[ちちんぷいぷい - 毎日放送] 2017年4月14日放送では、ホテル不足に悩む関西で今注目の宿泊施設について取り上げられました。

関西のホテルは「客室不足」が深刻な問題となっています。それを受けて、日本を訪れる外国人観光客に「日本文化を体験できる」などのサービスでもてなす新たな施設が登場しています。

「日本の伝統」触れられる一方...

奈良県の信貴山玉蔵院は、3年ほど前から外国人観光客が増えました。英語の案内表記や無線LANを整備するなど環境を整えたり、早朝の護摩祈祷の意味を英語で解説するなど、日本の伝統や精神的なものを求めて訪れる外国人観光客に伝統を伝えながらも、「ホテル」に近づく対応をしています。

また、大阪・天王寺区下寺町エリアに4月23日にオープンするのが、宿坊型ホテル「和空下寺町」です。価格は1泊1人2万円からとお高めですが、坐禅や写経、夕食には精進料理が提供され、翌朝には周辺の寺で護摩炊きも体験できる、他のホテルでは味わえないまさに宿坊型ホテルといえます。


「和空下寺町」の外観(プレスリリースより)

しかし、変わる「宿坊」に寺社関係者からは違和感を覚える声も。どこまでが布教活動でどこからが経済活動か、線引きが難しいとの考えからです。最近はお寺での葬式が減り「ネットでお坊さんの手配」が出来る、「斎場でのお葬式」が増えるなど、お寺を巡る形態が変わりつつあることに、宗教界全体が「宿坊の在り方」も含めてどうすべきか悩んでいるとのことです。

私たちは便利という方向からだけで判断してしまいがちですが、伝統を守る側にとってはとても難しい問題ですね。(ライター:けあるひの)