岡田阪神 18年ぶり優勝の軌跡 元側近に明かしていた「試合をやりながら強くしていく」の決意

写真拡大

今季はベンチでの笑顔も目立った岡田監督(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 18年ぶり優勝を達成した阪神を率いた岡田彰布監督の手腕をたたえる声が球界内からも多く出ている。

 一次政権時に投手コーチを務め、岡田監督の勝負への考え方をよく知る阪神OBの中西清起氏は9月15日に自身のYouTubeチャンネルを更新。今季の快進撃の要因を改めて振り返った。

【動画】球団最速Vを決めた14日の試合、岡田監督は聖地甲子園で6度宙に舞った

 9月は怒涛の11連勝を達成し、球団至上最速のVを決めたチームに関しては地道な取り組みもポイントになったという。

 「キャンプから外野から内野への中継プレー、地道なカットプレーを重視して取り組んでいた。ゲッツー崩れでランナーを一塁に残すというのをものすごく(岡田監督は)嫌がっていた」と語る中西氏。守りの野球を掲げ、9月に入っての11連勝はすべて先発投手陣に勝ち星がつくという快挙も注目を集めたが、その裏では無駄な失点を防ぐ取り組みをしっかり行っていたと証言する。

 また、岡田野球に関しては打順固定含め「各ポジションの役目を果たさせた」ことも大きかったと見る。開幕前からの構想通り、4番・大山悠輔を中心に、1番・近本光司、2番・中野拓夢など「選手に責任を持たせてやってきた」ことが実を結んだとした。

 シーズン全体を振り返る上では、5月9連勝、8月10連勝と大きな連勝を果たしたこと、負け越した月も6月だけと大きな波がなくシーズンを戦えたことが、最速Vにつながる要因になったと見る。

 さらにキャンプ中に岡田監督をインタビューした際に指揮官はこう話していたという。前回優勝を果たした2005年のチームとの違いに関して若手が多く、ベテランが少ないことで「試合をやりながら強くなるし、強くしていくよ」と決意を語っていたというのだ。

 05年当時の主力は金本知憲氏、矢野燿大氏とキャリアを重ねたベテランがチームを支えた。一方、今季のチームは20代の選手が主、優勝経験も当然なく、手探りでチームを作る中、指揮官の思いに応えて、チームは勝負の9月に破竹の11連勝を達成した。岡田監督も「こんなに強くなると思わなかった」と選手をたたえたが、そこには打線の援護、リリーフ陣の奮起、ナインすべての力が結集されたことで、岡田監督が目指す「投手陣を含めた守りの野球ができた」(中西氏)ことが大きかったとした。

 ほかにも攻撃に関してはチーム打率、本塁打ともにそれほど傑出した数字を残せなかったが、チーム方針でもあった四球を重視したことで得点力があがり、効率良く点を奪えたとした。

 最後にはVナインとなった選手たちにコーチ時代に指導した選手もいるとして「優勝して喜んでいる顔が見られて嬉しい」と中西氏。今後の日本一への道も楽しみにしていると球団OBとして、エールを送っていた。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]