Photography by 柴田恵理,MASANORI FUJIKAWA

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FLOWが7月1日、千葉・幕張メッセ国際展示場にてアニメソングに特化したライブ「FLOW 20th ANNIVERSARY SPECIAL LIVE 2023 〜アニメ縛りフェスティバル〜」を開催。

「アニメ縛り」は3年ぶりとなるが、今回は20周年ということもありフェス形式で開催。影山ヒロノブ、美竹蘭 from Afterglow(CV:佐倉綾音)、ORANGE RANGE、GRANRODEOといったアーティストとのコラボに加え、福山潤、三瓶由布子、名塚佳織といった声優の朗読劇や、REAL AKIBA BOYZ、Fly-Nのパフォーマンスがステージを盛り上げた。数多くのアニソンを手がけ、地球の裏側までその名を轟かせているFLOWだからこそのフェスに、FLOWファンだけでなく各出演者のファンも大満足の一夜となった。

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注意事項などをアナウンスするいわゆる影ナレを、『七つの大罪』のメリオダス役の梶裕貴が務め、開演前から会場を大いに沸かせた。途中で「おまえら準備できてるか!」と、メリオダスになって場内に呼びかけるサービスも。この梶裕貴の影ナレがフラグとなって、トップバッターを務めたのは 、FLOW×GRANRODEO。アニメ『七つの大罪』シリーズのサウンドトラックでお馴染みの「Perfect Time」をFLOWのギターTAKE、ベースのGOT S、ドラムIWASAKI、GRANRODEOのe-ZUKAで奏でる。FLOWとGRANRODEOの7人がステージに揃うと会場は、待ってましたとばかりの大歓声に沸いた。軽快なギターフレーズで始まる「7 -seven-」と、大地を踏みしめるようなビートの「Howling」を繰り出した7人。FLOWのKEIGOとKOHSHI、GRANRODEOのKISHOWという個性の異なるボーカルが巧みに重なり、FLOWのGOTS(B)、IWASAKI(Dr)が生み出すグルーヴが、高揚感を煽り立てる。また、FLOWのTAKEとGRANRODEOのe-ZUKAによるツインギターが、ギターソロを披露した後ハイタッチを交わした様子は、両バンドの絆を感じさせて胸が熱くなった。

「とんでもないロケットスタート。一言だけ言っておきます。”すごいよ!”。今宵もアニメ縛らせていただきます!」とKEIGO。

FLOWが手がけたアニメ関連曲は、30曲を超えたとのこと。少しでも多く披露したいとのことで、アニメ『べるぜバブ』第3期オープニングテーマ「Hey!!!」、『ペルソナ 〜トリニティ・ソウル〜』後期オープニングテーマ「WORD OF THE VOICE」、『バック・アロウ』2期エンディングテーマ「United Sparrows」、『シャドウバース』第2弾オープニングテーマ「新世界」はメドレーで披露。メドレーとは言え、それぞれアニメサイズ(90秒)で披露され、これはこれでアニメファンにはたまらない趣向となった。

続いてのゲストは、美竹蘭 from Afterglow(CV:佐倉綾音)。美竹に扮した佐倉綾音が登場すると、会場は美竹カラーの赤のペンライトで埋め尽くされた。まずは、アプリゲーム『バンドリ! ガールズバンドパーティ!』に実装された「優勝 feat.Afterglow」を披露。KEIGOとKOHSHIが佐倉綾音を挟んで並び、熱く力強いボーカルとノリのいいラップを聴かせた3人。「レコーディングは2年前、いつか『優勝 feat.Afterglow』をライブでやりたいと言ってくださっていた言葉は社交辞令じゃなかった!」と、ユーモアたっぷりに話す佐倉綾音に、「せっかく来たんだから、まだ帰さねーよ!」とKEIGO。Afterglowの代表曲「Y.O.L.O!!!!!」を、佐倉綾音の生歌とFLOWの演奏で聴くという、なんとも贅沢なパフォーマンスになった。

『テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロス』の主題歌「風ノ唄」と「INNOSENSE」は、「みんなこの唄の名前を一緒に叫んでくれるかい?」と、同作の主人公・スレイ(CV:木村良平)の呼びかけが会場を盛り上げたのに続いて、圧巻だったのは影山ヒロノブとのコラボだ。

FLOWもカバーした『ドラゴンボールZ』のオープニングテーマ「CHA-LA HEAD-CHA-LA」を熱く繰り広げると、会場には〈CHA-LA HEAD-CHA-LA〉と歌う大合唱がこだました。ビジョンに映し出されたリアルタイムのライブ映像には「ゴゴゴゴ」など効果音が重ねられ、誰もが漫画のヒーローの気分。そこにGRANRODEOと佐倉綾音が合流して歌ったのは、影山ヒロノブが率いるJAM Projectの鉄板曲「SKILL」(ゲーム『第2次スーパーロボット大戦α』オープニングテーマ)。胸に手を当てての合唱に始まり、熱いボーカルを次々と披露し、佐倉綾音と影山ヒロノブが背中合わせで歌声を響かせるパフォーマンスも。ステージに炎が吹き出し、観客はジャンプしながら〈Motto !Motto !! 〉と声を上げた。

