こんにちは。ロックスです。あの「ココロヲ・動かす・映画館 〇(略称:ココマルシアター)未完成オープン事件」から約半年。満を持して10月21日(土)、無事グランドオープンを迎えました。

この半年間、何度もオープンの日程が延期となり、「吉祥寺のサクラダファミリア」という不名誉な愛称がつくほどSNS上で「炎上」しました。

「失敗」「見切り発射」「夢しか追ってなくてやることやっていない」「客に失礼」「なぜ謝らない?」「オープン日に工事中の映画館で事故が起きたらどうするんだ」「椅子はどうしたの?」「クラウドファンディングの出資者に謝れ」などなど、様々な意見がありました。おっしゃる通りその通り。なにも否定できないですね。そりゃそうでしょう。このご時世にそんな「失敗」をしたらその代償は大きいです。

きっとココマルシアターが「しっかり」と春にグランドオープンをしていたら今頃はオープン半年記念イベントなど開かれていたかもしれません。まずはオープン当日夕方に開かれたココマルシアター支配人・樋口義男氏の会見をお聞きください。

ココマルシアター支配人:樋口義男氏会見(抜粋)

心が折れかけた

皆様、まずは今回劇場がオープンした4月15日から皆様に多大なご迷惑をおかけしたこと、大変申し訳ございませんでした。時系列でお話しますと、事件のあったオープン日の次の日に、弊社の映画部の社員はほとんど辞めてしまいまして、私自身も心が折れかけました。ですが、自分自身の気持ちとしては一度始めたこと、自分の夢は絶対にあきらめないという気持ちで頑張ってきました。皆さんのインターネットのご意見、ツイッター、SNSすべてのご意見を私自身もみて、心が辛かった時期もありました。ですが、自分自身が前向きになっていかないといけないのではないか、ということを考えていました。

オープン日の映写が止まってしまった

今朝も、何度も何度も映写のテストを行い、オープンに臨んだはずだったのですが、それでも上映が止まってしまうというトラブルがありました。昨日も一昨日もそういったテストを行っていて不具合はなかったです。もちろん機材も新品をそろえていたのですが……こちらも業者に確認してもらい、改善に努めてまいります。

なぜ4月から半年もかかったのか

オープン日は工事中ではありましたが、天井が落ちてくるような危険性があった、という状態ではなかったです。そこだけは信用していただきたいです。ただ、今考えると、あの日オープしたことは甘かったな、やるべきではなかったな、と反省しています。言い訳になりますが、切羽詰まっていました。単純に今考えると不甲斐なく、甘かったです。

この半年間、決してサボってなにもやってなかったわけでは絶対にありません。オープンの次の日からプロの方と相談をし、どう改善すればいいのか、保健所、建築指導課、消防指導、各所の指導がありました。1階だけオープンするならここまで時間はかかりませんでした。ただ、2階のカフェが問題でした。日本で映像を流しながらカフェを営業する、ということに決まったルールがないのが現状です。その部分でかなり時間を擁しました。また検査が入るたびに新たな工事の改善項目が次々にあがり、対応に追われていたのも事実です。他にも空調や天井の指摘など、なにかがあると一週間で済まなくなり、工事、修繕、指導で何か月も掛かってしまいました。それが一番の理由です。

行政の方から何度も指導を受けていた中で、「映画館はやめたほうがいいんじゃないですか?」というご意見もありましたが、何度も意見交換をし、改善を重ねて今こうしてオープンに至ります。

一部では自分たちで作っていたから遅れたのではないか、というご意見もありましたがそれは違います。土台はプロに作っていただきトイレや廊下、床などこだわりたい部分は自分たちで作らせていただきました。そんな中、少し悲しかったのは外でペンキ塗りをしていた女性スタッフの様子が無許可でSNSに投稿されてしまい、スタッフが外に出るのが怖い、と怯えてしまいました。私自身言われるのは仕方がないのですが、そういったことがあったのは悲しかったです。

以上が抜粋版となりますが、樋口氏の会見となります。

これがココマルシアター!

さて、これがこの半年間様々な苦労を重ねてようやく完成した「ココマルシアター」です!

外観


4月には未完成の状態だったので寂しい雰囲気でしたが、

電飾やポップスタンドも付き「楽しそうな映画館」という印象です。こちらのポップスタンド……!


少しカオスですがインパクトは抜群です……!

1階:劇場・カフェ


1階のロビー、以前は天井、壁の骨がむき出しでしたが……

今回は壁も扉も取り付けられました。また天井にはシャンデリアも。

代表の樋口氏によりますと「フランスの劇場」をイメージして作られたそうです。中にはアンティーク店や骨董店から買ってきた机や椅子もありこだわりの内装となっています。

お次は気になる劇場です。

ロビーとの境もなかったこちらの劇場も……。


椅子もしっかりと設置され、劇場になっていました。

ロビーのテーブルは劇場で観た映画を座りながらゆっくりと感想を話してほしい、という思いが詰まっています。また1人でも座れるようカウンター席も配備しています。

フードメニューはハンバーガーが中心となっています。ドリンクメニューはコーヒーやソフトドリンクをはじめ、お酒のメニューをも充実しています。

ビール1杯360円は嬉しいですね。映画を観た後に呑みながら作品について話したいですね。せっかくですので樋口氏が考案された「びっくり美味しいチキンバーガー」をオーダーしてみました。

うん、バンズも焦げ目が入っていて中身はジューシーなチキン、普通に美味しいです。360円なので、気軽に頼めますね。安いです。

2階:映像ブース+カフェ

2階は映像を見ながら食事を楽しめるカフェとなっています。階段を登るとカウンターが並んでいます。今後フードメニューを充実する予定とのことです。(※人が多かったため、写真がなくてごめんなさい)

3階:VRゾーン(予定)

「象」の「像」があります! インパクトの強い3階は現在、休憩スペースとなっていますが、今後VRの映像が楽しめるコンテンツを増設予定とのこと。元々ゲーム会社を経営されているココマルシアターならではのコンテンツになってほしいですね。

実はこの象は井の頭公園にいたアジア象の「はな子」のモニュメントとのこと。さらに、樋口氏から聞いたのですが実は現在「はな子」のドキュメンタリー映画を現在撮っている、との新たな情報も! (公開は来年予定)続報を楽しみにしましょう。

頑張れ!ココマルシアター!

樋口氏がのやられていることは「誰もができることではない」ということが前提です。前回の記事でも書きましたが、僕はココマルシアターを応援したいと思います。皆さんがおっしゃることはわかります。一個人の本音を言えば「おいおい、なにやってんの」と思うことばかりです。僕も取材前からココマルシアターのクラウドファンディングに投資した映画ファンの一人として、気持ちはわかります。まだまだココマルシアターには言い出したらきりがないほどの問題点があります。

しかし、例えばイベントが失敗したらそれまでですが、「映画館」をつくったらオープンで大失敗しても今後、皆さんに愛される場所になるように、営業を継続させなければいけません。それなら僕は、今後のココマルシアターを応援したいと思います。樋口氏の言う「改善」という言葉を信じます。僕も同じ映画で人生を変えられた一人として、樋口氏の映画に対する「情熱」を信じたいと思います。「信じられない」、「嘘つきだ」と思われる方も、どうですか、ここはひとつココマルシアターを見守ってみることにしませんか?

今後のココマルシアターの成功を祈って。「頑張れ! ココマルシアター!」という言葉をもう一度言っておこうと思います。また、お邪魔します。