羽生結弦×ちょんまげ=「殿、利息でござる!」

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ちょんまげを結ったスケーター。

そう聞いて、てっきり「氷上のお殿様」こと、織田信成の新CMでも始まったのかと思ったらさにあらず。

今季、異次元の世界記録、と評される滑りを連発したソチ五輪金メダリスト、「氷上のプリンス」こと羽生結弦の姿だ。

映画「殿、利息でござる!」で、羽生結弦がまさかの映画デビューでござる!


阿部サダヲ、瑛太、妻夫木、そして羽生結弦


映画「殿、利息でござる!」の舞台は江戸中期の仙台藩吉岡宿。
年貢の取り立てや労役で困窮する宿場町を守るため、知恵と工夫と決死の覚悟で立ち上がった9人の“庶民”が「宿場救済計画」を立て奔走する、という史実を元にしたストーリーだ。

映画化されたベストセラー『武士の家計簿』でも知られる“平成の司馬遼太郎”こと、磯田道史の近著『無私の日本人』(文春文庫刊)の一編『穀田屋十三郎』が原作。監督を「ゴールデンスランバー」「白ゆき姫殺人事件」「予告犯」などでおなじみの中村義洋監督が務める。

造り酒屋を営む主人公・穀田屋十三郎(こくだや・じゅうざぶろう)役に阿部サダヲ。さらに瑛太、妻夫木聡、竹内結子、松田龍平という豪華俳優陣が名を連ねる。


ここに、今、スポーツ界でもっとも「数字」を持っているとされる羽生結弦が加わった形だ。その役どころこそ、映画のタイトルにもなっている「殿」役なのでござる!

本当にとんでもない人をキャステングしてしまったもんだよなあ


もちろん、羽生はこれが映画初出演。今までドラマにも出演することはなかった羽生だが、故郷である仙台に実在した人物たちの物語、ということで出演を快諾した。

「お芝居はスケートとは違って振りが無く、言葉を使い、セリフに合わせて動かなければいけないのでとても難しく、撮影現場では緊張してしまいましたが、映画製作の雰囲気を感じられて、素敵な俳優さんたちにもお会いできて楽しかったです」とは羽生のコメント。

では、その「素敵な俳優さんたち」や製作陣の反応も見てみたい。

「殿役が誰か、なかなか明かされず、役者同士で色々予想をしてたのですが、まさか羽生結弦さんとは思いませんでした。撮影当日まで(ご本人と)全く会わず扮装が全て終わって、現場リハーサルでいきなりぶっつけ芝居だったにもかかわらずセリフも完璧に入っていて素晴らしかったです。本来、殿様を庶民が見てたら『頭が高い』と言われるんでしょうけど、もう、ずっと笑顔で見つめてしまいました(笑) キレイでした(笑)」(阿部サダヲ)


「現場では、その立ち居振る舞いから目力の強さ、澄んだ声まで、殿様としての説得力に満ち溢れておりました。この伊達の殿様は、今や仙台藩どころか日の本一となり、果ては世界までも征服されておられるわけですから、本当にとんでもない人をキャステングしてしまったもんだよなあと、僕ら自身も今だにおののいている次第です」(中村義洋監督)

殿、大絶賛でござる!

表現者として今回の貴重な経験を活かすことができた


アスリートと演技、といえば2006年1月に『古畑任三郎 ファイナル』に本人役で出演したイチロー。そして2013年1月にフジテレビの月9「ビブリア古書堂の事件手帖」に出演した内田篤人の例が思い浮かぶ。

2006年のイチローといえば、3月にWBCで日本代表の世界一に大きく貢献。個人としてもその年、6年連続でのシーズン200本安打を記録するなど、まさに絶頂期だった。

内田にしても、2012-13シーズンはブンデスリーガ公式HPが選ぶベストイレブンに選出されるなど、演技に現を抜かして……と揶揄されるどころか、それがかえって好結果につながっていた、と見ることもできる。

同じことが、今回の羽生にも当てはまる。

「撮影は昨年の夏だったのですが、試合のプログラムだけではなくエキシビジョン、ショー等でも、表現者として今回の貴重な経験を活かすことができたのではないかと思っています」(羽生結弦)。

実際、今季の羽生は「和」の要素をプログラムに取り入れ、その演技力が世界中のファンから高く評価された。その結果、2度に渡る世界記録更新とGPファイナル3連覇という偉業に結びついたのだ。「表現者として今回の貴重な経験を活かすことができた」というコメントは、あながちリップサービスでもなさそうだ。

実際にどんな演技を見せているのか!? 大注目の映画「殿、利息でござる!」は5月14日(土)、全国ロードショーでござる!


(オグマナオト)