『スーパーマリオブラザーズ』を4分55秒以内にクリアした史上3人目の猛者が現る
ざっと39年前に発売された『スーパーマリオブラザーズ』は、今でもクリアタイムを縮めるスピードラン競争が全世界で繰り広げられています。そんななか、なんと4分55秒以内を達成した3人目のスピードランナーが現れました。
「Nebula_Composer」氏は4分54秒948を記録し、4分54秒台として5番目のスピードランとなり、4分55秒の壁を切った史上3人目となりました。スピードランとはゲームにおいて最短時間での攻略をめざすプレイ方法のことで、日本ではRTA(リアルタイムアタック)とも呼ばれています。その世界記録はSpeedrun.comに登録され、Nebula氏の記録も確認できます。
今回のスピードランはAny%であり、ステージのクリア率を考えずバグ技を使っても最終面の8-4までクリアすればOKです。プログラムの操作によりゲームをクリアするTAS(ツール・アシステッド・スピードラン)では4分54秒265が最速となっているため、「人類が4分55秒の壁を自力で超えること」をめぐりチャレンジが続けられているしだいです。
Nebula氏も、すでに最適化されているルートを全力で駆け抜けています。マリオが壁の中を通り抜けて近道をする「Wall clips」により1-2の奥にあるワープゾーンに到達したり(スタートから1回も立ち止まらず、最後の土管の手前で一瞬だけBボタンを離してからジャンプする)と、人間業とは思えないテクを完ぺきに使いこなしています。各ステージ最後の旗で根元に触っているのも、ある条件を満たすことで旗が降りるアニメーションをカットして時短できる高等技だったりします。
ただし最後の水中ステージへの突入は、わずかに入力が不正確だったために、世界記録から4フレーム(1フレームは60分の1秒)遅れてしまいました。その後は完ぺきにこなしており、5フレーム以内にジャンプしなければ命取りともなるクッパのパターンもやり遂げています。
なぜフレームが重要かと言えば、スーパーマリオには「フレームルール」と言われる法則があるからです。ステージをクリアしたのが最適なタイミングから1フレームでもズレると0.35秒の暗転が生じてしまうため、数フレームの違いが(世界記録のレベルでは)手痛い遅れになってしまうわけです。
ともあれ、どこで失敗したかがわかっていることは、Nebular氏がまだ世界記録に追いつける可能性を意味しています。今のところNiftski氏とMiniland氏が、それぞれ1位と2位の世界記録を守っています。
Nebular氏は動画のコメントで「2020年2月、このゲームを初めてスピードランしたときに4分54秒台を出すと言っていたら、自分はクレイジーだと思っていたでしょう」と述べています。それから約2年半が経ち、約半年間も努力を重ねた末に、ついに4分55秒の壁を破ったとのこと。そのモチベーションが保てたのは、大手掲示板RedditのSMB1(初代スーパーマリオ)コミュニティのみんなのおかげだと感謝を表しています。
今年4月に超難関ゲーム『エルデンリング』のスピードランが7分(6分59秒)を切ったことをお伝えしましたが、その後に6分46秒まで縮めた猛者が現れました。スピードランは、人類の未知なる可能性を切り拓いていくのかもしれません。
Source:Reddit
via:Gamesradar