「救急車妨害男」が逮捕「殺人未遂みたいなもん」人命を救う緊急車両への迷惑行為に非難殺到
(写真・AC)
2月2日、救急車の搬送を妨害したとして、兵庫県芦屋市の会社役員の48歳男性が逮捕された。
男性は2022年11月26日の午後8時ごろ、自宅近くで救急活動中の隊員の職務を妨害、公務執行妨害の疑いがもたれている。救急車は119番を受けて、急病の男児の搬送作業をしていた。
男性は、自宅近くの路上で自分の息子とキャッチボールをしており、隊員が救急車を出発させるために、離れるよう声をかけたところ、激高したという。「うちの息子に何言うたんや」「いつまで停めてるんや、赤いライトつけたままやったら、近所迷惑になるやろ」などと声を上げ、窓を叩くなどして出発を妨害。急病の男児の出発が約20分遅れたものの、男児は無事だった。
SNSでは
《これ子供が死んでたらどう責任取ってたんだ?殺人未遂みたいなもんじゃん》
《それがもし自分の息子だったら…救急車妨害されたらどう思う 自分勝手やな 会社役員が聞いて呆れる》
と、怒り呆れる声が渦巻いている。タレントで一児の父親でもあるJOYも、自身のTwitterで
《自分の子供の前でこんな行動するなんてため息も出ないほど呆れる。本来こういう時こそ親として子供に大切なことを教えられるタイミングでしょ》
と非難している。しかし、迷惑なのは、この件のような妨害だけではない。
《最近、救急車を運転していて感じること。救急車に道を譲ってくれない車が増えた。先日、小児の心肺停止を搬送した。助けたいんです。早く医師に引継ぎたいんです。安全を確保しつつ、できる限りの速度で走ってる。道を譲ってくれ。頼むよ。一部の身勝手な大人の都合で、小さな命を失いたくない》
「救命士」を名乗る人物が2022年6月、Twitterに投稿したもので、40万件以上の「いいね」がつき、話題となった。緊急車両に道を譲らない行為も、やっていることは今回、逮捕された男性と同じだ。SNSには《サイレン鳴らしてるのに前を遮るやつも同罪だぞ》という声もある。
総務省の資料によれば、救急出動件数(救急車・防災ヘリ)は年間で約620万件。救急車は1日平均約1万7000件、約5.1秒に1回の割合で出動し、国民の23人に1人が搬送されたことになる(2021年データ)。
救急車のお世話になるのは、決して他人ごとではないのだ。