日本は前回以上に厳しいグループに入ったが、韓国や豪州も突破が困難なグループに組み込まれた。(C) Getty Images

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 ロシア・ワールドカップの組み合わせ抽選が12月1日(日本時間同2日未明)に行なわれ、グループHに組み込まれた日本はポーランド、セネガル、コロンビアと同組となった。
 
 率直に抽選結果は、非常に厳しいものになったと思う。というよりも、第4ポットの日本は、結局どのグループに入っても厳しい相手と対戦せざるを得なかったというのが実情だったけれどね。
 
 もちろん、第3ポットに入ったとしても、欧州王者のポルトガルや南アフリカ・ワールドカップの王者スペインと同居したイランのように、日本と同じか、あるいはそれ以上に厳しいグループに入ってしまうこともある。まあ、韓国やオーストラリアも勝ち抜くのは相当に困難に見えるグループだけど、結局アジアがどういう立場に置かれているのかが、明確になった抽選結果ともいえるよね。
 
 もう一度日本の対戦相手をよく見ると、欧州、アフリカ、南米の3地域のチームになった。これは前回のブラジル・ワールドカップの時と同じ。ただし、その相手はいずれも前回よりスケールが大きくなっている。欧州の相手はこれといったタレントがいなかったギリシャから、レバンドフスキという世界屈指のストライカーがいるポーランドに変わったし、ブラジル大会で惨敗を喫したコロンビアには、ハメス・ロドリゲスやクアドラードに加え、前回は負傷欠場だったファルカオもいる。アフリカも前回のコートジボワールは全盛期を過ぎたドログバがエースだったけど、セネガルにはリバプールの左ウインガー、マネという活きのいい強力な切り札がいるね。
 
 それぞれの国を見ると、どこも各国のビッグクラブで屋台骨を支えるような軸になる選手がいるんだ。じゃあ、日本はどうだろう? 選手が所属しているクラブは4年前よりもスケールアップしている? 本田や香川の所属チームはどう? 彼らは代表に選ばれてすらいないけど、全盛期の彼らを超えるような活躍をしている選手はいる? どう見ても世界との差は広がっているよ。
 厳しい抽選結果になったとはいえ、サッカーは何が起きるか分からないスポーツだ。あと7か月あるわけだから、またファルカオが怪我をするかもしれないし、バイエルンがチャンピオンズリーグを最後まで勝ち残って、レバンドフスキが疲労困憊でワールドカップを迎えるかもしれない。あるいは、守って守ってカウンターという戦い方がうまくハマることだってあり得るだろう。

 僕はいつだって日本の勝利を願っているし、“サプライズ”がないとは言わない。ただ、こうした厳しい結果を招いているのもまた、日本自身だと思う。

 というのも、抽選結果を大きく左右するポット分けは、FIFAランキングによって決められるんだ。アジアでばかり試合をやっても、国内の親善試合でぬるい相手とばかり試合をやっても、ランキングはいつまでたっても上がらないし、また強化にもつながらない。
 
 前回のブラジル・ワールドカップで惨敗してから、日本は欧州や南米の、いわゆる強豪と言われる国と何試合戦っただろう。ランキング10位以内のトップクラスとの対戦は、先日の欧州遠征での2試合(ブラジル、ベルギー戦)と、アギーレ体制時代のブラジル戦の3試合のみ。さらに、30位以内に入っている国との対戦まで広げてみても、アギーレ体制の初陣だったウルグアイ戦まで遡らなければいけない。
 
 つまり、日本はこの4年間、勝てばランキングが上がるようなマッチメイクをほとんどしてこなかったんだ。国内で興行のための試合をやっても、欧州や南米の強豪から相手にされないのは、もう何年も前から分かっていることだよね。昨年来日した欧州中堅国のブルガリアやボスニア・ヘルツェゴビナでさえ、ベストメンバーは連れてこなかった。そういうチームに勝ってポイントを上げるのもいいかもしれないけど、じゃあ強化にはつながるのか?