作者を務める足立紳

写真拡大

 2023年度後期のNHK連続テレビ小説(通称:朝ドラ)「ブギウギ」の制作が24日、発表された。モデルは戦後の大スター、笠置シヅ子さん(1914−1985)。

 実在の人物である笠置さんをモデルとするが、激動の時代の渦中で、ひたむきに歌に踊りに向き合い続けたある歌手の波乱万丈の物語として大胆に再構築。原作はなく、登場人物名や団体名などは一部改称して、フィクションとして描かれる。

 作者を務めるのは、映画『百円の恋』で日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞した足立紳。音楽は、笠置さんの名曲「東京ブギウギ」の作曲を手掛けた服部良一さんの孫である服部隆之が担当する。

 連続テレビ小説の第109作「ブギウギ」のヒロイン・鈴子は、香川生まれの大阪育ち。鈴子は明るい笑顔とまっすぐな心で、銭湯の看板娘から、“ブギの女王”と呼ばれる戦後の大スター歌手となっていく。大阪、香川、東京とさまざまな舞台がドラマを彩り、これまでの朝ドラにはないほどの歌と踊りが出てくるという。タイトルの「ブギウギ」とは、陽気で踊り出したくなるような音楽リズムの一種。ブギウギのように、このドラマで多くの人を明るく元気にしたいという思いが込められている。作者の足立、音楽の服部、制作統括・福岡利武のコメントは下記の通り。(清水一)

▼執筆にあたって 作者・足立紳
「ブギウギ」という言葉は音楽用語の一つですが、その語感から「ウキウキ」という言葉を連想してしまいます。そして「ウキウキ」という言葉からはすぐに「ワクワク」が連想されます。
「ウキウキ、ワクワク」と聞くと、明るく前向きで楽しいイメージです。
人生、ウキウキワクワクばかりではありませんし、明るく前向きな生き方はもちろんすばらしいですが、その正反対の生き方だって悪くはありません。(私は暗くて後ろ向きな性格です!)
ただ、本作の主人公のモデルとなる笠置シヅ子さんが生命力あふれる表情とダンスで踊り歌った「東京ブギウギ」という歌は、戦後、多くの日本人たちに「明るく前向きに生きる活力」を与えました。
ですが、その底抜けに明るくて陽気なメロディーの裏には、笠置シヅ子さんのさまざまな人生がありました。
そんな笠置シヅ子さんをモデルにした主人公を描くことで、今度は「今を生きる人たちに、今、必要な活力」というものが描けるかもしれないと思いました。主人公はときに人を巻き込み、ときに巻き込まれ、たくさん人に迷惑をかけ、迷惑もかけられながら生きていきます。それは人が生きていく上での当たり前の姿だと思います。そんな主人公の生きる姿を見て、いつしか主人公の生き方を笑いながら肯定し、ドラマを見ながらいつの間にか「生きる活力」のようなものが少しでもみなぎってくるような作品になればうれしいなと思っています。

▼音楽担当 服部隆之
時代を稲妻の様に走り抜けていった一人の女性。
ブギウギという翼を手に入れ空高く羽ばたき、日本中に元気と勇気を振りまいた彼女のジェットコースターの如き人生。
朝から視聴者の皆様にワクワク、ドキドキ、ブギウギを感じて頂くべく、微力ながら頑張らさせていただきます。

▼制作にあたって 制作統括・福岡利武
ブギのリズムに乗って明るく元気に歌うヒロイン鈴子は、笑顔がとっても魅力的な女の子です。そして厳しい稽古の中で、悩み苦しみながらも、多くの人を笑顔にする大スターへと成長していきます。まっすぐで人情に厚い、気取らないスターです! 毎朝、ヒロインの成長を見ながら笑って泣いて、おおいに楽しんでいただけるようなドラマを目指します。
脚本の足立紳さんとは、毎朝、力をもらえるドラマにしようと話しています。
音楽の服部隆之さんは、「東京ブギウギ」の作曲、服部良一さんのお孫さんです。昭和歌謡のドラマの世界を、鮮やかに表現していただきたいです。
毎朝がワクワクするドラマ「ブギウギ」をスタッフ、出演者一同、力を合わせてお届けしたいと思います。