Appleは2020年9月に、Apple Watchの最新モデル「Apple Watch Series 6」と同時に留め具がない新バンド「ソロループ」と「ブレイデッドソロループ」を発表しました。この新バンドのサイズが合わない場合の対応について、Appleは当初「本体ごとバンドを返却する必要がある」としていましたが、苦情を受けて「本体の返却は不要」との姿勢に転じたと報じられています。

Apple Now Allowing Band-Only Returns For Ill-Fitting Solo Loop - MacRumors

https://www.macrumors.com/2020/09/24/apple-band-only-solo-loop-returns/?scrolla=5eb6d68b7fedc32c19ef33b4

Apple will no longer make you return your whole Apple Watch if the Solo Loop doesn’t fit - The Verge

https://www.theverge.com/2020/9/24/21454693/apple-watch-solo-loop-band-fit-return?scrolla=5eb6d68b7fedc32c19ef33b4

Apple Watchの新バンド「ソロループ」がどんなものなのかは、最新モデル「Apple Watch Series 6」のレビュー記事を読むとよくわかります。

Apple Watch Series 6」速攻フォトレビュー、血中酸素ウェルネスセンサー搭載で背面センサーが進化 - GIGAZINE



また、「ブレイデッドソロループ」の詳細は以下の記事から確認できます。

お手頃価格の新モデル「Apple Watch SE」開封&フォトレビュー - GIGAZINE



ソロループシリーズは伸縮性のある素材で作られていますが、バンドの長さを調節する機能はありません。そのため、Appleは9種類のバンドサイズを用意しているほか、購入後にサイズが合わないことが判明した場合のために、バンドの交換を受け付けています。



Appleは当初、ソロループの交換受付の際に「バンドだけでなくApple Watch本体も返却しなければならない」との姿勢を取っていました。本体を返却してしまうと、当然ながらせっかく発売直後に購入した最新型Apple Watchが使用できないほか、新しいバンドとともに本体が戻ってくるのは11月下旬ごろになると予想されていたため、Appleの対応には失望の声が集中しました。

そのことを示す一連のツイートが以下。ゲームアプリのレビューサイトGameClubでビジネス開発担当ヴァイスプレジデントを務めるエリ・ホダップ氏は、Appleが配布している(PDFファイル)サイズガイドを使用して、あらかじめ注文するソロループのサイズを計測しました。その結果、ホダップ氏のサイズは7と8の中間だと分かったので、ホダップ氏はサイズ8を注文したとのこと。



しかし、ホダップ氏が実際に届いたApple Watchを装着したところ、緩すぎて血中酸素ウェルネスセンサーが動作しないという問題が発生。しかも、バンドを交換するには本体とバンドを全て返却しなければならないということを知ったホダップ氏は、Appleのサポート担当者に「1つ小さいバンドが必要なだけなのに、Apple Watchを丸ごと返品しなければならないのはちょっとおかしいんじゃないですか?」との質問をぶつけました。

ホダップ氏の質問に対し、Appleのサポート担当者は「はい、完全に同意します」と回答した上で、「Appleは(Apple Watchの購入を)受注仕様生産の注文とみなすことにしています」と説明し、改めて本体ごとバンドを変換するよう求めました。



Appleのサポート担当者とのやりとりの後、ホダップ氏は「私に残された選択肢は、間違ったサイズのバンドで我慢するか、Apple Watchをバンドごと全部返却して、11月下旬まで届かない1つ下のサイズを再注文するかしかありません」と述べました。



こうしたトラブルを受けて、Appleは9月23日にサイズガイドを更新。詳細な説明とイラストを追加して、より正確にサイズを測れるようにしました。



また、Apple製品情報を扱うニュースサイトMacRumorsは9月24日に、「Appleが方針を変更し、Apple Watchを返却することなくバンドを交換できるようになったことが確認されました」と報じました。IT系ニュースサイトThe Vergeによると、Appleはオンライン及び実店舗の両方で、バンドのみの交換を受け付けているとのことです。

ホダップ氏は9月25日の投稿で、無事バンドのみの交換ができたことや、おわびの品としてApple Watch用のスポーツバンドを無償で提供されたことを報告しました。