3日、新ニュースサイトの提携事業を発表するソフトバンクBBの孫取締役(右)と仏AFP通信社のルエットCEO(撮影:吉川忠行)

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ソフトバンクBB関連会社のモビーダ・エンターテインメント(東京都港区、国枝信吾社長)と仏AFP通信社など3社は3日、同通信社が配信する報道写真・記事をもとに読者の意見を集めるニュースサイト「AFP BB ニュース」を同日から開始したと発表した。AFPが同サービスを行うのは世界で初めて。ソフトバンクBB取締役の孫泰蔵氏がエグゼクティブプロデューサーとして統括する。

 同サイトには、165カ国に取材網を持つAFPが配信する世界中のニュース、スポーツ、娯楽など各分野の写真を1日約2000枚掲載。欧米の主要ファッションショーの様子も動画で視聴できる。利用者は、気に入った写真をサイト上に保存したり、掲示板にニュースから感じたことを投稿したりできる。特設ブログサイトともリンクし、編集委員を務める公式ブロガーとして、各分野を専門とするジャーナリストなど50人がニュースを解説する。

 東京都港区の駐日フランス大使館で記者会見した孫氏は「これだけの品質の高い写真をリアルタイムで出すのは世界にも類を見ない先進的なサービス」とアピールし、「ニュースについて情報を交換しあうことで新しい世論を作る。世界に価値のあるアクションへ結びつけたい」と意欲を見せた。フランスから来日したAFPのピエール・ルエット最高経営責任者は、この提携事業について「日本のネット企業としてソフトバンクという社名が頭にしみこんでいた。新しいサービスを始めるのであればパートナーとして相応しいと思った」と述べた。

 同サイトは、開設当初は無料で利用できるが、今後は利用者の反応を見ながら広告収入や課金などの収益モデルも検討する。国内最大のポータルサイト「ヤフー」内のニュースページとも連携。今月10日に開幕するトリノ冬季五輪を皮切りに、関連する写真のみを「ヤフー」に配信し、リンク先の「AFP BB ニュース」に記事を掲載する。

 孫氏は、市民記者の記事を掲載する韓国「オーマイニュース」をモデルとして例示。「市民記者でやるのには時間がかかる。少なくとも数百万人という数が集まらないと世論は形成できない」と述べ、当面は編集委員による記事で読者の反応を見極める方向性を示した。【了】

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