AppleのハイエンドノートPC「MacBook Pro」などの多くのMac製品には、SoCを冷却するためのファンが搭載されています。一方でMacBook Airにはファンが搭載されていないため、負荷がかかる作業を行った際などは他のMac製品と比べてパフォーマンスが低下します。電子機器製造メーカーの「Frore Systems」が開発した冷却システム製品「AirJet」は、MacBook Airのような薄型のノートPCに取り付けることで、MacBook Air内の温度を適切に保ち、パフォーマンスを向上させることができるとされています。

How do you cool ultra-thin devices? | Blog | Frore Systems

https://www.froresystems.com/blog/how-do-you-cool-ultra-thin-devices



AirJet makes a MacBook Air perform like a MacBook Pro | Macworld

https://www.macworld.com/article/2150862/airjet-makes-a-macbook-air-perform-like-a-macbook-pro.html

AirJet Continues To Innovate Laptop Cooling - YouTube

Froreが開発した冷却システム「AirJet」は「ソリッドステートアクティブ冷却チップ」と呼ばれる製品の一つで、サイズはわずか縦27.5mm×横41.5mm×厚さ2.8mmと、一般的なノートPCに搭載されるファンと比べて非常に小型です。そのため、縦23.76cm×横34.04cm×厚さ1.15cmのM2チップ搭載15インチMacBook Airの内部に収めることが可能です。



AirJetの仕組みは、内部に搭載した特殊な膜で、超音波の周波数で振動することで気流が発生し、PC内部の熱を通気孔から排出するというものです。

AirJetの仕組みについては、以下の記事で詳細に解説されています。

カードサイズなのに従来のファンよりもCPUやGPUをガッツリ冷やせて静かな「ソリッドステートアクティブ冷却」とは? - GIGAZINE



Froreのデモでは、AirJet搭載前のM2搭載15インチMacBook AirでのCinebendh R23ベンチマークの結果は、M2搭載MacBook Proよりも7%低くなりました。しかし、M2搭載15インチMacBook AirにAirJetを搭載したところ、Cinebench R23ベンチマークの結果はM2搭載MacBook Proの結果とほぼ同じになりました。



また、FroreはMacBook Airのヒンジの近くに空気を取り入れる吸気口を追加し、スピーカー穴を排気口として利用することで、熱循環の効率を高めています。



なお、FroreはAirJetについて「もともと消費者向け製品ではなく、消費者向けキットを製造する予定もありません。今回のMacBook AirでのデモはあくまでAirJetの概念実証で、これまでMacBook Proが搭載してきたファンの代わりにAirJetを導入することで、そのスペースをバッテリーの拡大などの用途に活用できる可能性があります」と述べています。