「HUNTER×HUNTER」29巻でついにキレたゴン(さん)について

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冨樫義博の『HUNTER×HUNTER』が休載されてから29週目。今回は単行本29巻を振り返る。


29巻はこんな話


核爆弾に被曝したメルエムだったが、プフとユピーの献上した極上飯によって奇跡の復活を果たす。失った記憶を取り戻すため、宮殿近くをウロウロしていた。
その一方、ネフェルピトーとゴンとのバトルは衝撃の急展開を迎える。

変わり果てた姿になってしまったゴン


ゴンの高圧的な態度とオーラに怯え、「コムギの治療を終えたら、カイトを治す」という条件をかわしていたネフェルピトー。
ところが、コムギ治療後、約束を破ってゴンを殺すと言い出した。

もう
これで
終わってもいい
だから
ありったけを
貴様を殺す!! ピトー

長時間キレていて、凄みがあったが、さらなる怒りと悲しみを纏って驚異的なパワーを身に着けたゴン。その姿は、信じられないほどムキムキで、髪の毛が上に伸びすぎてコマから見切れている。急に成長したもんだから、短パンとノースリーブもピチピチになっている(千切れないのがスゴイ。伸縮性がある服だったんだな)。バトル、というよりも一方的な形でピトーを屠った。
その姿は、読者の間で、経緯と畏怖を込めて「ゴンさん」と呼ばれていた。

幽白のクライマックスと被るピトー戦


ゴンさんのシーンは幽☆遊☆白書の主人公・浦飯幽助の要所要所のバトルシーンと被っている。
まず、暗黒武術会のラストバトル、VS戸愚呂弟である。


いつまで経っても本気になれない幽助に全力を出してもらうために足りないもの、それが「危機感」であると考えた戸愚呂は、桑原を殺した(フリ)。
師匠のみならず、親友まで戸愚呂の手に掛けられた浦飯は、怒りと悲しみでパワーアップし、戸愚呂を打倒。殺された人数は違うものの、パワーアップのきっかけがゴンと被る。

さらには、魔界の扉編クライマックスの対仙水戦。


心の底から仙水のバトルを楽しむ幽助であったが、突然、「あんなやつに手こずってもらっては困るな 力の使い方を教えてやるよ」とどこかから声が聞こえてくる。次の瞬間、幽助は体を乗っ取られ、仙水を殴打、最後は特大の霊丸で戦闘不能に追い込んだ。このとき、幽助は、ゴンさん同様、急激に髪の毛が伸びている。

これから先、ゴンさんを目にする機会はあるのか


キメラ=アント編もいよいよ終盤。このあとに続く選挙編では、変身の反動で再起不能になったゴンを復活させるべく、キルアが奔走する。暗黒大陸編(現在休載中の話)では、オーラが出ないために帰郷。どちらの話も主人公としての見せ場は少ない。
これからゴンは物語にどう関わってくるのか。
33巻で、ジンが暗黒大陸の5大厄災のうち、アイとパプは人類の居住地でも確認されていると言っていた。アイはキルアが連れているからいいとして、パプはゴンさん絡みなんじゃないか。頭の先っぽの伸び具合はゴンさんの髪型に似ているし、ヨボヨボさは、ゴンの入院時の腕と似ている。
復活後に、オーラが出ないことを悩んでいたゴン。暗黒武術会後の桑原のことを考えると、急激な進化を遂げる前兆なのかもしれない。
ビスケもムキムキな姿に変身して戦闘するし、ゴンもオーラ復活後にはいつでも自由自在にゴンさんになれる状態になっているといい。で、暗黒大陸捜索に先陣をきっていただきたい。
(山川悠)

参考→『HUNTER×HUNTER』再開を待ちながら1巻から読んでみる