「フリマ」台頭に勝てず、中古販売業の倒産増え続ける

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 書籍やゲームソフトのリサイクルショップを展開していたサンセットコーポレイション。1993年の設立以降、消費者の節約志向やリサイクル、リユースの浸透が追い風となり、2009年3月期には年商93億円を計上していた。

 しかし、スマートフォンの普及に伴い、音楽コンテンツのネット配信が普及、パッケージメディア市場は激変した。音楽、書籍、映像のみならず、同社の主力商品だったゲームまでが携帯端末向け配信などにとって代わられた。

 新品、中古品にかかわらず、市場は縮小。これに伴い売上高は09年をピークに年々減少、13年3月期には経常赤字に転落。その後、一度も黒字転換することはなかった。

 そうしたなか、09年には古着の販売を開始したほか、トレーディングカードやフィギュアなどダウンロードできない商材を積極的に導入。楽器や白物家電の取り扱いまで開始した。しかし、すでに大きな投資をする余裕はなく、売り上げの減少は続いた。

 14年からは、バンクミーティングを開催。借入金の返済条件の債務繰り延べ(リスケジュール)を継続的に実施し、リストラや資産処分をしてきたという。

 それでも19年3月期の売上高は約19億6600万円にまで減少し、経常損失は約1億5000万円に及んた。今年5月には一部の幹部社員に対する給与遅配が発生。資金繰りは逼迫(ひっぱく)し、7月1日に民事再生法の適用を申請した。今後は同業者のスポンサーの支援を得てリストラ策を実施しつつ、再建に取り組む意向だ。

 全国の中古品販売業者(自動車を除く)の倒産動向は、リサイクルショップなどの倒産が17、18年で増加傾向にあり、17年は30件、18年は38件に上っている。

 フリマアプリの台頭により、リサイクル市場ではECサイトなどを利用した個人間の取引が活発化。市場や消費者、販売形態の変化に対応できない業者の市場からの退場が続いている。
(文=帝国データバンク情報部)
<企業概要>
(株)サンセットコーポレイション
住所:千葉県市川市相之川4―15―6
代表:大川新吾氏
資本金:5000万円
年売上高:19億6600万円(19年3月期)
負債:約6億3000万円