ミランのシルヴィオ・ベルルスコーニ名誉会長が5日、クラブを中国のコンソーシアムに売却すると明らかにした。

6月に心臓の手術を受けたベルルスコーニ氏は、5日にミラノのサン・ラッファエッレ病院を退院した。その際、以前から中国のコンソーシアムと交渉していたクラブの身売りを決断したことを口にしている。

「私は以前のようにミランのことを追えなくなり、28のトロフィー獲得やミランファンの数を増やしたこの30年という期間にピリオドを打ちたいと思っている。最後の大事な選択だろう。ミランを国内、欧州、世界の舞台で再び主役に戻すことができる人にミランを委ねる」

ベルルスコーニ氏は「いくばくかの金額的な要求」を断念し、中国側の提示額を受け入れたと明かし、代わりにクラブへの投資を怠らないように約束させたと述べている。

「彼らには今後2年、クラブに少なくとも4億ユーロ(約453億円)を投資するように求めた」

なお、ベルルスコーニ氏はクラブの買い手について、「非常に重要なグループで、国家的な参画もある」と明かしている。

ベルルスコーニ氏は1986年にミランを買収。アッリーゴ・サッキ、ファビオ・カペッロ、カルロ・アンチェロッティなど、名将たちを引き立てて1980年代〜1990年代、2000年代前半に黄金期を築いた。

8回のリーグ優勝に加えて欧州王者になること5回、インターコンチネンタルカップやクラブ・ワールドカップも制すなど、国際的に多くのトロフィーを手に入れ、世界にミランブランドを知らしめたベルルスコーニ氏が、ついにロッソネーロ(赤黒、ミランの愛称)を去る。

イタリアメディアによると、クラブ身売りの仮契約は来週中に行われる予定。その後、秋ごろに「クロージング」に至る見込みという。