あらゆるものに「死」があるように、銀河にも「終わり」が存在します。新たにNASAは、ハッブル宇宙望遠鏡が地球から約4540万光年離れた場所でゆっくりと銀河が死につつある様子を捉えたと発表しました。

Hubble Views a Galaxy with Faint Threads | NASA

https://www.nasa.gov/image-feature/goddard/2021/hubble-views-a-galaxy-with-faint-threads

NASA’s Hubble Telescope Catches Stunning Sight of Dying Galaxy - Sputnik International

https://sputniknews.com/science/202104111082599296-nasas-hubble-telescope-catches-stunning-sight-of-dying-galaxy/



ハッブル宇宙望遠鏡が捉えたのは、地球から約4540万光年離れた場所に存在するNGC 1947と呼ばれる銀河。NGC 1947は1826年に天文学者のジェームズ・ダンロップによって発見されました。NGC 1947はガスやちりといった成分が少なく渦状腕も見られない点が他の銀河と異なり、「レンズ状銀河」に分類されます。

以下がほのかに光を発するNGC 1947の写真。



何十億年もの間、新しい星を作らなかった銀河は「死んだ」とみなされます。NGC 1947もかつては他の銀河と同様に渦巻腕を持っており、ガスなどを利用して新しい星を作り出してきましたが、今では星の材料を使い果たし、ほのかに中心が発光するのみです。完全にNGC 1947が死を迎えるまでにはまだ長い年月がかかりますが、今後は新しい星を作り出すことなく衰退し続けるとみられています。このことからNGC 1947の写真は「死にゆく銀河の写真」として注目を集めました。

一方、太陽系が属する天の川銀河は70億年前に一度死に、その20億年後に再生したと考えられています。記事作成時点の天の川銀河は星の形成が比較的ゆっくりであるものの、終わりからはほど遠いと考えられているとのことです。

なお、NGC 1947の高解像度画像は以下からダウンロード可能です。

Faint Remnant Threads | ESA/Hubble

https://esahubble.org/images/potw2051a/