「アクエリアス」がスポーツ時に飲まれるのは2割 残り8割の日常飲用に照準を合わせてコミュニケーション刷新
コカ・コーラシステムは、スポーツドリンク(スポドリ)のスポーツシーン以外の日常での飲用機会に着目して「アクエリアス」ブランドのコミュニケーションを大きく変更した。
取材に応じた日本コカ・コーラの高木直樹マーケティング本部スポーツ事業部部長は「『アクエリアス』がスポーツ時に飲まれているのは2割程度。残り8割が日常シーンとなり、日常で水よりも優れた水分補給を理解していただくことが大事。日常のアクティブなシーンで訴求してビジネスがプラスになった昨年の結果を受けて、今年も継続して強化していく」と語る。
この考えのもと5月2日に新キャンペーンを開始。
新キャンペーンのイメージキャラクターに広瀬アリスさんと生瀬勝久さんを起用して「カラダよ、整え。ココロを連れてゆけ。」「飲むコンディションメイク」をキーフレーズに掲げて日常飲用を訴求している。
「『アクエリアス』は日常の中で、もう一歩踏み出そうというシーンで圧倒的に飲まれている。カラダの水分バランスを研究し続け適度な糖分とナトリウムを含む物性的価値に加えて、一歩踏み出せるような情緒的価値も訴求していく」考えだ。
商品面では、「アクエリアス」本体(ブルー)と「アクエリアス ゼロ」で期間限定のプロモーションデザインパッケージを展開している。
ラベルの二次元コードからキャンペーンサイトへの誘導を図っている。
キャンペーンは、「アクエリアス」オリジナルデザインのワイヤレスイヤホン(専用ケース付き)や「BRUNO」のアウトドアライン「ENJOY PICNIC AND OUTDOOR BRUNO」とタイアップしたオリジナルペットボトルホルダーなど合計10万人に毎日当たる内容で10月31日まで実施している。
そのほか、対象商品の購入レシートの写真を応募するとLINEポイント最大150ポイントが必ずもらえるキャンペーンや、コカ・コーラ公式アプリ「Coke ON」で通常の2倍のスタンプがプレゼントされるキャンペーンなども実施している。
「アクエリアス」の主なラインアップは「アクエリアス」本体、「ゼロ」、「1日分のマルチビタミン」、「乳酸菌ウォーター」、「経口補水液」で、各アイテムで異なるターゲットに照準を合わせて展開していく。
「本体はZ世代、『ゼロ』と『経口補水液』はアクティブシニア、『1日分のマルチビタミン』と『乳酸菌ウォーター』は働く男女30‐40代に支持されている」とし、これを引き継いでいく。
この中で「1日分のマルチビタミン」と「乳酸菌ウォーター」はパッケージを刷新して1月31日から発売している。
これにともない「乳酸菌ウォーター」は消費者ニーズを受けて容量を変更。従来の410ml・希望小売価格税込129円から500ml・希望小売価格税込140円にして他の主要アイテムと統一した。
容量別では小容量サイズの構成比率が高まり新規ユーザーが増加傾向にある。
「これまでは購入者の大半を占めていたのは、スーパーなどで家族を代表して2Lサイズを代理購買される母親層で、当社はこの購入者層に向けて、子どもたちにスポーツをさせることを想起させつつコミュニケーションしてきたが、昨年からはZ世代や働く男女に向けたコミュニケーションにも力を入れるようになり飲用者数が増えている」と説明する。
人出の回復に伴い、自販機限定販売の600mlとコンビニ限定販売の950mlの販売も上向いているという。
「スポドリが他のカテゴリーと大きく異なるのは一回当たりの飲用量が多く、外での即時消費が多い傾向である。活動量の増加に限らず、そもそも自分のための水分補給として飲まれている。500mlだけでなく、600mlや950mlこそZ世代が1人で飲み切るちょうどいいサイズかもしれない」との見方を示す。
夏場の施策については、6月27日から夏のキャンペーンを実施して熱中症対策飲料売上ナンバー1の訴求に重きを置いた施策を昨年に引き続き展開していく。
「ナンバー1は店頭で非常に強いパワーワード。熱中症対策飲料で一番売れているのは『アクエリアス』であることをしっかり訴求すると、それを耳にされた消費者が購買するという調査結果が出ていることから、さらに強化していく」という。
熱中症対策を効果的に伝える施策としては、気象・気温予測と連動した、TVCMやOOH(屋外広告)、デジタル広告も展開する。
「気温が高まり熱中症の危険性が高まっているタイミングにあわせコミュニケーションを展開すると視聴者・消費者から共感を得られると考えている」と川瀬保菜未スポーツ事業部シニアブランドマネジャーは述べる。
ユーチューバーを活用して水分補給の大切さもSNSで発信。「若者に興味を持ちやすい切り口で説明している」という。
「アクエリアス」がスポーツ時に飲まれるのは2割 残り8割の日常飲用に照準を合わせてコミュニケーション刷新は食品新聞 WEB版(食品新聞社)で公開された投稿です。