続いて『交響詩篇エウレカセブン』のパートでは、主人公のレントン・サーストン役の三瓶由布子、ヒロインのエウレカ役の名塚佳織が登壇して生朗読劇からスタート。「みんなと一緒に応援したい!」とエウレカ。レントンは「”ねだるな、勝ち取れ、さすれば与えられん”。みんなも言ってくれ!」と、劇中の名言を会場全体で叫ぶ。その流れで聴く、「DAYS」と「ブレイブブルー」は、アニメの感動シーンが蘇り盛り上がりも最高潮となった。

また、『サムライフラメンコ』第2クールオープニングテーマ「愛愛愛に撃たれてバイバイバイ」を歌う際には、同作の主人公である羽佐間正義/サムライフラメンコ(CV:増田俊樹)のかけ声で、〈サムラーイ フラメンコー!〉と声を合わせてスタート。Fly-Nのサイリウムパフォーマンスも加わり、実に派手なステージングに会場が沸く。また『デュラララ!!×2 結』オープニング主題歌「Steppin' out」では、REAL AKIBA BOYZがヲタ芸やヘッドスピンを披露し、観客はタオルを回して会場がひとつになった。

『コードギアス 反逆のルルーシュ』のパートでは、主人公のルルーシュ・ランペルージ/ゼロ(CV:福山潤)、ルルーシュの妹であるナナリー・ランペルージ(CV:名塚佳織)が、生朗読劇を披露。ゼロの仮面をかぶって登場した福山は、「フハハハハ」とゼロに成り切って会場を盛り上げ、「後でオレンジくんに……。これはゼロジョークだ!」など、ここでしか聞けないレアなセリフ回しに会場は大爆笑。「DICE」と「COLORS」を披露した後、ステージにORANGE RANGEが登場。FLOW×ORANGE RANGEとして歌った「デイドリーム ビリーヴァー」、FLOWもカバーしたORANGE RANGEの「O2」をコラボで演奏し、重厚なバンドサウンドと5MCの迫力が会場を圧倒した。両バンドは同期で共に20周年。MCではデビュー当時制服姿だったORANGE RANGEのRyoが今や38歳になったという話や、HIROKIがマカとマムシドリンク(精力剤)を持って来たなどのオジサントークを展開。同期だからこその仲の良さで、最後はORANGE RANGEの「ビバ★ロック」をコラボで歌ってフェスを盛り上げた。

締めはもちろん『NARUTO -ナルト-』のコーナー。主人公のうずまきナルト(CV:竹内順子)、うちはサスケ(CV:杉山紀彰)などの人気キャラクターが次々と声で出演して盛り上げ、最後はナルトが「貫けFLOW!」とメンバーの背中を押す。「Re:member」と「虹の空」をメドレーで聴かせると観客のクラップが鳴り、続く「Sign」では観客の一緒に歌う声が響いた会場。『BORUTO-ボルト- -NARUTO NEXT GENERATIONS-』オープニングテーマ「GOLD」では、「ボルトよろしく!」の声に、うずまきボルト役の三瓶由布子が出て来て「いくぞ!」と合図を送る。最後はメンバーと観客による大ジャンプで楽曲を締めくくった。

全力を超えたステージに「もう頭が真っ白」とKOHSHI。KEIGOは「二度とない瞬間を作り続けて来た20年、これからもみんなとだから作れる瞬間を重ねていきたい」と、かみ締める。

最後は出演者が全員登壇し、この日の感想をコメント。「子供の時に聴いていた『SKILL』を、影山さんと一緒に歌えるなんて感無量」と佐倉綾音。影山ヒロノブは「KEIGOにジャンプで負けたから、明日ジム行く!」と、まだまだ居場所は譲らないぞといったバチバチ感。Fly-Nは「ここに居られて幸せ」、REAL AKIBA BOYZは「ヲタクをやってて良かった」とコメント。また、名塚佳織は「裏で聴いていてムネがいっぱいになりました」、三瓶由布子は「今日お祝いで駆けつけたのに、こちらが堪能しちゃいました」。そして福山潤も「一瞬だけ黒の騎士団の集いみたいになってうれしかったです。楽しくなって、途中でちょっとふざけちゃったけど(笑)」と、全てをやり切った様子。フェスのラストは、『NARUTO -ナルト-』第4期オープニングテーマにしてFLOWを代表する「GO!!!」を全員で、熱くパフォーマンス。客席にはウェーブが巻き起こり、ステージからは金テープが発射。「今世紀最大のビッグジャンプを見せてくれ!」というKEIGOの呼びかけで、最後の力を振り絞った全員の大ジャンプが幕張メッセを大きく揺らした。