半世紀以上続く地球観測衛星プログラムがその新たな一歩を記しました。NASA(アメリカ航空宇宙局)とUSGS(アメリカ地質調査局)は、地球観測衛星「ランドサット9」号の打ち上げに成功しました。


打ち上げは、現地時間9月27日にアメリカ・カルフォルニア州にあるヴァンデンバーグ宇宙軍基地第3発射場から行われました。使用されたロケットは、ULA(ユナイテッド・ローンチ・アライアンス)のアトラスV401ロケットです。衛星は打ち上げから約1時間20分後に太陽同期軌道へ投入され、発射ミッションは成功しました。またアメリカミサイル防衛局やコロラド大学、ボストン大学などがそれぞれ開発したキューブサットも放出されたということです。


【▲ ヴァンデンヴァーグ宇宙軍基地から打ち上げられる地球観測衛星「ランドサット9」を搭載したアトラスVロケット(Credit: NASA)】


ランドサットは1972年から続く地球観測プログラムです。NASAとUSGSの共同ミッションであり、打ち上げ後の衛星運用はUSGSが担うとされています。森林や都市、水域などの観測を行います。初の「ランドサット1」号の打ち上げは1972年に実施されました。現在は1999年に打ち上げられた「ランドサット7」号と2013年に打ち上げられた「ランドサット8」号が運用中です。今回打ち上げられたランドサット9号は、ランドサット8号のミッションに合流する予定となっています。


【▲ これまでのランドサット衛星の歴史(Credit: NASA)】


ランドサット9号には、2つのカメラが搭載されています。「Operational Land Imager 2(OLI-2)」と「Thermal Infrared Sensor 2(TIRS-2)」です。これらのカメラは、地球から反射したり、放出されたりする11の波長を検出できる光学式センサーです。集められたデータは、アメリカ・サウスダコタにあるアメリカ地質調査局地球資源観測科学センターで保存され、一般の人も無料でアクセスできるようになります。


 


Image Credit: NASA
Source: ULA/Space News/LandSat9 パンフレット
文/出口隼詩