AFX通信によると、イラン大統領選は17日の投票で過半数を得た候補者が出ず、第1回投票の開票で20％の支持を集めた保守穏健派のラフサンジャニ前大統領と、19.47％を得た保守強硬派のアフマディネジャド現テヘラン市長の上位2名による決選投票が、24日に行われることとなった。また、3人の候補がいずれも落選した改革派は、「強硬派の独占的支配を防ぐため」として、決選投票では2つの主要革新政党からラフサンジャニ氏の支持が表明されている。IIPF（イスラムイラン行動戦線）とOMIR（イスラム革命ムジャヒディン機構）が明らかにした。

　　一方、40％程度の支持を集めると見られていたラフサンジャニ氏が振るわなかった一方で、ノーマークだったアフマディネジャド氏が浮上してきた投票結果は意外なものと受け止められており、不正を疑う声も持ち上がっている。有力候補と目されていた改革派のモイーン元高等教育相の陣営は、イスラム聖職者会議が1400億リアル（約17億円）を投じ、30万人の民兵組織を動員して不正工作を行ったと非難した。また、AP通信によると、同じく落選したカルビ前国会議長も、首都テヘランなど4つの地区で自警団が有権者に圧力をかける不正があったとして、革命評議会に対して調査を求めた。米国のライス国務長官も19日、米ABCテレビのインタビューで、女性に投票権が与えられなかったことなども加え、「この選挙がイランを民主主義的な未来に導くものとは考えられない」と、今回の選挙を批判した。　【了】