ここまでの戦いについて振り返った柴崎。自身の成長を実感しているという。写真:JMPA代表撮影(滝川敏之)

写真拡大 (全2枚)

 初のベスト8入りを懸けて現地7月2日に、準々決勝に臨む日本代表は、6月30日にカザンでのベースキャンプでトレーニングを行なった。その後、ベルギーとの決戦の地、ロストフ・ナ・ドヌに移動した。
 
 練習後、ベルギー戦でもボランチとして先発が予想される柴崎が取材に対応。グループリーグ3試合を振り返って、次のように語っている。
 
「いろんなことを感じながら、もちろんグループステージ突破を目標にしてきて、日本の近年のなかではとてもいい戦い、パフォーマンスを出しているにもかかわらず、最後までもつれて、グループステージ突破が難しい状況に陥ってしまったのは、ワールドカップのレベルの高さを示していると思いますし、と同時に突破できたことは日本の現在ある力を示せているのかなと。個人としては、こういう大きい舞台は常に自分を成長させてくれる場所だなと感じますし、本当のトップ・トップの戦いで試合に出られることで得られる経験とか自信、ワールドカップが始まる前より自分自身、成長できている実感を得ているので、ワールドカップという舞台を今、戦えていることに感謝というか、いろんな気持ちを感じているところです」
 
 今回が自身初のワールドカップとなった柴崎だが、大会には「そんなに先入観なく」やれているという。さらに、「初めての大会で、結果がついてきているのもあるんですけど、ポジティブな流れや成長を実感しながらやれている」と、一選手としての成長に喜びを感じているようだ。
 
 Jリーグ開幕前夜の1992年生まれは、宇佐美貴史や小林祐希、杉本健勇らをはじめ、才能豊かな選手たちが揃う“プラチナ世代”と言われる。しかし、期待されてきた世代は日本代表の主軸とはなり切れていない。また、柴崎自身も14年に初代表に選出されて以来、順風満帆の足取りで現在の地位を掴んだわけではない。ここまでの道のりを自身はどう感じているのか、と問われた柴崎は次のように答えている。
 
「昔は、年齢のことを気にするというか、どういう年代で、どういう立ち位置で、どんなプレーヤーになっているという、いわゆる理想というようなものを掲げてやってきましたけど、いまワールドカップを経験できてもそうですし、この歳になって考えることは、みなさんが個人のプレーヤーにこういう選手になってほしいという願望のようなものを抱いているのかは分からないですけど、自分のやってきたことだったり、抱いてきたもの、それを実行してきたことが素直に今に表れているということ。必要な時に必要なことが起こったり、ポジティブなこともネガティブなことも今の自分に必要な出来事だと感じている」
 さらに、柴崎は続けて、「そういう意味では、これからの人生だったり、この大会で起きていること含めて、自分に今、課せられている部分は必然で起きていると思う。理想に対しての対比という部分はあまりないです」と語り、今後の人生においても、現実を必然のものとして受け入れていく姿勢を示した。
 
 一方、グループリーグ突破に関しては「僕のなかではグループステージ突破というのはチームの目標であり、自分としては最低限のノルマでもあったので、あまり喜びを感じることは、決まった時もなかった」と正直な気持ちも吐露。
 
 対戦するベルギーに対しては、「具体的にはマッチアップする選手に負けないことが必要だと思いますし、局面で対峙する選手はいるので、中盤の支配権を日本側に出来る限り手繰り寄せる作業、プレーというものをすることで、日本にいい流れを引き寄せられると思う」と、ゲーム展開についてのプランを語った。