立ちゴケしやすい人が覚えたい足のつき方【ライドナレッジ148】(ピックアップ)
ビギナーはもちろん、バイクに乗る頻度が低かったり、体格的に足が届きにくいなど、様々な理由から立ちゴケしてしまうライダーは少なくない。
ただあまりに頻繁に繰り返す場合は、対策を講じて未然に防ぐ工夫を身につけておきたいもの。
まず慣れていないビギナーや、足が届きにくい場合に陥りやすいのが、停車してついた足の位置が悪く、支え切れずに倒れてしまうケース。
ほとんどの原因は、足をついたタイミングでまだバイクが止まり切ってなく、僅かでも前進されてしまうとついた足が支えられない角度になることにある。
これを防ぐには、停車するとき最後にスムーズさを欠いても良いので、足をつくと同時にピタッとブレーキを強めて微速前進させないこと。
しかし歩くほどゆっくりの速度でも、つんのめるまで姿勢変化すると、バランスを崩して倒れやすくなるので、ゆるゆる走らせずに停車するのを心がけ、つく足は動いている間は引きずりながら止まった瞬間から支えるという順序を身体で覚えるのが先決。
本当はまだ何とかなる位置関係でも、自信がないと早めに諦めてバイクをコカしてしまうのがビギナー。
頻繁に繰り返す人は、状況が似てきただけで「もうダメだ」とバイクを放してしまいやすい。
そこでまずやるべきは、足をついた状態でどう支えると安心できるのかを訓練しておくことだ。
人には身体を支える軸足と、ボールを蹴ったりする利き足とがある。
そして多くの人が左足が軸足で、右足が利き足。この逆の人もいるので、わからない人は片足を浮かせて支える側がプルプルしたり心もとないほうが利き足になるのでチェックしておこう。
そして軸足が左なら、停車したときこちらで支えるのが安心なのだが、実は踵(かかと)までベッタリとついた状態だと意外に前後へ揺すられると不安に陥りやすい。
踵がちょこっと浮いてる状態のほうが、少しの位置移動があっても踏ん張りがきくのだ。
また利き足が右だと、つま先立ちが不安なくクできるのも覚えておきたい。
つま先で支える位置関係を、ちょっと前のほう、少しバイクから離れた外側と、位置を変えてみると案外と支えやすいのに気づくはず。右側も馴染んでしまうとかなり頼りになる存在なのだ。
これは誰かにバイクを支えてもらい、バランスを崩しても大丈夫な状態で色々確かめながら、大丈夫に思える位置やその理由を身体が覚えるまで繰り返しておこう。
つく足の入れ替えを慌てずスムーズに!さらに練習しておきたいのが、左右でつく足の入れ替え。
足が届きにくい場合は、燃料タンクに沿って腰が回転する要領でつく足のリーチを稼ぐ腰をズラした状態を瞬時に得てしまうコツを身につけておく。
これは間に合わなければ大変とばかりに急ぐと、却ってシートとパンツが引っかかったりして焦る結果になりかねず、ゆっくり動いてスムーズに滑らせたほうが確実で安心であるのも必ず実感しておきたい。
バイクは真っ直ぐ立った状態だと、斜めに倒れそうな角度まで傾くのには、驚くほど時間がかかるもの。
慌てずゆっくり動作しても大丈夫であるのを、これも誰かにバイクを支えてもらいながら、納得がいくまで繰り返し確かめておくことだ。
スポーツバイクであれば、ほぼ必ずリヤサスにスプリングのプリロード調整、わかりやすくいえば車高調整の機能がついている。
一番低くなるまで一段でも二段でもあれば最も下げた位置に、調整用のツールなどを使って変えておこう。
それほど難しい作業ではないのだが、不慣れでわからなければ、ショップに頼むかキャリアのあるベテランにお願いしよう。
慣れるまで少しでもリスクを避けたほうが安心のはいうまでもない。
そしてツーリングに出かける朝は、走り出す前につく足の左右の入れ替え、そして軸足と利き足のつき方の違いをいちいち確かめておく。
バイクは身体で乗るモノ。わかっているつもりでも、ちょっとでも時間が空くと、感覚を忘れがちになる。
面倒がらずに必ずシュミレーションをしてから走り出すくらい慎重でありたい。