「ミコ」は漢字で書くと「神子」と考えてます「HEROES Reborn」に大抜擢された祐真キキに聞く
突然特殊能力が覚醒した人々が力を合わせて、世界の危機に立ち向かう大人気ドラマ『HEROES/ヒーローズ』が新生、Huluにて独占配信中だ。(毎週火曜日配信)
前作で、日本人代表として外国人の中でひとり奮闘したマシ・オカに次いで、今回は、京都出身の美少女・祐真キキがレギュラーとして参加。ゲームキャラになって闘う少女ミコを、日本のアニメやゲームカルチャーを研究したうえで熱演している。
小柄で華奢な身体と神秘的な瞳と黒髪と、キレのいい動きのギャップも魅力的。登場人物のひとりゲームファンのレンでなくてもミコに注目してしまう。
単身、渡米して女優を目指し、オーディションでこの役を勝ち取った祐真キキはどんな人物なのか、インタビューしてみた。
──殺陣のシーンがかっこいいですが、それがゲーム画面になるのは、ご自身の動きを撮り込まれているんですか。
祐真 モーションキャプチャーです。全身にツブツブをつけて、顔の前にカメラつけて、顔や体の動きを撮り込みます。カメラが100台くらいあって、上下左右360℃一気に撮っちゃうんです。
──カメラ100台、さすがハリウッドって感じですね。
祐真 すごいですよ、ほんとに。モーションキャプチャーは1分間、2000万円くらいらしいです。
──すごーい。
祐真 来ていただいたチームも、『アバター』のCGを作っているチームなんですよ。
──バック転して刀の上に乗るカットがありますが、さすがに実際はやってないですよね?
祐真 やってないです(笑)。刀の上に乗るのは、代わりに箱に乗っています。敵の首を刺す時は、私が乗ったボードを3人くらいの男の人が掲げてくれて、揺らされつつ、刺すみたいなことをしています。
──そのへんはアナログなんですね。
祐真 そのへんはね。たくさんの人が作業しています。その都度、いろいろなやり方があるんです。
──殺陣の勉強もされているから、動くのは苦もなく?
祐真 いやあ、大変でした。怪我しないようにと常に気を張っています。怪我しやすいんです、私。骨も折れやすしいし(笑)。例えば、3話の激しいアクションシーンで、もし怪我でもしたら、キャストを交替されることも考えられるので、絶対怪我できないなって思って臨みましたが、敵役の木刀が当たっておでこがかなりパックリいっちゃったんですよ。
──それは大変!
祐真 3針縫いました。
──女優は顔が命なのに。
祐真 かなり血が出たので相当深く切れたかと不安でしたが、幸いそこまでではなくて。前髪で隠せたのも助かりました。
──よかった、前髪パッツンで。
祐真 本当に(笑)。
──前髪パッツンはキャラのイメージですか?
祐真 オーディションではもともとちょっと滑らかなVだったんですよね。横髪はなくて、普通にストレートで。役が決まるとテストヘアメイクみたいなものがあって、その時にされた髪型がすごくださくて(笑)。ふつうのポニーテールみたいな感じだったので、キャラクターがアニメぽいから、せめて、もう少しアニメぽくしようとして、横髪をつけて、前髪ももっと深いVにしてもらったんです。Googleで日本のアニメを検索してみたら、けっこう日本のアニメキャラって横髪がついてるんですよね。
──ところで、ミコって言うのは巫女さんのミコですか?
祐真 漢字は決まってなかったので、自分で決めたんです。巫女さんじゃなくて神の子でミコなんです。
──ほう。
祐真 それで押してください(笑)。ウィキペディアとかで予想して書かれているのが『巫女』になっていたりするので。早く神の子に変わらないかなあって(笑)。
──わかりました、強調しておきます。
祐真 お願いします(笑)。
──いろいろご自分の役を膨らませているんですね。
祐真 はい。
──現在、祐真さんはアメリカ在住なんですよね。
祐真 はい。
──今回の日本滞在はどれくらいの予定ですか。
祐真 4日前くらいに来て(取材は11月に行われた)、年末くらいまでいる予定です。
──京都生まれなんですよね
祐真 はい、京都です。
──アメリカで生活していても、京都のイントネーションが残りますか。
祐真 全然残ります。アメリカで暮らしてまだ3年ですし、いつもはかなり日本語をしゃべっているので。
──向こうでも日本人の仲間が多いんですか。
祐真 多いとまでは言わないですが、何人か日本人の友達がいるので、もう普通に日本語で会話しています(笑)。
──3年、アメリカで勉強されていたんですか。
祐真 そうですね、ちょうど3年と4、5ヶ月くらいですか。
──その中で、今回『HEROES Reborn/ヒーローズ・リボーン』 のミコ役に抜擢され、大活躍ですね。
祐真 ありがとうございます。
──今回、すごくたくさんの媒体が祐真さんの取材につめかけているようで、そのお気持ちはいかがですか。
祐真 すっごく嬉しいです。でも私もけっこう必死なんで(笑)。
──必死?
