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●エビフライのデカさNo.1に挑戦するかのような大阪の洋食屋『AB-kitchen』の「エビフライ」。大きさだけじゃなく、その味わいの評価は?

 老若男女みんなが大好きな洋食というジャンルですが、その主役といえばハンバーグやオムライスが最近では定番になっているような気もします。しかし忘れてならないのが「エビフライ」。

 主役として語られる機会が減ったエビフライですが、筆者自身は今でも大好物。そんな洋食屋のエビフライが大阪で超絶進化している、という情報を聞きつけたので食べに行ってきました。

シータイガーのエビフライが食べられる『AB-kitchen』

 今回やってきたのは、大阪のオフィス街である堺筋本町にある『AB-kitchen』。大きなビルのある本町通を一本入った路地にお店を発見。勝手に想像していた街の洋食屋っぽい感じではなく、ビジネス街になじむシンプルな外観のお店となっています。

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 入り口脇の黒板にはお店で使用しているシータイガーと呼ばれる海老についての解説が書いてあります。「シータイガーは一般的に流通しているブラックタイガーと同じ種類ですが、養殖ではなく、海で獲れる天然原種を特別にシータイガーと呼び、その大きさは30cmくらいになる」そうです。

 シータイガーという海老の存在は知っていましたが、食べるのは初めてなのでテンションがあがります。注文は券売機で行うスタイル。メニューには中、大、特大とありますが、せっかくなので特大を食べたいと思います。1尾で2800円、2尾で5500円。さすがに1尾にしておきました。

迫力ありすぎなシータイガーの「エビフライ」の食感・味わいは?

天然エビフライ(特大) 2800円

 席に座ってお店の方に食券を渡すと、「海老が大きいので揚げ時間がかかりますがよろしいですか?」と、普段あまり聞かない問いかけが……むしろ逆に期待が膨らみます。

 10分ほど待っていると、シータイガーのエビフライが到着。覚悟はしていましたが、思った以上にデカい!

「伊勢エビ以外のエビのサイズが大体これくらいなので、エビフライのサイズはこれくらいだろう」という感覚をバグらせます。また顔もかなりゴツくて、エビというよりドラゴンのような風格。

 基本的にお箸で食べるそうですが、あまりにも太いエビフライということで、ナイフとフォークが登場しました。

 ナイフで切ってみても、すんなりとは切れず、グッと力を入れて切断しました。それでは改めていただきます。切ったエビを口の中に入れてみると、もはや知っているエビの食感ではありませんでした。

 海老の食感を表す定番の擬音語は「プリップリ」ですが、ブリンブリンやゴリンゴリンという雰囲気で、筋肉と旨みと食感の塊という感じの肉質です。

 そんなエビフライにたっぷりとタルタルソースを付けてライスと食べると、その相性は抜群。提供時には食べきれるのかな? と思った巨大なエビフライでしたが、意外とすんなり完食しました。

 ちなみにパリパリとした食感の好きな筆者。普段、エビフライの尻尾を食べることも多いのですが、今回の尻尾は硬くて鋭くて食べられませんでした。

シータイガーはエビ味噌もたっぷりの食べ応え

 また有頭のエビを食べる時の密かな楽しみと言えば、海老の頭の中の海老味噌とその周辺のお肉。カニ味噌ほどメジャーな存在ではありませんが、有頭のエビフライを食べる時には欠かせません。

『AB-kitchen』の巨大すぎる有頭エビフライ。もちろん食べてみました。エビ味噌は隠し味や最後のちょっとしたお楽しみというくらいの存在が普通。しかし、巨大シータイガーのエビフライのエビ味噌はそんな感じではなく、カニで言えば爪肉かそれ以上に立派な部位として存在感がありました。

 もちろん旨みも濃厚。『AB-kitchen』を訪れて大きなエビフライを食べる時には、ぜひ頭を切開してグッと大人な味を堪能しましょう。

(撮影・文◎けいたろう)

●SHOP DATA

AB-kitchen(エービーキッチン)

住:大阪府大阪市中央区安土町1-4-10 プライムハイツ 1F
TEL:050-5872-1630
営:11:00~20:00、ランチタイムは11:00~15:00
休:火曜日 ※日・祝はランチのみ11:00~15:00

●著者プロフィール

けいたろう
旅するグルメライター。大阪と京都をむすぶ京阪電車の沿線在住で、複数の旅行情報サイトにて旅とグルメのガイド記事を執筆。気になるグルメ情報があるとB級グルメも高級店も穴場のお店も有名行列店でも、とにかく幅広く取材!食楽webでは関西グルメ情報を中心に紹介しています。