DF槙野が浦和の第2次トレーニングキャンプに合流した【写真:轡田哲朗】

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中東勢を含めたアジアのレベルアップを痛感「危険性を改めて感じた」

 アジアカップの戦いを終えた日本代表DF槙野智章は、4日午後に沖縄県で行われている浦和レッズの第2次トレーニングキャンプに合流した。

 UAEでの激闘を振り返り、「スペインの方、ヨーロッパの方の血がチームの色を変えている」と、指導者による相手チームの変化を感じ取っていた。

 日本が決勝で敗れたカタールは、一つの象徴だと言えるだろう。スペイン人のフェリックス・サンチェス監督によるポゼッションサッカーは、3バックによって日本のプレスを上手くかわし、前線の連動性にもアドリブではない秩序があった。相手をスカウティングしつつ、自分たちの良さと相手の弱点を突く戦略的なプレーが、今大会を通して1失点で乗り切った初優勝に一役買っているはずだ。

 浦和の同僚であるオーストラリア代表FWアンドリュー・ナバウトは、大会を振り返って「中東勢のレベルアップ」と語ったが、槙野は「中東に限らなかったと思う」という印象を話している。

「中東勢だけでなく、アジアの力が上がっていると感じました。FIFAランキングで過小評価された相手と戦う危険性を改めて感じました。今まで力がないと言われてきたチームに、すごく良い指導者が入ってきている印象がありました。スペインの方、ヨーロッパの方の血がチームの色を変えていると。東南アジアのチームも、結果も内容も素晴らしいものを見せたと思いますので、日本がトップに立ち続けるためにも、しっかりと力の差を見せないといけないと思います」

「刺激をもらって帰ってきた。次はチームでタイトルを取るために力を注ぎ込むだけ」

 このあたりは、両チームが大会の中で対戦した国による違いもあるのかもしれない。日本は準々決勝でベトナムと対戦したことで、より東南アジア勢のレベルアップを感じることができたのだろう。少なくとも、槙野は指導者によるレベルアップがアジア全体に波及していると大会から感じ取った。

 槙野自身は大会初戦と第3戦ウズベキスタン戦の出場があったものの、決勝トーナメントでは出場機会がなかった。それでも「緊張感のある試合のなか、みんなで一つの目標に対して戦えたのはいい経験だったと思います。W杯とはまったく違う立場でチームをまとめること、試合に出ていない時の出ている選手へのアプローチの仕方など、いかにチームがまとまれるかに時間を割いてきましたし、いろいろな刺激をもらって帰ってきたところです」と、アジアを勝ち取るためにチーム全体で戦ったことを強調した。

 この後は、8日まで浦和の2次キャンプでトレーニングを積み、16日に今季初の公式戦となるゼロックス・スーパーカップに備える。槙野は「次はチームでタイトルを取るために力を注ぎ込むだけだと思っている」と、力を込めていた。(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)