未体験のおいしさ!シェフ 高木さんの「スペアリブカレー 香港スタイル」【今日のおうちカレー #7月6日】

原点の広東料理をアレンジ。スペアリブカレー 香港スタイル

高木祐輔/レカマヤジフ シェフ
祐天寺のスパイスレストラン「レカマヤジフ」シェフ。ザ・ペニンシュラ東京では在籍時に日本最大級の料理人コンペティションRED U-35で入賞を果たす。そのほか、Forbesの「アジアを代表する30歳以下の30人」や、全国の若手料理人No.1を決めるテレビ番組「DRAGON CHEF 2021」の東京地区代表に選出されるなどの実力派。

こんにちは。東京 祐天寺「レカマヤジフ」でシェフをしている高木祐輔です。

私が紹介するのは、香港スタイルのスペアリブカレー。料理人人生の原点である広東料理のなかから、「スペアリブのトウチ梅干蒸し(豉汁蒸排骨)」をカレーにアレンジしてみました。

そもそも中国料理は、油とともに発展した食文化。カレーの本場であるインド料理のように加熱、発酵、そして素材や調味料の足し算がうまいんです。だからこそ、"中国料理とスパイス"は相性抜群。それを表現したのが、今回のレシピです。

〈スペアリブカレー 香港スタイル〉
調理時間:30分 ※血抜きの時間は除く

材料(4人分)

・豚スペアリブ……6切
・玉ねぎ……2個
・長ねぎ……1本
・梅干し……4個
・大葉……20枚
・しょうゆ……20g
・エシャロット……20g
・しょうが……10g
・にんにく……1個
・クミンシード……15粒
・赤唐辛子……2本
・トウチ……10g
・片栗粉……適量
a. 酒……100cc
a. 鶏ガラスープ……1L
a. オイスターソース……40g
a. コリアンダーパウダー……25g
a. 塩……適量

コツ・ポイント

丁寧なひと手間で、よりおいしくなる!

素材の下処理や煮込み方など、それぞれの工程を丁寧におこなうことが、仕上がりを大きく左右します。具体的には、スペアリブを一日水に浸して血抜きをすることと、ねぎ類を飴色になるまでしっかりと炒めることがポイント。

また、血抜きしたスペアリブは表面を焼いてから煮込むことで、旨味がしっかり出て煮崩れしにくくなります。このようなひと手間によって、よりインパクトのある味が作れるんです。

作り方

1. スペアリブの血抜きをする

スペアリブの血抜きをするため、ひたひたの水に浸して半日置きます。

2. スペアリブの表面を焼く

取り出して水気を切り、表面にしょうゆをまぶし、さらに片栗粉をまぶして表面をしっかりと焼きます。

3. 具材を切る

玉ねぎ、長ねぎ、しょうが、エシャロット、にんにくをみじん切りに、梅干しと大葉は粗みじん切りにします。

4. ねぎ類を飴色に炒める

鍋に油をひき、玉ねぎ、長ねぎ、塩を入れてから、しっかりと飴色になるまで炒めます。

5. スパイスを炒める

別の鍋に油(分量外)を熱して、赤唐辛子とクミンシードを入れて香りが出るまでテンパリングし、トウチ、しょうが、エシャロット、にんにくを加えてさらに炒めます。

6. 煮込んで盛り付ける

5に、飴色に炒めたねぎ類と(a)を入れ、スペアリブを加えてやわらかくなるまで煮込みます。仕上げに梅干しと大葉を加えてさっと混ぜたら完成です。

新しいおいしさに出逢える。旨味たっぷりのカレー

“中国料理×スパイス”という組み合わせから、新しいカレーの面白さや、おいしさを体験していただきたいです。

カレーは作る人の個性が必ず出る料理。私の作るカレーも、いわゆるカレーっぽくないとたまに言われます(笑)。ただ、固定観念にとらわれないカレーも自分らしさだと思い、自信をもってこのレシピを選びました。

スペアリブの旨味をベースに、発酵食品やスパイスの個性が組み合わさった味は、今までにないおいしさのはず。ぜひ、新しいカレーをお楽しみください。

文・写真/高木祐輔
企画・編集/macaroni 編集部