XFN-ASIAによると、アラン・グリーンスパン米FRB（連邦準備制度理事会）議長は9日、上下両院経済合同委員会で証言し、現在の米住宅市場はバブルに陥っていないとの持論を展開した。ただ、同議長は、一部地域で、住宅価格が維持できないレベルまで高騰しており、「フロス（バブルの兆候）」が見られるとの認識を示した。

　　また、同議長は、最近の住宅市場の動向、特にインタレスト・オンリー・ローン（右肩上がりの不動産市場に期待し、利息だけを返済する）など、最近、流行している変動利率住宅ローンの利用増加傾向に警戒感を示した。

　　さらに、同議長は、一般に、住宅市場が過熱している背景には、投機的な動きがあるとした。不動産専門家は、住宅のオーナーは、キャピタルゲインを実現するために引っ越しなければならず、国内住宅市場でバブルはありえないと論じているが、グリーンスパン議長は、この使い古された議論はもはや現実には当てはまらないかもしれない、と述べた。

　　同議長は、「近年、中古住宅の回転率は、以前よりも速くなっている」とし、回転率が増加しているのは、セカンドハウス（第2の持ち家）とした。その上で、同議長は「最近の住宅価格高騰には、以前よりも、投機的動きが大きな役割を果たしている」と結論付けた。しかし、同議長は、市場のフロスからの危険については楽観的で、「特に一部の地方で、（バブルがはじけて）住宅価格下落の可能性は無視できないが、もし起こったとしても、重大なマクロ経済的な影響はない」と述べた。【了】