祐真 必死で売り込まないと。このチャンスを逃せないなって感じで(笑)。
──この3年間はいろんな作品のオーディションを受けていたとか。
祐真 そうですね、200以上は受けていると思います。
──受かった率は。
祐真 200受けたうち、8回に1本くらいは受かっているんですかねえ。オーディションの内容も今回の大バジェットのテレビドラマから、ほとんどギャラのでない仕事まで、ピンからキリまでありまして。エキストラの場合もあります。種類も、映画やドラマからコマーシャルや雑誌といろいろなんですよ。
──エキストラ出演にもオーディションがあるんですか。
祐真 ないものもありますけど、基本的にオーディションですね。
──受かる秘訣はありますか。
祐真 ないです! ハハハ(笑)。自分のベストを発揮するだけなんです。アメリカってオーディションで自己アピールする時間がまったくないんですね。
──へえ!
祐真 ほんとに事前に渡された台本をやるだけ。自己紹介の時間はいっさいなく、部屋に入ったら、すぐに演技をやって帰るだけなんです。
──作品に自分が合ってるかだけが問われる。
祐真 そうそうそう、そうですね。
──あとは、自分がいかに鍛錬してるか。
祐真 そうですねえ、厳しいですね。
──演技レッスンと殺陣のレッスンをやっているんですか。
祐真 アメリカに行く前に日本で、UPSアカデミーという奈良橋陽子さんがやっている学校に2年くらい通いまして、演技レッスンを受けました。その学校のワークショプに殺陣のクラスがあって、『ラストサムライ』に出演されている高良隆志先生に殺陣を教えていただきました。演技と殺陣の基礎を身につけて、アメリカに飛びました。
──そのアップスアカデミーに入られたのは、最初から海外を見据えてのことですか。
祐真 そうです。
──日本ではなくて海外で俳優をやろうと思ったのはなぜなんですか。
祐真 有名になるなら世界で有名になりたいなっていう感じですね。
──有名になりたい?
祐真 私の最終的な目標は人道支援なんです。女優として有名になって影響力をもてると、その目的が達成されやすいと思いました。日本で有名になっても日本のなかだけのことも多いものですが、ハリウッド映画は世界に配信されます。その広さに惹かれました。
──志がかなり高いところにあるんですね。
祐真 かっこよく言うとそうなります(笑)。
──難民を助けている方の姿を見て、心を動かされたとか。
祐真 私自身はまだ助けるまでいってないので、助けるのが目標です。
──作品につなげるのもなんですけど・・・これーー
祐真 『HEROS/ヒーローズ』! まさに、世界を救う人たちのお話ですね。
──あらゆる人種に偏見のないようにっていう話だし。
祐真 私のテーマとしていることと近いですね。この作品も実は、地球に起こりえそうな問題をフィーチャーしているのでなかなか面白いです。このドラマに出ることができて光栄です。
──前作『HEROES/ヒーローズ』にも日本人のマシ・オカさんが出演されていて、今回も祐真さんが日本人代表ということですか。レンっていう相棒も日本人?
祐真 レン役の内門徹君は、横浜育ちの生粋の日本人なので、ふたりで台詞の翻訳をしました。
──自分で訳すんですか?
