「俺どつかれた」ポケモンカード350人行列で「大乱闘」 シャツ破れ、警察も出動...結局どうなった
ポケモンカードの新商品を買おうとして、大阪市阿倍野区内のスーパー前にできた行列で客同士の殴り合いが起き、警察も出動する騒ぎになった。
その様子を撮った動画を見ると、乱闘が少なくとも30秒ほど続いていた。動画の投稿者やスーパー側などに、当時の状況を聞いた。
「お客さん、止めて下さい」と店員らが声をかけたが...
黒いTシャツに白い短パン姿の若い男性が、帽子を被った中年男性と店の入り口近くで向き合い、手を出し合っている。親子連れもいる行列のすぐそばだった。
2人が揉み合うと、中年男性の後ろから、帽子を被った別の若い男性が右手のバッグを下に置いて走って来て、Tシャツの男性に挑みかかる。殴り合いに発展し、店員らしき男女からは、「お客様！」「お客さん、止めて下さい」と声が上がった。しかし、今度は、中年男性がTシャツ男性と殴り合いを始めた。
これに対し、もう1人の男性が奇声を上げながらTシャツ男性を歩道まで追い駆け、つかみ合いになった。中年男性もそれに加わって、蹴り合いが続く。Tシャツ男性は、シャツが破れて上半身裸になり、周囲の人たちが「止めて下さい」と間に入ってやっと揉み合いが収まった。Tシャツ男性は、「俺どつかれたんすよ」と主張していた。
この動画は、2023年7月29日にツイッター（X）上で投稿された。それを見ると、30秒以上は乱闘が続いたことが分かる。動画投稿は、その後に削除されたが、ツイッター上では、Tシャツ男性の後ろから撮った別の目撃者による動画も投稿されている。
トラブルがあったスーパーは、イトーヨーカドーあべの店だった。
ツイッター上に投稿された店頭の貼り紙によると、おもちゃ売場から28日発売のポケモンカード新商品のお知らせがあり、180円のパックが1人20パックまで、4200円のボックスが1人1個までに販売制限するとあった。いずれも抽選での販売になり、当日午前9時30分ごろに店の入り口で抽選券を配るとした。末尾では、「転売目的の方への販売は固くお断り致します」と赤字で強調されていた。
「双方が納得したうえで、現場和解したと聞いている」
動画のトラブルについて、投稿者は、日本人らしきTシャツ男性が抽選券受け取り後に着替えをして列に割り込もうとして、後ろの外国人らしき男性2人と口論になって乱闘に発展したとツイッター上で説明した。Tシャツ男性は、格闘技をやっていたかのような動きだったという。
この投稿者は8月1日、J-CASTニュースの取材に応じ、トラブルは7月28日の午前9時40分ごろに起きたとした。
この時は、約350人が行列を作っていたといい、近くの人が警察に通報しているのが聞こえたと明かした。けが人はいなかったようだという。Tシャツ男性のように列に並び直す人は他にもいたといい、こうした人たちは、カードのパック、ボックスとも抽選券を受け取っていたとしている。
イトーヨーカドーを運営するセブン＆アイ・ホールディングスの広報センターは8月1日、取材に対し、「お問い合わせいただきました事案については把握をしております。対応については警察にお任せしております」と答えた。ポケモンカードの抽選券配布については、「販売方法につきましては、店舗ごとの与件に合わせて個店で設定しております」と説明した。
大阪府警の阿倍野署は1日、警察に通報が入って、警察官が現場へ急行したことを取材に認めた。
「並んでいた時にトラブルになり、双方が納得したうえで現場で和解したと聞いています。けが人の報告もなく、事件化はしていません」
（J-CASTニュース編集部 野口博之）
