CBS MarketWatchによると、IMF（国際通貨基金）のデップラー欧州担当局長は7日、報道各社との電話会議で、イタリアのカルデローリ制度改革相が6日、マローニ労働社会政策相に続いて、イタリアが欧州統一通貨ユーロから離脱し、イタリア・リラを再導入すべきだと発言したことについて、同国が保有する資産や負債の大部分がユーロ建てであるとして、その実現性には疑問があると述べた。

　　両相はともにEUに懐疑的な北部同盟のメンバーとして知られる。ベルルスコーニ首相をはじめ、他の閣僚はリラの再導入を支持していない。しかし、EU憲法の批准がフランスとオランダの国民投票で否決されたことへのショックから、市場では今後の欧州統合への懸念が広まっており、両相の発言は注目された。

　　一方、ドイツでは先週、あとで否定されたものの、ユーロからの離脱について、アイヒェル財務相がドイツ連邦銀行（中央銀行）のウェーバー総裁と協議を行ったとスターン誌が伝えた。また、ドイツのクレメント経済労働相は先週、インフレ率の高い国よりもユーロ圏の国の方が、実質金利が高いとして、ドイツが欧州の安定に寄与するため、「多大な代価を支払っている」と述べ、ECB（欧州中央銀行）の金利政策に不満を示した。英オブザーバー紙が伝えている。【了】