ニッポンのおいしい、いただきます! 〜京野菜の魅力に迫る Vol.3〜
京都の伝統野菜「京野菜」の魅力に迫ります
食欲&物欲旺盛なおうちごはん編集部とその仲間たちが、日本全国にある「おいしいモノ」を発見していく連載企画『ニッポンのおいしい、いただきます!』。
まだまだ知られていない日本のおいしいモノを紹介していきます。
ニッポンのおいしい、いただきます! 〜京野菜の魅力に迫る Vol.1〜ニッポンのおいしい、いただきます! 〜京野菜の魅力に迫る Vol.2〜
Vol.3の今回は、ぷっくりとしたシルエットがなんとも愛らしい京野菜『京丹波大黒本しめじ』についてご紹介します。
Vol.3 『京丹波大黒本しめじ』
産地:京都府京丹波町
出荷時期:一年中
京都府京丹波町で栽培されている『京丹波大黒本しめじ』は、“大黒様”のようなふっくらとした形が名前の由来となった本しめじです。一年を通じて購入することができ、縁起物食材としても人気で、特別な日のおもてなしやお彼岸などの季節行事にも活躍する食材です。
本しめじとぶなしめじの違いとは?
スーパーで私たちがよく見かける「しめじ」の多くは「ぶなしめじ」です。京丹波大黒本しめじは、「本しめじ」という種類のきのこで、ぶなじめじとは別物です。
本しめじとぶなしめじ、一体何が違うのでしょうか?
【本しめじ】
「本しめじ(ホンシメジ)」は、シメジ科シメジ属のきのこで、アカマツ林やコナラ林の地上に生える「菌根菌」タイプです。カサの直径が2〜8cm程度、全長8cm程度で、下部がやや膨らんでいるのが特徴。人工栽培が難しく、「幻のきのこ」と呼ばれていましたが、近年、人工栽培に成功し、市場に出回るようになりました。
【ぶなしめじ】
「ぶなしめじ」は、キシメジ科シロタモギタケ属のきのこです。カサの直径は1cm程度、高さ10〜15cmで、昭和48年以降広く栽培されたおり、市場に多く流通しています。
▲スーパーでよく見かける一般的なぶなしめじ
大ぶりで高級感のある本しめじ『京丹波大黒本しめじ』
▲写真左:京丹波大黒本しめじ、写真右:一般的なぶなしめじ
“香り松茸、味しめじ”と言われますが、この「しめじ」は、たくさんの種類がある食用きのこの中で「本しめじ」のことを指しているんだそう。
『京丹波大黒本しめじ』は、和洋中問わずに幅広い料理にぴったり。写真をご覧いただくとわかるかと思いますが、一般的なぶなしめじと比べるとかなり大ぶりで高級感もあります。こう見ると、同じしめじの仲間といえどまったくの別物ですね!
ひょろひょろっとしたぶなしめじとは違い、柄(え)の部分がこんなに太い! カサよりも柄を食べるという感じです。
半分にカットしてみると、その肉厚さがよくわかります。“幻のきのこ”として古くから珍重されてきたというのも納得です。
京丹波大黒本しめじを使ったレシピをご紹介
ぷっくり太っちょで大きな京丹波大黒本しめじ。
焼き物、煮物、揚げ物など、様々な調理方法との相性がよく、京都府内や東京の高級料理店でも重宝されていんだそうです。
さて、どんな料理アレンジが楽しめるかな……?
ということで、今回も食いしん坊代表の@cao_lifeさんに、京丹波大黒本しめじを使った料理レシピを2品考案いただきましたので、早速ご紹介します。
岡山県在住。「おいしいモノ」「たのしいヒト」に出会うことがとにかく大好き。
おいしいモノの情報収集には余念がなく、気になったらまずは試してみるのがモットー。一目会えば、誰もが彼女の魅力にハマり、またすぐ会いたくなる、そんなオーラをまとった人気のインスタグラマー。
かおし (@cao_life) さんのInstagram【1品目】京丹波大黒本しめじと春キャベツのホイル焼き
・京丹波大黒本しめじ……2パック
・春キャベツ……1枚
・白ネギ……1/2本
・バター……20g
・ポン酢……大さじ2
・ブラックペッパー……適量
・レモン……適宜
1. 京丹波大黒本しめじは縦半分に割る。春キャベツはざく切りに、白ネギは斜めに切る。
2. アルミホイルを敷き、野菜を並べる。包み終わる前にバターをのせ、ポン酢を入れる。アルミホイルをしっかりと閉じる。
3. オーブントースターに入れ、12〜15分焼く。取り出してみて火が通っていたらOK。ブラックペッパーを振り、あればレモンを添えてできあがり。
量が多い時は巻きにくいですよね。そんな時には、アルミホイルを十字に敷き、まず1枚でボウルのように形を作ったらもう1枚でそれを包むように巻いてしっかりと閉じるようにして包んでみてください。取り出す時に横から熱々の水分が出てくることもなく安心です。この方法の場合はアルミホイルが二重になるので、加熱時間を少し長めに設定してください。
京丹波大黒本しめじを大きめにカットし、じっくりと熱を通したことで、おいしさがしっかりと感じられる一品になりました。歯ごたえも楽しいです。今回は、野菜オンリーで味付けはバターポン酢でしたが、味付けや組み合わせる材料を変えても楽しいです。ホイル焼きのポイントは、とにかくしっかりと口を閉じること。放置できるので意外と朝ごはんのメニューにも向いていますよ!
