コンビニのレジ横にある揚げ物コーナーの中でも人気のフライドチキン。目につくとつい食べたくなってしまう。各社それぞれに工夫されたフライドチキンは、おなじみのシンプルなものや、期間限定の個性派もいろいろと揃っている。コンビニ大手3社それぞれの商品を食べ比べ、味の傾向や大きさ、特徴をチェック。またこの時期おすすめの商品も各社に教えてもらった。

写真左から、セブン−イレブン「ななチキ」、ファミリーマート「ファミチキ」、ローソン「Lチキ」


各コンビニチキンの特徴


○セブン−イレブン「ななチキ」&おすすめ「ななから」

セブン−イレブン「ななチキ」(188円)


セブン−イレブンの「ななチキ」は2017年10月から販売がスタート。衣には11種のスパイスを使っているという本格派だ。

食べてみると、まず驚いたのはその厚み! 今回食べ比べをした3つの中で一番厚みがあるため、一口食べると肉の塊を食べているようなしっかりとした食べ応えがあった。ジューシーで柔らかく、噛めば噛むほど肉汁があふれてくる。粗挽きの黒コショウやハーブ、スパイス、塩味もしっかり効いて肉の旨味を引き立てており、食べ飽きない奥行きのある味わいになっている。

同社商品本部FF惣菜部の加藤哲哉さんによれば「もも肉の中でも肉厚の部分を使っています。黒コショウやバジル、チリパウダーなど11種のハーブ&スパイスを組み合わせました」とのことだ。

セブン−イレブン「ななチキ」のポイント

・厚みがあって食べ応え十分

・ジューシーで柔らかく、肉汁たっぷり

・食べ飽きない、しっかりした味付け

セブン−イレブン「ななから」(1個/80円)


同社おすすめ商品は「ななから」。醤油と生姜が効いたオーソドックスな唐揚げだが、1つひとつがとても大きいのがうれしい。食べてみると肉質がふっくらとしており、中からジュワッと肉汁が出て、醤油の香ばしさがたまらない味。食べ応えがあり、味がしっかり肉に染みていて、定食屋で食べる唐揚げのよう。

「1つでも購入でき、昼から夕方にかけて多くご利用いただいている商品です。生姜やにんにくで味わい深く、ご飯のおかずにも、晩酌のお供にも便利ですよ」(加藤さん)。

○ファミリーマート「ファミチキ」&おすすめ「ポケチキ」

ファミリーマート「ファミチキ」(180円)※地域により価格が異なる場合があります


発売から2021年10月で丸15年になるというファミリーマートの「ファミチキ」。昨年1年間では約1億8000万個、つまり1秒間に約5.7個も売れている言わずと知れた人気商品だ。

表面のザクザクの衣が食欲をそそる。一口食べると、ジュワッと肉汁をしっかり感じる、もも肉らしいジューシー感!  程よく脂身が入っていて、今回食べ比べをした3つの中で一番ジューシーだった。衣には香ばしさがあって、細かい衣と粗い衣が混ざっているので見た目通りザクザクの歯ごたえ、食べ応えも十分。鶏の旨味がしっかり感じられる味だ。

同社商品マーケティング本部 河口美砂さんによれば「発売以来味を一度も変えていない」という。「1羽でファミチキ2個分しか取れない、もも肉の中でもサイ(鶏の腰部分)という部位を使用しています。これが“脂っこ過ぎないのに滴る肉汁”を実現している秘密です。衣は薄めでありながらもサクッとした食感となるように、手間暇かけて二度付けしています」(河口さん)。

ファミリーマート「ファミチキ」のポイント

・脂っこくないのに肉汁が出てくるジューシー感

・二度付け衣でサクッとした食感

・発売以来不変の味付けが人気

ファミリーマート「ポケチキ(プレーン)」(200円)※沖縄は販売していません


ファミリーマートのおすすめ商品は、あっさりとしたむね肉が主体のナゲットメニュー「ポケチキ」。「むね肉にもも肉を加え、柔らかい食感と鶏肉本来の旨味をしっかり味わえます。1口サイズなのでオフィス外出先などでも食べやすく、ランチの1品やおやつとしての利用が多くなっています」(河口さん)とのこと。

食べてみると、ふわっと柔らかい歯ごたえに驚いた。あっさりしているのに旨味も味わえ、衣もしつこくないのでパクパクといくつでも食べられそう。付属のつまようじで食べれば手を汚さずに済むので、それもうれしいポイントだ。

○ローソン「Lチキ」&おすすめ「黄金チキン(骨つき)」

ローソン「Lチキ」(180円)


今回食べ比べた3社の中でも特に大きさが目立ったローソンの「Lチキ」は、発売から11年愛される人気商品。衣に米粉を使用しており、サクサクとした食感が特長だ。

サクッと一口食べてみると、肉汁がほどよく出てきて鶏肉らしい濃厚な旨味が感じられる。脂身が少なめで比較的サッパリしているので、食べやすい味わい。肉質がとても柔らかく、サクサクとした軽い食感の衣がよくマッチし、スナック感覚で食べられる一品だ。

「米粉を使用することで、外はサクサク、中はジューシーという食感を実現しています。男性からの人気が根強いですが、意外と女性にも多くの支持をいただいています」(同社商品本部デリカ・FF部 井上豊さん)。サクサク食感&軽い食べ心地で、女性の家飲みにもマッチしそうだ。

ローソン「Lチキ」のポイント

・ちょっと大きめサイズ

・脂身が少なめであっさり、旨味はたっぷり!

・衣がサクサク食感なのでスナック感覚で食べられる

ローソン「からあげクン レギュラー」(税込216円)


ローソンからのおすすめは、コンビニの揚げ物の定番ともいえる「からあげクン」。今年で発売35年を迎え、累計販売数が34億食を超えるというロングセラー商品だ。可愛らしい箱の中に唐揚げが5つ入っており、食べてみると、カリッと軽い食感の衣がやわらかくしっとりした鶏むね肉を包んでいて、とても食べやすい。味がよく染みていて、鶏肉の旨味もしっかり感じられる。

「国産鶏むね肉の一枚肉をカットして製造し、柔らかくジューシーに仕上げています。実は原料の国産化を進めており、2014年以降は国産若鶏のむね肉100%に、からあげ粉も2018年以降は国産小麦粉100%を使用しています」(井上さん)とのこと。「からあげクン」にはレッドや北海道チーズ、レモンの定番フレーバーに加え、期間限定商品やご当地バージョンもあるので、いろいろと試してみるのも楽しそうだ。

コンビニフライドチキンは、どれも香ばしくクセになる味。小腹がすいたときだけでなく、まとめて買って家でご飯のおかずにしたり、ビールのお供にしたりと、いろんなシーンに活用できそう。外出がしづらい今、手軽でおいしいコンビニフライドチキンを味わってみては。

※価格は特記がない限り全て税別