハート代表の阿部恭子さんが12月1日の大竹まことゴールデンラジオに出演。大竹も驚く高学歴難民について解説していただいた。

大竹「高学歴でも、炊き出しの列に並ぶ貧困生活をしている人がいるとお書きになってます。高学歴でも職場を追いやられたりするんですか?」

阿部「ここに書いてあるのは、全部「大学院」に進学しているケースなんです。やっぱり日本って会社に入るのは新卒ですよね。そうすると、賞味期限切れの学歴と言われて、キャリアを積んでるんだけど年齢も上がってるし、受かればいいんだけど受からないし、出口が見えない。しかもお金がかかっていますよね。」

室井「学歴があると地元とか家族の希望を全部背負ってるから、失敗しても失敗したって言えないんですよね。」

阿部「失敗したって言えなくて、結局、犯罪に走るケースもあるし、自殺をするケースもあるし。何か言っても「頭いいんだから自分で考えればいいじゃないですか」みたいに、世の中も突き放すというか、弱者に入れてもらえてないんです。」

大竹「でも大学院まで行っちゃうと、出遅れ感みたいなものがありますよね。日本は新卒で採用された人が重宝されて、そんな中で「出遅れた」みたいな言われ方をされて、意外と社会から邪険にされてしまう。」

室井「私が知ってる限りでは、出来が良かったっていうのでプライドがやっぱり高いから、なんかバカになれないのよ。「失敗しちゃった」とか「ちょっと金かしてくれ」とか友達とか言えない。親にも言えないの。」

阿部「そういうこともありますね。」

大竹「精神が危うくなって犯罪を犯したりする人も居るんですか?」

阿部「いますね。今、いろんな闇バイトが高学歴難民にまで来ているんです。ああいうのに手を出してしまったと言うケースもありまして、それだけ結構闇が深いというか、バレないだろうと思ってるんでしょうけど。」

室井「高学歴っていうレッテルみたいなのを一個貼ったらそれも差別だよね。だって勉強っていう特殊能力があっただけかもしれないもんね。」

大竹「そういう特殊詐欺みたいなのの受け子とかに駆りだされて、免許証から何から見られて抜け出せなくなる。高学歴難民もそうですけど、そっちの犯罪の方も問題ですね。」

阿部「やっぱり事件になるケースがかなり多いので、今度は刑務所ですよね。大学院の次に刑務所に入る。」

大竹「大学院の次が刑務所! 色んなところに世の中歪みが出てるんだけど、それが高学歴の人たちにも及んでいると。」

阿部「社会的に孤立しているので、まず、お友達がいなかったりするので、ちょっと頼るとか、親を頼るとかできない。SOSを出すのも社会的なスキルの一つなので、そこがものすごく極端に弱いのかもしれないですね。」