インボイス制度は浸透している? 1割以上の企業が免税業者と取引の見直しを検討か
2023年10月1日から、インボイス制度(適格請求書等保存方式)がスタートします。フリーランスの人や中小規模の事業者には大きな影響があると言われていますが、制度開始を目前とした今、どの程度の割合で浸透しているのでしょうか。また、企業はインボイス制度に登録していない「免税事業者」と、どのような取引を予定しているのでしょうか。
インボイス制度の認知度は高く、ほとんどの企業が登録申請を完了
東京商工リサーチが、5,896社の企業を対象として「インボイス制度に関するアンケート調査」を実施。まずはインボイス制度を知っているか聞いたところ「知らない」と回答した企業はわずか0.6%という結果に。ほとんどの企業がインボイス制度を認知していることが分かります。
また、適格請求書発行事業者の登録申請を行ったか質問をしたところ、92.6%の企業が「登録を完了している」と回答。ほとんどの企業で登録を完了していることが分かりました。一方、インボイス受領の準備が完了しているか聞くと、28.2%の企業が「完了していない」と回答。制度開始まで1ヶ月となっても、3割近くの企業が準備を終えていないことが明らかになりました。
インボイス制度の開始後、インボイス制度に登録していない「免税事業者」とどのように取引をする予定か聞いたところ、「これまで通り」と回答した企業は半数強の55.4%という結果に。その一方「免税事業者とは取引しない」が8.3%、「取引価格を引き下げる」が3.4%と、1割以上の企業が取引の打ち切りや取引価格の引き下げを考えていることが分かりました。
企業にとっても、課税事業者にとっても、インボイス制度に登録しなかった免税事業者にとっても、インボイス制度がスタートすることにより、今後の取引に影響があると考えられます。取引先の動向を確認しながら、消費税分に関してどのように取り扱うべきか検討しましょう。