【2品目】京丹波大黒本しめじと野菜のピクルス
・京丹波大黒本しめじ……2パック(約8本)
・きゅうり……1本
・パプリカ(赤・黄・オレンジ)……各1/2個
・すし酢……200cc
・ローリエ……1枚
・ブラックペッパー(粒)……5粒
1. 京丹波大黒本しめじは石づきを取って縦に4つに割り、耐熱皿にのせてラップをし、電子レンジで3分加熱する。
2. きゅうりとパプリカは約5cmの長さの棒状に切る。
3. 保存袋か瓶に1と2を入れてすし酢を注ぎ入れ、ローリエとブラックペッパーを入れる。冷蔵庫に3時間以上入れたらできあがり。
ピクルスにちょうど良さそうなサイズだったので作ってみたら、すごく美味しくてビックリ! しっかりとした食感がたまりません。ピクルス液は本格的に作るとハードルが上がってしまうので、最近はもっぱらすし酢で。ローリエとブラックペッパーの粒がなくてもできますよ。できあがったピクルスは、おいしいタルタルソースにも変身します。ぜひお試しを!
【おまけ】ピクルスのタルタルソースアレンジ
・『京丹波大黒本しめじ』ピクルス……50g
・ゆで卵……2個
・玉ねぎ……1/8個
・マヨネーズ……大さじ3
・ピクルス液……大さじ1
・ブラックペッパー……適量
1. ピクルス、玉ねぎ、ゆで卵の白身をみじん切りにする。
2. 材料を全てボウルに入れて混ぜる。できあがり。
おうちごはん編集部も食べてみました!
見たことのない大〜きなしめじにおうちごはん編集部も大興奮!
調理の様子を見かけた人々も、「これ本当にしめじなの⁉」とみんな驚いていました(笑)。まるでエリンギのように肉厚なこの京丹波大黒本しめじ、どんな味と食感なのかにワクワクしながら、調理していただいてみました。
まずは、きのこそのもののおいしさを味わいたいということで、シンプルにソテーに。京都府が提案するガーリック焼きのレシピを参考に、大きな京丹波大黒しめじをたっぷりのにんにくと共に炒めていただきました。
歯ごたえがありつつも、柔らかくジューシーな食感がたまりません! 「パスタに絡めてもおいしいかも!」とよっすぃー。シンプルな味付けにもかかわらず、きのこそのものがもつ旨味をたっぷりと味わうことができました。
京丹波大黒本しめじのガーリック焼き by 京都府 【クックパッド】
続いては、鮭やアスパラ、ブロッコリーなどと一緒にマヨネーズ和えに。
一般的なしめじで作ると鮭が主役になるこちらのレシピも、京丹波大黒しめじを使えば、もはや主役はしめじ! 鮭にまけない存在感で、マヨネーズソースとも相性抜群。
見た目はエリンギに近いなと思った京丹波大黒しめじですが、実際に食べてみるとエリンギよりもよりプリプリっとした食感です。カサも柄も肉厚で、みずみずしくてジューシーな味わいは、他の食材と合わせても邪魔することなく、さらに旨味をプラスしてくれる存在になります。
簡単美味しい!鮭としめじのマヨソース和え by たっきーママさん 【クックパッド】
そしてラストは、よっすぃーがひらめいた京丹波大黒しめじとスパムのピンチョスソテー。京丹波大黒しめじの大きさと肉厚さを活かし、しめじでスパムをサンドしようと思ったのですが……結果、バランス的にちょうどよいピンチョスの形になりました(笑)。
スパムの塩気が肉厚なしめじとよく合う! レモン汁をかけて食べれば、最高のおつまみです。これは、一般的なしめじではなかなか作ることができないですよね。京丹波大黒しめじを手に入れたら、みなさんもぜひ試してみてくださいね。
3回にわたって紹介してきた「京野菜」、みなさんいかがでしたでしょうか?
今回は3つの京野菜をピックアップしてご紹介しましたが、まだまだご紹介しきれていないおいしい京野菜はたくさんあります。この連載を執筆するにあたり、筆者もスーパーに並ぶ野菜たちに敏感になっているのですが、人気の高い京野菜は、都内のスーパーで見かける機会も多いです。ぜひ見かけた際には、京都の伝統がたっぷりと詰まった魅力的な京野菜たちをぜひ手にとって、そして味わってみてくださいね。
さて、次回は、大分県のおいしい食材たちをご紹介する予定です。
ぜひご期待ください!
(text by かねこま)
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おうちごはん編集部 担当:金子宛