辛さと酸味がクセになる。タイの定番サラダ「ラープガイ」のレシピ【本格エスニックレシピ #1】
鶏ひき肉の定番サラダ。さっぱりラープガイ
梅雨が明けるといよいよ夏本番!暑さが続くこの季節は、刺激のある本格エスニック料理をおうちで楽しみませんか?タイ料理研究家の長澤 恵さんに、家庭で作れるレシピを教えていただきます。
「タイ料理は、特に夏の時期にぴったり。唐辛子やハーブを使うレシピは、夏バテ予防やスタミナアップにもつながりますよ」と話す長澤さん。今回は唐辛子の辛さとミントの爽やかさがアクセントになる、鶏ひき肉のサラダ「ラープガイ」のレシピをご紹介します。
「“ラープ”という言葉はタイ語のスペル違いで“幸せ”という意味があります。ラープはお祝い事の日に食べられるタイ東北地方の郷土料理。現地ではもち米と一緒に食べられています。
今回はタイミントを使用しましたが、もちろん日本のミントで代用可能。その場合は一番近い風味になるスペアミントを使用してくださいね。ペパーミントは香りが強すぎるので要注意です」
材料(作りやすい分量)
・鶏もも肉……1枚(300g)
・水……50g
・塩……3g
a. ホムデン(2mm幅・薄切り)……30g
a. 小ねぎ(0.5cm幅)……2本
a. パクチー(0.5cm幅)……2本
a. スペアミント……10g
b. ナンプラー……30g
b. ライム汁……30g
b. グラニュー糖……3g
b. 唐辛子……3本
b. カオクア……15g
〈付け合せ野菜〉
・キャベツ……2枚
・きゅうり……1/2本
・バジル……お好みで
本場感がアップするエスニック食材
ホムデン
「ホムデンはタイ料理には欠かせない野菜。玉ねぎと似ていますが、エシャロットに近い香りの良い食材です。揚げたり、スープやサラダなどに使用されることが多く、日本ではネットやタイ食材が販売されているスーパーで購入可能です」
カオクア
「ラープ(サラダ)に欠かせないカオクアは、タイのもち米を炒って潰して粉状にした食材です。炒めて粉状にしたカオクアを入れることで、料理に香ばしさや甘み、とろみをつけることができます。日本のもち米とさほど変わりはないので、ご家庭で再現する場合もぜひ代用してみてくださいね」
下準備
・カオクア、乾燥唐辛子はそれぞれフライパンで炒り、ミルで粉状にする
「カオクアと唐辛子は炒って粒状にしてから使用してください。唐辛子は黒くなるまで炒ることでアーモンドのような甘い香りが出るので、しっかりと炒りましょう」
作り方
1. 肉をみじん切りにする
鶏もも肉は皮を取ってまずは肉の部分をみじん切りします。繊維に沿って切ったあとに、細かくすると切りやすくなります。
「手軽に作りたい場合は、すでに細かくなっているひき肉を購入してもいいですが、おすすめは1枚の鶏肉もも肉を自分で切る方法。ひき肉の大きさが均一でなくさまざまな大きさになることで食感が変わりアクセントになりますよ。
フードプロセッサーを使用する場合は、一気にみじん切りにしようとせず、少しずつ大きさを変えるようにしましょう」
皮も切り、鶏肉と混ぜてまとめてみじん切りしていきます。
2. 鶏肉に火を通す
鍋に鶏肉、塩、水を入れ、よく混ぜながら強火で一気に火を通します。
「カオクアや粉唐辛子で鶏肉の水分が奪われないよう、この工程で必ず水を加えておきましょう。加熱の目安は水分量。一旦鶏肉に吸収された水分が出てきたら火を止めてください」
3. 調味料と野菜を合わせる
火から下ろした2の鍋に(b)を入れて味を調えます。
「ラープガイは温かいサラダなので、ボウルに移す必要はありません。このまま鍋の中に調味料を入れて仕上げましょう!」
(a)を入れて軽く混ぜたら器に盛り、つけあわせの野菜を添えます。
ミントの爽やかさがアクセントに!
ピリッとした辛さが広がるラープガイは、食べれば食べるほどやみつきになる味わい。スペアミントの爽やかな風味がピリ辛のお肉と合わさり、本場感溢れる仕上がりになりました。
「辛いものが苦手な方は唐辛子の量を減らして作ってください」と長澤さん。サラダとしてはもちろん、おかずとしても楽しめるのでごはんに合わせるのもおすすめです!
次回はプリプリ食感がたまらない、えびで作る「トートマンクン」をご紹介します。
取材・文/樋田由香(macaroni 編集部)
撮影/宮本信義