ソフトバンク54年ぶり11連敗の悪夢 ささやかれる「異次元補強のワナ」とは
11連敗と苦しむチームでは藤本監督の手腕も問われている(C)CoCoKARAnext
ソフトバンクは23日のロッテ戦(ZOZOマリン)に延長戦の末に3−4の逆転負け。54年ぶりの11連敗と常勝軍団が苦しんでいる。
連敗中のチームはこの日、大幅に打線を組み替えた。1番には野村勇を起用、4番には3年ぶりに中村晃を据えるなどしたが、延長10回に悲劇が待っていた。
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延長10回2死満塁。津森宥紀の投じた変化球を安田尚憲は右前へはじき返し、劇的なサヨナラ負け、連敗ストップは果たせなかった。
必死の継投も裏目に出た。5回2失点と粘投していた板東湧梧を降板させ、6回は田浦文丸、大津亮介とつなぐも2死から大津が山口航輝に同点のソロ本塁打を浴びた。
チームの流れが悪いときは重なるものともいわれるが、開幕前にはとても予想できなかった展開ともいえる。
オフには日本ハムからFAで近藤健介、メジャーから日本球界復帰となった有原航平、元阪神のジョー・ガンケル、元ロッテのロベルト・オスナなど投打にわたって、豊富な資金力を元に他球団垂涎の「異次元補強」をコンプリートさせた。
また打線も現在、打率リーグ2位の柳田悠岐(・306)を筆頭に上位5人の内、4人がソフトバンク勢で占められるなど、安定した成績を保っている。
一方で投手陣に目を転じると開幕投手を務めた大関友久が22日のロッテ戦で6回途中5失点でKOされるなど、連敗中のチームで存在感を示せず。昨年まで絶対エースだった千賀滉大をメジャー移籍で欠くことの「大きな穴」は埋められていない。
また、今季から4軍を新たに創設するなど「育成のソフトバンク」ともいわれるだけに入れ替えを含め、キラリと光る逸材が出てきてほしいところだが、若手が育っていないことも気がかりな材料となっている。
ロマン砲といわれ、スケールの大きい打撃が魅力のプロ6年目、砂川リチャードも今季はここまで7試合に出場し、打率・083と定着できず。
オフの異次元補強で一気に上積みが図れたかのように見え、優勝間違いなしといわれたチームも裏では世代交代の問題が重くのしかかっている。
現在2位のロッテとは4ゲーム差をつけられ、同時に下位からは4位の楽天も4ゲーム差と迫る。
24日の試合は相手の絶対エース、また本拠地で勝率の良い佐々木朗希の登板試合となる。何としても連敗を止める、チーム一丸となった戦いをファンも待ち望んでいる。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]