生活費は家庭によりさまざまです。しかし、自分は生活費を使いすぎているのではないか、と不安になる人もいるでしょう。

そこで、この記事では2人暮らしの生活費がどのくらいなのか、全国平均を紹介します。平均的に使用される生活費と自分たちの現状と見比べると、使いすぎかどうかが分かります。ぜひ参考にしてください。

2人暮らしの生活費の平均額

2人暮らしにおける1ヶ月あたりの生活費の平均額は、約24万5,278円の支出となっています(総務省「家計調査結果」)。

その内訳のおもな支出は次の通りです。

※「家計調査結果」2020年1月~12月(総務省統計局)を加工して作成

このなかで大きな割合を占めるものが、食費、光熱・水道代といった生活する上で欠かせない支出です。次いで、自動車の維持費や携帯料金などの通信費を含む「交通・通信」費が大きな支出となっています。教養娯楽費も一定の支出が見られますが、月額平均は約2万円と比較的、低い数字でしょう。

なお、本調査の住居費には、“住宅ローン返済費”が含まれていないため、実数値とは大きくことなる可能性があるので注意しましょう。

2人暮らしは1人暮らしよりもお得?

2020年の家計調査によると、1人暮らし世帯における月々の生活費平均額は約14万6,458円でした。2人暮らし世帯の平均が約24万5,278円だったため、2人暮らしになったからといって、単純に生活費が2倍になるわけではないということが分かります。

1人暮らしよりも2人暮らしのほうが1人あたりの支出を少なくできる要因として、2人で共用できる部分の多さが考えられます。

例えば、食料のまとめ買いや自炊によって、生活費に占める割合の高い食費を抑えられますし、家賃も2人で負担できます。照明や空調など電気代も共用可能です。以上から、2人暮らしは1人暮らしよりもお得な場合が多いといえます。

2人以上世帯の年収別生活費

ここまで2人暮らし世帯における生活費の平均額について見てきました。しかし、生活費の平均額は世帯人数ではなく世帯年収によっても大きく異なります。続いては、家計調査より算出した2人以上世帯の年収階級別生活費を見ていきましょう。

※小数点切り捨て
※「家計調査 家計収支編」第2-3表(総務省統計局)を加工して作成

上記のとおり、200万円未満の世帯と1,000万円以上の世帯の生活費は、単純比較で3倍以上の差があります。年収階級が上がると世帯人員も増える傾向にあるため(200万円未満の平均世帯人員は2.26人に対し、1,000万円以上では3.4人以上)、1人あたりの生活費では少し差が縮まるものの、年収と生活費は比例していると分かるでしょう。

冒頭で紹介した2人暮らしの生活費平均額を参照するのもよいですが、このように自分たちと同じ年収水準の人がどの程度生活費をかけているかを目安にすると、より実態に沿った比較ができます。

居住する地域によってもかかる生活費は変わる

自分たちの生活費の目安を考えるうえで、もう一つ大切な要素が「居住する地域」です。

総務省統計局が公表している「住宅及び世帯に関する基本集計」によると、1ヶ月あたりの家賃は全国平均で5万5,695円です。

しかし、都道府県別に見ると全国最低の鹿児島県が3万7,863円なのに対し、全国トップの東京都は8万1,001円と、実に2.1倍もの開きがあります。

東京をはじめとした都市部は家賃以外の物価も高い傾向にあるため、地方で暮らす人に比べて、どうしても生活費が多くかかりがちです。生活費の目安を検証する際は、自分たちが暮らす地域の生活費水準についても考慮するとよいでしょう。

※参考:「都道府県別でみる住宅状況」(総務省環境局)

2人暮らしにおける理想の生活費内訳

住む地域やライフスタイルによって生活費の内訳は異なりますが、将来のことを考えると最低でも収入の10%程度は貯金に回したいところです。そのためには、毎月かかる固定費の住居費は2~3割程度、保険代は1割程度に抑えるのが理想的です。2人暮らしにおいては、次のような生活費内訳を意識するとよいでしょう。

2人暮らしの生活費節約術

2人暮らし世帯における生活費の平均額を紹介してきましたが、収入やライフスタイルによって支出額は異なってくるものです。それでも、平均より大幅に生活費が高いという人は節約を意識したほうがよいかもしれません。次に、支出の種類別に2人暮らしで使える節約術を紹介していきます。

食費

生活費のなかで多くの割合を占める食費を節約すれば、生活費全体へのインパクトも大きくなります。基本的に食材はまとめ買いしたほうがお得なため、同じメニューを2人分作成し、自宅で食べるようにすればコストを抑えることが可能です。

1週間ごとに食費の予算を設定すれば、出費の管理も簡単にできます。共働きで平日の帰りが遅い場合でも、休日に作り置きを用意しておくなどして、できる限り外食を減らしましょう。

水道光熱費

現状を少し見直すだけで、節約効果を期待できるのが水道光熱費です。水道光熱費全般に使える節約法としては、2人がなるべく同じ時間帯に生活するという方法が挙げられます。

民間会社によって供給されるガスや電気は、契約会社や契約プランなどを見直すことでコストを下げられる場合があるでしょう。

そのほか、コンセントをスイッチ式のものに変え、こまめに切ることで待機電力を抑えられます。お風呂は間を置かず2人交互に入れば、追い焚き機能を使う必要がなくガス代を節約可能です。

通信費

携帯電話料金やインターネット料金に代表される通信費も、2人で見直せば節約効果が期待できる項目です。最近では格安スマートフォン会社や格安SIMを使用したり、各キャリアが提供している格安プランへ見直したりするなど、携帯電話料金を大幅に下げられる選択肢が増えています。

また、2人暮らしであれば家族割のプランが使用できる可能性もあるため、使用キャリアの店舗に相談してみることも有効でしょう。

家賃

家賃は固定費なので、基本的に節約するのは難しいといえます。どうしても家賃負担が重荷になるようであれば、2人の収入の範囲内で無理なく住める家賃の家へ引っ越すのがおすすめです。

引っ越しをしたくない場合、契約更新時に管理会社と家賃交渉をするという手もあります。周辺相場との比較や周辺環境の変化など具体的で筋の通った理由を訴えつつ、無理ない範囲で交渉しましょう。会社によっては住宅補助制度を用意している場合もあるので、勤務先の制度をチェックしてみてください。

2人暮らしをする際の注意点

2人暮らしをするにあたっては、生活費をどう管理していくかという点が重要です。2人でどれくらいの費用を使っているか可視化するためにも、家計簿をつけて支出を管理しておくと無駄遣いを防げます。家計簿をつける方法はさまざまですが、マネーフォワードMEなどの家計簿アプリを使用すると、自動記録など便利な機能を使用できます。

生活費は2人で折半するのが基本ですが、2人の収入の状況に応じて柔軟に割合を変えてみましょう。どちらかの負担が重くならないよう2人で協力し、お互いに無理強いはしないよう心がけてください。

まとめ

今回は、家計調査の結果を基に2人暮らし世帯における生活費の平均額を紹介しました。世帯収入や住んでいる地域の違いなども意識しつつ、自分たちの状況と照らし合わせてみて、平均より多いか少ないかを確認してみてください。

もし、あまりに平均から大きく逸脱しているということであれば、今回紹介した節約法をヒントにコストダウンを図ってみましょう。