妾問題を救ったご都合展開「とと姉ちゃん」12・13話
連続テレビ小説「とと姉ちゃん」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)第2週「常子、妹のために走る」第12話 4月16日(土)放送より。
脚本:西田征史 演出:大原拓
12話が熊本大地震の報道のため16日から18日に放送延期になったので、12、13話を合わせてレビューします。
妾問題解決!
やっぱり予想通り、あっという間だった。放送が延期になったため、土日の2日間、悶々とすることになったのだが。
かか(木村多江)が妾にいかないように、常子(高畑充希)たち三姉妹(子役・根岸姫奈、相楽樹)はお金を稼ごうとする。
お化粧して、いい髪飾りをして、よそいきのいい着物を着て出ていったので、とうとう妾にいってしまったのか、と焦る三姉妹。
木村多江、きれいだったが、しかし!
どうしたもんじゃろのぉ・・・。
かかの妾問題を、あわわわわっと、漫画のネームのようなはっきり字になる音で姉妹が焦る場面や、鳩を捕まえてお金にしようとするなど、ほんとうは極めて深刻な話を、こんなにほのぼのとした話で済ませてしまうのなら、書かないほうがいいのではないか。妾を連続もののフックにするのはどうなんだろうか。それとも、子供の視点に立って、妾のなんたるかがまだよくわかってないという意味合いなのだろうか。
叔父さん鉄郎(向井理)も、お金を稼ぎに行くという理由はあるものの、兄嫁が妾になるかならないで悩んでいる時にそそくさといなくなってしまうのはどうなのか。
そして、突如として、夜に爪を切ってはいけないわけについての蘊蓄コーナーが登場するのはなぜなのか。
首をかしげながら、第3週へーー。
連続テレビ小説「とと姉ちゃん」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)第3週「常子、はじめて祖母と対面す」第13話 4月18日(月)放送より。
脚本:西田征史 演出:大原拓
急転直下。常子たちは、東京に行くことになった。
かかは、隠していたけれど、東京深川、200年も続く老舗の材木屋の娘だった。
18年ほど前、母親(大地真央)に、意に染まない相手との縁談を強要されたかかは、とと(西島秀俊)は好きだったので、実家を飛び出し、二度と連絡しないつもりだったが、背に腹は代えられず、母に手紙を書いたら、迎えてくれることに。
そんな説明台詞を、風情ある川辺で、三人姉妹に語るかか。
あれよあれよと、思い出深い浜松の家を片付けて、空になった家でしんみりする常子たち。
しかし、どうしたもんじゃろのぉ・・・。
思い出の貝を耳に当てる母娘とかお片づけとか、なんだか、時間稼ぎのように見えるんだが。
その後、静かな時間をつくり、浜松での生活を愛おしみながら「つづく」にするために、前に“ほのぼの”や“あたふた”を差し込む必要があるんだろうなあとは思う。
今までの作品を見て、とっても巧い作家だと思うので、そのテクニックでやすやすと切り抜けてしまっているように見えるのだ。東京に憧れる幼い子の食べ物トークとかも、そつがなさ過ぎ。
そのうえ、高畑充希も若いのにしっかりした芝居をするものだから、お弁当食べながら見る商業演劇みたいな安定感。
ただ、回想シーンの大地真央のうなじの長くてまっすぐな美しさに見惚れたので、大地真央さまがこの均衡を崩してくれることに期待する。
(木俣冬)
脚本:西田征史 演出:大原拓
12話が熊本大地震の報道のため16日から18日に放送延期になったので、12、13話を合わせてレビューします。
妾問題解決!
やっぱり予想通り、あっという間だった。放送が延期になったため、土日の2日間、悶々とすることになったのだが。
かか(木村多江)が妾にいかないように、常子(高畑充希)たち三姉妹(子役・根岸姫奈、相楽樹)はお金を稼ごうとする。
お化粧して、いい髪飾りをして、よそいきのいい着物を着て出ていったので、とうとう妾にいってしまったのか、と焦る三姉妹。
木村多江、きれいだったが、しかし!
どうしたもんじゃろのぉ・・・。
かかの妾問題を、あわわわわっと、漫画のネームのようなはっきり字になる音で姉妹が焦る場面や、鳩を捕まえてお金にしようとするなど、ほんとうは極めて深刻な話を、こんなにほのぼのとした話で済ませてしまうのなら、書かないほうがいいのではないか。妾を連続もののフックにするのはどうなんだろうか。それとも、子供の視点に立って、妾のなんたるかがまだよくわかってないという意味合いなのだろうか。
叔父さん鉄郎(向井理)も、お金を稼ぎに行くという理由はあるものの、兄嫁が妾になるかならないで悩んでいる時にそそくさといなくなってしまうのはどうなのか。
そして、突如として、夜に爪を切ってはいけないわけについての蘊蓄コーナーが登場するのはなぜなのか。
首をかしげながら、第3週へーー。
脚本:西田征史 演出:大原拓
急転直下。常子たちは、東京に行くことになった。
かかは、隠していたけれど、東京深川、200年も続く老舗の材木屋の娘だった。
18年ほど前、母親(大地真央)に、意に染まない相手との縁談を強要されたかかは、とと(西島秀俊)は好きだったので、実家を飛び出し、二度と連絡しないつもりだったが、背に腹は代えられず、母に手紙を書いたら、迎えてくれることに。
そんな説明台詞を、風情ある川辺で、三人姉妹に語るかか。
あれよあれよと、思い出深い浜松の家を片付けて、空になった家でしんみりする常子たち。
しかし、どうしたもんじゃろのぉ・・・。
思い出の貝を耳に当てる母娘とかお片づけとか、なんだか、時間稼ぎのように見えるんだが。
その後、静かな時間をつくり、浜松での生活を愛おしみながら「つづく」にするために、前に“ほのぼの”や“あたふた”を差し込む必要があるんだろうなあとは思う。
今までの作品を見て、とっても巧い作家だと思うので、そのテクニックでやすやすと切り抜けてしまっているように見えるのだ。東京に憧れる幼い子の食べ物トークとかも、そつがなさ過ぎ。
そのうえ、高畑充希も若いのにしっかりした芝居をするものだから、お弁当食べながら見る商業演劇みたいな安定感。
ただ、回想シーンの大地真央のうなじの長くてまっすぐな美しさに見惚れたので、大地真央さまがこの均衡を崩してくれることに期待する。
(木俣冬)