【巨人】評価を高めるスーパールーキー門脇誠の「10球」 サヨナラ打につなげた「ストロングな部分」とは

写真拡大

門脇の粘り強さが光った(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 巨人は9月17日に行われたヤクルト戦(東京ドーム)に3−2のサヨナラ勝ち。ルーキー、門脇誠が自身初のサヨナラ打を放ち、チームの窮地を救った。

【動画】門脇が9回二死一、二塁から清水の直球を捉え、中前へ運ぶ。自身初のサヨナラ打を放ったシーン

 試合は緊迫した空気が流れていた。前日には最下位中日に痛い星を落とし、目指すCSに向け一戦必勝で臨む中、1点を追う6回に丸佳浩の17号、同じく6回に岡本和真の41号ソロで勝ち越し。2−1で迎えた9回に登板したのは右上肢のコンディション不良から復帰した大勢だった。

 6月23日の広島戦(マツダ)以来2か月半ぶりとなる一軍マウンドに帰ってきた守護神だったが、先頭のドミンゴ・サンタナに左翼線二塁打を浴び、その後も一死三塁の形を作られると中村悠平の右犠飛で同点とされる。全体的に球が高く、ヤクルト打線に捉えられた。ベンチに戻ってからも悔しい表情を隠せなかった守護神を救ったのがスーパールーキーだった。

 9回二死一、二塁の好機に打席が回ってきた門脇は清水昇にあっさり3球で追い込まれるも、ここからが真骨頂だった。相手バッテリーが直球、変化球を両サイドに投げ分け、何とか打ち取ろうとするもしぶとくファウルでしのぐ。8球目をファウルとすると改めて滑り止めスプレーをバットにかけ、一呼吸。迎えた10球目、ようやくきた甘く入った直球を捉えて中前に運ぶ。自身初のサヨナラ打を放つと歓喜のウォーターシャワーを浴びた。

 チームは一発攻勢がありながら、ここ一番で勝負強さが出せず苦しむ中、ルーキーがお手本のようなバッティングを見せた。開幕当初は一軍の壁に苦しむ場面もあったが、課題の打撃面でめきめきと成長を果たし、8月の月間打率・339、9月は・314。この日は4打数1安打1四球ながら、ヤクルト投手陣に投げさせた球数は「36」を記録した。

 6回にも相手先発小沢玲史に11球を投げさせ、その後の丸、岡本和につなぐ反撃の糸口を作った。最近のチームに足りなかった「しつこい打者」、つなぎの2番打者として、しっかり役目を果たしたことが大金星につながった。

 3位のDeNAも勝ったため、ゲーム差2・5は変わらず。それでも最終打席に見せたルーキーの踏ん張りがチームに与えた影響は大きい。残りゲームは11と厳しい戦いは続くが、目指すCS切符に潮目が変わりそうな一戦となった。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]