「水族館の神」と呼ばれる坂野新也氏がプロデュース

 (株)アクア・ライブ・インベストメント(TDB企業コード:292053469、資本金2億600万円、東京都千代田区内幸町2-2-3、代表坂野新也氏)と関係会社の(株)アクア・ライブ・ネイチャー(TDB企業コード:285054297、資本金990万円、同所、同代表)、(株)アクア・ライブ・ギフト(TDB企業コード:716054253、資本金990万円、同所、同代表)、川崎水族館合同会社(TDB企業コード:047025294、資本金10万、東京都千代田区丸の内3-1-1)の4社は、4月4日に東京地裁より再生手続き開始決定を受けた。

 監督委員は大澤加奈子弁護士(東京都千代田区大手町1-7-2 、梶谷綜合法律事務所、電話03-5542-1453)。

 (株)アクア・ライブ・インベストメントは、2019年(平成31年)3月に「水族館の神」と呼ばれる代表坂野氏が設立したベンチャー企業で、グループ会社に施設運営を委託する形で、「川崎水族館(カワスイ)」(川崎市)を運営していた。同氏は、1970年代に沖縄海洋博覧会水族館(現・沖縄美ら海水族館)プロジェクトへの参画以来、過去には葛西臨海水族園、サンシャイン国際水族館リニューアル、足立生物園、東京ディズニーランドカリブの海賊ジャングルクルーズなど名だたるプロジェクトを手がけてきた実績を有するなど、50年近くにわたり水族館づくりに携わってきた。「川崎水族館」は、都市型の水族館で、「世界の美しい水辺」をテーマに、世界各地の生きものを光・音・映像など五感で感じる新感覚のエンターテインメントで、2020年12月期には年収入高約2億500万円を計上していた。

 しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響や緊急事態宣言の発出などにより、2020年7月の開館以降、入場者数が伸び悩んでいたことに加え、2022年以降もオミクロン株の影響により入場者数の減少に歯止めがかからないなか、追加の資金調達が困難となり、グループの事業運営に必要な資金が確保できず、3月28日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請した。
 
 (株)アクア・ライブ・ネイチャーと(株)アクア・ライブ・ギフトは、2019年(令和元年)12月に設立。これら2社も連鎖する形となった。なお、「川崎水族館」運営資金調達のために設立された川崎水族館合同会社は、自社グループより民事再生法の適用を申し立てられていたが、同社も再生手続き開始決定を受けている。

 負債は4社合計で50億円以上が見込まれる。

 なお、(株)イグニス(TDB企業コード:235057881)は4社との間で、事業再生を支援することを目的とする基本合意書を締結している。営業に関しても通常通り継続している。