新しい野球観を示した!球団レジェンドOBも絶賛する新井野球の「凄み」とは

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新任ながら選手起用のたくみさが評価されている新井監督(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 広島は8月4日の巨人戦(マツダ)に4−3の逆転勝ち。土壇場の9回に相手左腕、中川皓太を捉え、粘り強く勝利をものにした。

 1点を追う9回の場面、菊池涼介が右前打で出塁すると、広島ベンチは続く野間峻祥をあえて送らせず、ヒッティングを選択。この期待に野間も応え中前打で続くとさらに続く秋山翔吾の投犠打が野選となり、無死満塁と好機を拡大させる。1死満塁から、小園海斗が右前に同点打、最後は代打・松山竜平が一塁へのサヨナラ内野安打を放ち、マツダスタジアムのファンのボルテージは最高潮に高まった。

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 最後まで勝負をあきらめない、全員野球で勝利をもぎとるまさに「逆転のカープ」の真骨頂のような試合だった。

 またここまで上位戦線に食い込むなど快進撃を続けるチームにおいては、新任の新井貴浩監督の柔軟な選手起用も高く評価されている。

 最近注目されているのは、4番に上本崇司を置いていること。主力の西川龍馬の故障離脱に伴っての配置となったが、ポイントゲッターとして長打力を求めるのではなく、シチュエーションによってはバント、進塁打も行うという「つなぎの4番」として機能している。

 「4番・三塁」と先発出場したこの試合でも上本は2回先頭の第1打席は安打で出塁、4回は先頭の秋山が安打で出塁していたことで、しっかり進塁打を放ち、走者を進めるなどベンチが求める役割をしっかりこなした。

 この「4番・上本」のラインアップに関しては4日のBS日テレで試合解説を務めたミスター・赤ヘル、山本浩二氏も「(新井監督が)よく考えましたよ!」と絶賛。同じく解説を務めた球団OBの黒田博樹氏も「4番ですけどチャンスメイクも行い、足も使ってとオールマイティにできる、そういう選手が4番にいる」ことは大きいと評価。山本氏はさらにメジャーでは2番最強説として強打者を2番に置くことが多いことを受け、「こういう4番を置き始めるのも面白いかもしれませんね」と、新たな野球観を示したと称賛の言葉は止まらなかった。

 チームはこれで引き分けを挟んで2連勝。首位・阪神とは1・5差をキープと混セの台風の目となっている。選手を「家族」と呼び、一丸となって勝利に向かう姿勢も好感を呼んでいる。新井監督の次なる勝負手にも注目が高まりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]