こちらは、小売業界の最前線を伝えるメディア「モダンリテール[日本版]」の記事です※モダンリテール[日本版]は、DIGIDAY[日本版]内のバーティカルサイトとなります

MRブリーフィングは、変動の激しい小売業界が直面する課題やトレンドについて、モダンリテールが注目しているニュースをご紹介します。

STORES運営のヘイ、事業者向けアプリ「STORES ブランドアプリ」で中小事業者のOMO型店舗運営を支援

中小事業者向けにネットショップ開設・運営サービスのSTORESなどを提供するヘイは7月7日、事業者向けアプリ「STORES ブランドアプリ」のサービス提供を開始した。実店舗とECの顧客情報を一元管理し、コストや手間をかけられない中小事業者でも、オンライン・オフライン双方で顧客との1to1コミュニケーションが図れるサービスだ。「STORES ブランドアプリ」は、店舗独自のアプリを簡単に作成できるほか、実店舗とECの顧客情報の取得・統合・管理や、ポイントやランクに応じたロイヤルティ醸成のためのプログラム作成、それらの情報をもとに最適なメッセージやクーポンを配信する1to1のコミュニケーションをワンストップで提供できるというものだ。新サービス発表会に出席したヘイの代表取締役社長を務める佐藤裕介氏は、「日本国内でもオフラインとオンラインを行き来するOMO型の購買行動が進み、事業者側も実店舗とECを両立させた店舗運営が迫られている。しかし、特に中小事業者は人手もマーケティングのケイパビリティも足りず、顧客情報や売上をそれぞれ管理するのに2倍の手間がかかる」と指摘。加えて、同社のCRM事業部門長である内田皓大氏も、「顧客獲得コストが年々上昇するなかで事業者に求められるのは、新規来店の顧客をいかにファンにするかということ。しかし、マルチチャネル化が進み消費行動が多岐にわたるなか、顧客一人ひとりへの理解を深め、適切なコミュニケーションを継続して行うのは難しい」と説明。中小事業者が抱えるこうした課題が、新サービス開発の背景にあると説明した。STORES ブランドアプリの利点は、顧客管理を一元化できること、デジタルでも1to1のもてなしができること、顧客接点を1つに集約できることにある。内田氏は、新サービスのアプリを実店舗とECのハブとして捉え、「総合的な顧客管理を実現する。そこで得られた顧客情報を踏まえて、オンラインでもオフラインでも1to1のおもてなしを提供する、という世界観を目指した」という。価格面における優位性も訴求する。新サービスは、初期費用がかからず、スタンダードプランは月額22万円、エンタープライズプラン(POSやECとの連携などを含む)は同33万円で提供する予定だ。他社で同様のサービスを利用した場合、POSやECとの連携、購買情報を用いたセグメント配信などに追加費用がかかり、かつ月額で100万円、初期費用に300万〜400万円ほどかかるという。内田氏は、「マーケティングの観点からみて、顧客情報は重要な要素。事業者固有の情報との連携や顧客情報の取得に追加費用がかかることが多いアドオン型システムとは異なり、それらの価値をワンストップで提供できるのが我々の強みだ」と強調した。多様な機能を必要とする成長段階の事業者を対象にしたサービスであることから、ECとの連携ができるのは現在、ShopifyでEC構築しているブランドのみとなる。今後は、STORESのサービスを利用している既存の事業者にも対象範囲を広げる計画で、内田氏は、導入社数の目標について、「2〜3年後に3ケタをめざす」と話した。ヘイの代表取締役社長の佐藤裕介氏(左)と同社CRM事業部門長の内田皓大氏Written by 戸田美子

MR Newsレビュー

速報系ニュースを振り返る「MR Newsレビュー」。今回は7月1日(金)〜7月7日(木)にモダンリテール[日本版]のTwitterでご紹介したニュースをまとめました。インフレ、独立記念日のにも影響 ベッドバス&ビヨンド、経営陣の入れ替え続く 元アップル幹部のスタートアップ、上場から1年未満で破産申請 BNPLのクラーナ、評価額大幅引き下げ TikTok、欧米でのライブコマース拡大せず Edited by 戸田美子