米民間宇宙企業アストラ・スペース社は、日本時間8月29日午前7時35分に、Rocket3.3(LV0006)の打ち上げを行いました。


打ち上げ後1分もたたずに、5つのメインエンジンのうちの1つが停止。上昇を開始したものの、2分30秒後にエンジンを停止させたということです。機体は高度約50kmに到達し、打ち上げ施設から離れた海域へ落下したものと見られます。なお、飛行データの取得には成功しており、今後の改善などに生かされる見込みです。


【▲ Astra rocket3.3の打ち上げの瞬間。この時点で機体が傾いている(Credit: NASASpaceflight.com)】


アストラ社が開発した小型ロケット「Rocket3.3」は、アメリカ・アラスカ州コディアクにある太平洋宇宙港PSCAから打ち上げられました。通常ロケットはエンジン点火後、機体が上昇するはずです。しかし今回のミッションでは機体が斜めに倒れかけて、そのまま横へ移動する様子が打ち上げ中継動画から分かります。そして打ち上げから20秒ほど横方向への移動をしたのち、ロケットは上昇していきました。なお、この打ち上げミッションではアメリカ宇宙軍の衛星を搭載していたということです。


【▲ Astra Rocket3.3(Credit: Astra Twitter)】


アストラ社の創業者兼CEOであるクリス・ケンプ氏は「アメリカ宇宙軍のミッションを遂行できず残念に思います。しかしこの打ち上げから多くのデータを取りました。この試験から学んだことを現在製造中のLV0007を含む今後の期待へ取り入れていきます。」とコメントしています。


アストラ社はこれまで2回の打ち上げを行なっています。昨年9月に行われたRocket3.1の飛行試験では、打ち上げ後のエンジン停止が引き金となり、誘導システムの影響で機体が予定軌道から外れ、失敗に終わりました。また昨年12月に打ち上げられたRocket3.2では、打ち上げ、第一段分離、第二段点火まで成功し、軌道へ達したものの、エンジンが停止しました。これは第二段エンジンの燃料不足によるものだということです。


 


Image Credit: Astra Twitter/NASASpaceflight.com webcast
Source: Astra/SpaceNews
文/出口隼詩