トリックもスリルも無し、ひたすら穏やかな高橋一生の楽しみ方とウラ側
トリックもスリルもなし、穏やかな空気感を提供
“生き物はすべて、さまざまな奇跡が重なってできたもの”。生き物の“フシギ”が大好きな大学講師と、彼とふれあうことによって、自分の中の無垢な気持ちに気づいていく人々を描いたコミカル・ハートフルドラマ。
主人公の相河一輝を演じるのは、民放GP(ゴールデン・プライム)帯初主演の高橋一生。共演は“こじらせぎみ”の歯科医・育実役を榮倉奈々、住み込み家政婦の山田役を戸田恵子、一輝の恩師・鮫島役を小林薫がそれぞれ演じる。
「発見が多く、相河一輝を通して生き物の世界を見ている最中です」(高橋)
脚本は『僕の生きる道』『僕と彼女と彼女の生きる道』『僕の歩く道』の“僕シリーズ”の橋部敦子のオリジナル。
「橋部さんとお会いしたとき雑談で、ひまわりの種の並びを数えると、フィボナッチ数列という黄金比になっているなど、生き物の話をして意気投合したのが、そもそものきっかけです。
こうした生き物の雑学もたくさん盛り込んでいるのでお楽しみいただけますが、本作にはメリハリのきいたトリック、勧善懲悪やスリリングな展開もありません。画面から伝わってくる、穏やかな空気感をお楽しみいただければうれしいです。
新しいチャレンジだったのですが、視聴者の方は一輝はじめ登場人物のキャラクターや人間関係を面白がったり、生き物の不思議な話に興味を持ったりと、いろんな感じ方、楽しみ方をしてくれているようです」
と、豊福陽子プロデューサー。
一輝は興味のあることや好きなことには夢中になる一方、不得意なものは先送り、人の話を聞かない、空気を読むこともしないマイペース人間。
だが、一輝のピュアな心は、次第に周囲の人たちの気持ちを動かしていく。
「本作では、何も起きてないかのように見えますが、目線を変えると、生き物の世界では小さな事件がたくさん起きているんです。
動物学者の一輝が目を向ける“フシギ”は、専門家としての対象だけではありません。私たちの足元にもあるものなので、ご覧になったみなさんも、ちょっと立ち止まってご自分の身の回りの小さな“フシギ”に目を向けていただければ。そこには思わぬ新しい世界が広がっているかもしれないし、楽しみが増えるかもしれません!」(豊福P、以下同)
小林のボケに児嶋が……恋の“フシギ”はある!?
“変わり者”の一輝を演じるにあたり、高橋は台本を精読して、キャラクターを作り上げていったよう。
「撮影開始当初は、監督や私にいろいろ相談されていましたが、一生さんが演じる一輝が素敵なので、何も言うことはありません。一生さんは、誰かを演じるとき役にジャンプするのではなく、地続きなものとして考えるとおっしゃっていました」
高橋は博学で動物や植物、宇宙にまで造詣が深く、撮影の合間には、榮倉らと宇宙について語り合うことも。
「(一輝の同僚役の)児嶋一哉さんが小林薫さんと初めて同じ現場に入られたときは面白かったです。薫さんはおちゃめな方で話をしているうちに“そうだよな、大嶋君”とボケたんです。児嶋さんは自分のことは知らないだろうと思っていた薫さんのフリに目をそらして小声で“児嶋だよ”としか返せなかったそうです(笑)。
差し入れで感激したのは、(一輝の祖父役)田中泯さんのミニトマト。自家菜園で育てられたというもので、一同、たいへん美味しくいただきました」
物語でこの先気になるのは一輝と育実の関係。恋に発展していく?
「ラブストーリーではないのですが、育実が一輝によって、どう変わっていくのか見届けていただきたいと思います。また、毎回いろんなことに興味を持つ一輝が、本作の最後に何に興味を持つのか? 想像を超える“何か”ですので、ご期待ください」
家政婦の山田の友人の大河原の謎、一輝がタコを嫌いな理由など小さな謎も明らかになる。一輝だけでなく、すべての登場人物に変化が表れていくそうなので、こちらもお楽しみに。
一輝が大事にする宝箱の謎一輝が大切にしていて、他人に触らせないのが古ぼけた小さな缶。アイスの棒や歯ブラシが入っているのは見えた。
なぜ一輝はこんな物を大事に持っているのか。謎が明らかに!