【▲ 遠方の銀河のようにも見えるファルコン9ロケットの噴煙(Credit: Dennis Huff)】


こちらの画像は、ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した遠方の銀河でしょうか? いいえ、打ち上げられたファルコン9ロケットの噴煙(plume)なのです!


8月29日の早朝、空を見上げる人たちを楽しませてくれたのが、このライトアップされたガスと塵の雲です。


この写真は、フロリダ州タイタスビルのスペース・ビュー・パークから午前3時17分に撮影されました。これは、ISSに物資を供給するCRS-23ミッションで、スペースX社のファルコン9ロケットが打ち上げられてから約3分後のことです。


ロケットの第1段と第2段を分離した際に発生する噴煙と排ガスが、まだ暗い空に漂っている様子を捉えています。下の明るい点は、地球低軌道に向かって進む第2段で、上の明るい点は、ロケットの第1段が「ブーストバック燃焼」(boostback burn)を行っているところです。


第1段は戻ってきて、大西洋に到着した最新の自律型宇宙港ドローン船(the autonomous spaceport drone ship)「A Shortfall of Gravitas」に初着陸しました。


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こちらの動画では、NASAのスペースXクルー2ミッションで、ファルコン9ロケットの打ち上げによる噴煙の様子が見事に捉えられています。今年(2021年)4月23日に、フロリダ州インディアン・ハーバー・ビーチの上空で撮影されたタイムラプス動画で、12分を8秒に圧縮してあります。



画面の左端から打ち上げられたロケットは大気の中を上昇し、太陽に照らされるように噴煙が広がっていきます。クルー2カプセルが水平線上に消えると、戻ってきた第1段が大西洋に浮かぶスペースX社の台船に向かって降下し着陸する際の噴煙が見えてきます。


 


Video Credit: Eric Holland
Image Credit: Dennis Huff
Source: APOD (1) (2)
文/吉田哲郎