29日、TBS「バース・デイ」では、「3人の子供を抱え・・・34歳からアルバイト生活 元日本一投手の新たな夢とは・・・」として、元千葉ロッテマリーンズ・伊藤義弘氏の現在を伝えた。

2007年のドラフト4位でロッテに入団した伊藤氏は、1年目からセットアッパーとして活躍。3年目の2010年日本シリーズでは胴上げ投手にもなっている。しかし、翌年の試合中、陽岱鋼を打ち取った際に折れたバットが左足を直撃。このアクシデントが野球人生を狂わせ、故障に苦しみながらの選手生活を送るようになった末、昨年10月に戦力外を言い渡された。

そんな伊藤氏は、34歳。体育教師を目指し大学院で勉強に励みながら、アルバイト生活を送る。

「高校時代に体育の担当教員だった先生を見て、将来体育の教員になってみたいなっていうのがあった。引退してみて先生とかに『教員ってどうですか?』って話を聞いて。そしたら『やりがいのある仕事だからいいと思うよ』って言ってくれて。仕事やるなら、ここまできたら自分がやりたいことをやりたいなと思って体育の教員になろうと思いました」

第2の人生として、教員を目指す伊藤氏は、その理由をこう語る。

日本体育大学の大学院に通う伊藤氏は、昨年の引退後から勉強を始め、僅か3ヶ月ほどの準備期間ながら、一日8時間に及ぶ勉強の末、2月末の入試に合格。それでも教員免許の取得までは最短で3年、学費も約300万円程度かかるという。

「プロ野球選手の時は、試合があって、その前に練習があって、自分を高めるために練習してるわけじゃないですか。カテゴリーが変わっても感覚は変わらないと思います」という伊藤氏だが、学生生活については「気楽じゃないですよ。やることありすぎて。1つの教科に2万5千円払って受けてるわけですよ。来年取るんだったら、また2万5千円かかるんですよ。もったいないでしょ」と苦笑い。

3人の子供を養うため、妻もパートをはじめ、伊藤氏自身も大学から帰宅した後、子供向けスポーツ教室を開いている。プロ野球選手時代のような収入はなくなったが、「充実しているんだなっていうのが見ててわかる。キラキラしたような顔は今まで見たことない」という妻に続き、伊藤氏も「3年間、自分への投資を終えた後に、しっかり収入を得て家族を養える状態にしたい。とりあえず単位を取らないといけないので勉強のほう頑張ります」と意気込んだ。