箸を入れた瞬間、肉汁が洪水のように吹き出す―― まるでグルメ漫画やアニメの世界のような体験が、リアルに味わえるハンバーグが京都にあるという。


とくら「オリジナルハンバーグ

京都府内に3店舗を構える「手作りハンバーグの店 とくら」。ハンバーグに箸を入れた瞬間、肉汁がこれでもかと溢れてくる。その瞬間をとらえた動画がツイッターに投稿されるとすぐさま話題に。これだけ肉汁が溢れるハンバーグは見たことがない。筆者は東京を飛び出して京都に出向いた。

皿から肉汁が飛び出しそう

「とくら」は京都市内に3店舗、京田辺市には姉妹店もある。今回筆者が訪れたのは京都三条店だ。


とくら京都三条店の外観

地下鉄の烏丸御池駅から近く、好立地。外観はアットホームで温かみのあるカフェのような印象を受けた。

筆者は混雑を避けて18時に店に入った。ドアを開けるとレジ、厨房があって奥にテーブル席が並んでいる。

1人で訪れたこともあってか、厨房の目の前にあるカウンター席に案内された。目の前ではイケメンな店員たちがハンバーグを一つずつ丁寧に作り上げていく。リズミカルなこね、優しく落ち着いた音を奏でる焼きの作業など目の前でハンバーグが作られる。この時点で目を楽しませてくれるが、最大のお楽しみは料理が到着してから。


オリジナルハンバーグ

膨張したハンバーグを箸で触るとふわふわ。まるでハンバーグが肉汁を出したくてたまらないと訴えてきているよう。ここで勢いに任せて箸を挿入するのはなんだかもったいない。もう少しじらしてしまいたくなる気もしたが、ハンバーグと駆け引きをしても仕方がない。


あふれ出る肉汁

頂点から贅沢に箸を突っ込んだその瞬間だった。ため込んだ肉汁が目にもとまらぬスピードで流れだしていく。一度開通させてしまったからにはもう止められない。鮮やかな肉汁は皿を飛び出してしまいそうなほど。皿の中をどんどん侵略していき、ポテトやニンジンをも飲み込んで濡らしてしまった。旨味をたっぷり含んだスープは添え物にも付けて食べよう。

こんな姿を見せられて理性を失ってしまう。グルメレポであることを忘れて欲望のままにがっつく。筆者はドアをノックするほど育ちはよくない。あまりの荒々しさに店員さんを驚かせてしまったかもしれない。

ソースは一風変わっており、ケチャップのような力強い酸味が目立つ。少し赤ワインに似た風味も感じた。

ハンバーグそのものは柔らかくジューシー。あれだけ溢れたのにまだ残っている肉汁で味はしっかり残っている。ご飯と合わせて食べると脳がとろけてしまいそうな美味しさだ。


ハンバーグの断面

食べ終わっても口の中に油っぽさがそれほど残らず、ハンバーグなのにちょっとスッキリした気分になれる。

あまりに前のめりになり過ぎて疲れのようなものも感じてしまったが、満足感は十二分に得た。

静岡県の「さわやか」が脚光を浴びたが、「とくら」もひょっとすると第二のご当地ハンバーグチェーンとして人気を集めるかもしれない。