市川海老蔵 撮影/近藤陽介

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 来年5月に十三代目市川團十郎白猿を襲名すると発表した海老蔵(41)。同じタイミングで勸玄くん(5)も八代目市川新之助に。「天に届け」と邁進する父子は、江戸歌舞伎の中軸を担い続ける。

【写真】手を取り合う市川海老蔵さんと堀越勸玄くん

“そういう日が来たよ”

「いちばん伝えたいのは父と(小林)麻央。伝えたい人がいないのは悲しいこと。(逆にそれを)いちばんの強みにしていきたい」

 そう、日本テレビの密着番組『市川海老蔵に、ござりまする』で語っていた海老蔵。来年5月に十三代目市川團十郎白猿を襲名し、披露興行を行うと発表した会見でも、

「今日も出かける前に遺影に手を合わせて“そういう日が来たよ”と伝えました」

 と語った。不思議だった、團十郎の後に白猿とつけた理由を聞かれると、

「五代目市川團十郎が“白猿”を名乗っております。五代目が、父や祖父にまだまだ芸が足りないということで、そういう俳名に変えられました。私も襲名しますが、やはり父(十二代目)や祖父(十一代目)の足元にも及ばぬ、これからもっと精進していこうという気持ちも込めまして」

 さらに、長男・勸玄くんが八代目市川新之助を名乗ることについて、

「以前から、彼は(自分が)新之助だと思っているところが多少ありまして。本当は新之助よりも海老蔵を継ぎたかったようで(笑)、新之助という段階もあると説明をしたら“まぁ、わかりました”と」

 苦笑する父を笑顔で見つめる勸玄くん。レポーターから遊びとお稽古のどちらが好きか尋ねられると、

「お稽古!」

 即答する息子に少し驚きながら、自身が新之助を襲名したときに「(稽古より)遊ぶほうが好き」と答えた父は、

「聞きましたよ(笑)。お稽古が楽しいというのは舞台が楽しいということなのかなと、舞台が好きというのは歌舞伎の家に生まれてよかったのではないかと思います」

 うれしそうな表情を見せた。「“え〜、できな〜い”みたいなことを言っていても、いざ、緞帳(どんちょう)が上がると、堂々とやっている」と、勸玄くんが役者に必要な豪胆さをすでに身につけていることを語った海老蔵。

 新元号の歌舞伎界をけん引するふたりの活躍に胸が躍る。