祐真 ええ、オリジナルの『HEROES/ヒーローズ』もマシ・オカさんがほんとにご自分で訳していらしたし、一番はじめに台本の訳が来たのを見たら、翻訳する会社を通したみたいなのですが、その訳がGoogleトランスレーターで訳したようなひどいものだったんです。
──たどたどしいやつですね。
祐真 そもそも、台本も、撮影の当日、変わることも多くて、間に人を通すと、キャストに届くのが遅過ぎるんですよね。私たちは少しでも早く読みたいですから。
──台詞を覚えなくてはいけないですからね。
祐真 そうです、そうです。だから、ふたりで訳すことにしたんです。今回、ふたりだったので、ほんと助かりました。もし、私だけで訳すと、アイデアが貧困になっちゃいますから。実際、そういう言い回しがあるのかって刺激になったことも多くて。それに、私は関西弁なので、標準語でなんて言うのかわからないところもあるので、徹君に確認することができてよかったです。
──ミコは関西弁の設定じゃないんですね。
祐真 ただ、6話で、ゲームの中でダーク・ミコというキャラクターが出てきて、それは関西弁にしました。
──得意な関西弁を生かした。
祐真 ミコ対ダーク・ミコの戦いがでてくるので、ふたりの対比を出すためにコテコテの関西弁にしました。
──面白いですねえ。
祐真 ちょっと遊んじゃいました(笑)。
──翻案で携わることで、クリエイティビティーが発揮できて楽しそう。
祐真 大変ですが楽しいです。日本語訳は大変な作業でした。本筋は変えられないのが当然ですし、難しいのは、アメリカンジョークのような、英語で言ったら面白いけれど日本語で言うと全然面白くないっていう場面をどうするか。短い時間のなかで作業しながら、やっぱりプロの翻訳家にいてほしかかったなと思いました。
──シェイクスピアを訳すプロの方でも、英語のジョークを日本語のジョークに直すのは大変そうですもんね。
祐真 やはり文化が違いますからねえ。面白いと思うこともそれぞれで。
──ミコのキャラクターは、外国の方が日本に抱くイメージを投影していると思いますが、日本人としてはどう思いますか?
祐真 日本のイメージを出すというよりも、サイファイ的と言いますか、日本のアニメのイメージを描いている印象を受けました。日本人の女の子がゲームの世界に入っちゃう設定はすっごく面白いですよね。やっぱり日本は、ゲーム文化が進んでいます。ゲームは日本の文化だと思います。ゲームとかオタクとか刀とか日本の文化をアメリカ人が面白くとりいれていますよね。
──純然たる日本というより漫画。
祐真 純然たる日本じゃないですよね。私と徹君以外は、カナダ人が日本語もしゃべれないカナダ人だったりもしますし(笑)。
──求められる日本人的イメージを出しているわけではないんですね。
祐真 日本人っていうよりも“自分”に近いです。話し方もそうですし、ミッションのためには何があっても諦めない性格が似ている気がしています。私もゴールのためには諦めたくないので。
──人道支援のために。
祐真 そうです、それが私のミッションです。
──アニメもそうですが、外国の方って日本の京都が好きですよね。京都出身ということで興味もたれることは多いですか。
祐真 意外と京都を知らない人も多いんですよ。実は、アメリカでは大阪のほうが知られていて、京都より大阪のほうが通じますね。なんででしょう、空港があるからかなあ(笑)。ただ、コアな人とか行ったことのある人はいろんなことを聞いてこられますね。
──大阪のほうが有名とは。
祐真 私はそう感じていますね。経験上、日本のどこ出身? と聞かれて、京都と答えてもわからなくて、大阪の横だよっていうとわかる人がけっこう多いんです。
──世界で行きたい都市ナンバーワンと言われているけど、実は大阪のほうが有名(笑)。日本のなかで感じてることと実際世界に行って知ることとは違うものですね。
祐真 日本のランキングは日本でつくっていることもありますし、実際、体験しないとわからないことは多いですよね。
──『HEROES Reborn/ヒーローズ・リボーン』もこの目でしっかり見たいですね。ではご興味をもった方にメッセージをお願いします。
祐真 オリジナルを見てない方も1から楽しんでもらえるストーリーになっていますので、ぜひともHuluさんに登録して、見ていただきたいと思います。
──世界平和にメッセージはありますか。
祐真 うーんそれは難しいですね。今、戦争も、テロも多いし、知れば知るほど難しいと感じています。
(木俣冬)
前作で、日本人代表として外国人の中でひとり奮闘したマシ・オカに次いで、今回は、京都出身の美少女・祐真キキがレギュラーとして参加。ゲームキャラになって闘う少女ミコを、日本のアニメやゲームカルチャーを研究したうえで熱演している。
小柄で華奢な身体と神秘的な瞳と黒髪と、キレのいい動きのギャップも魅力的。登場人物のひとりゲームファンのレンでなくてもミコに注目してしまう。
単身、渡米して女優を目指し、オーディションでこの役を勝ち取った祐真キキはどんな人物なのか、インタビューしてみた。
おでこがかなりパックリ
──殺陣のシーンがかっこいいですが、それがゲーム画面になるのは、ご自身の動きを撮り込まれているんですか。
祐真 モーションキャプチャーです。全身にツブツブをつけて、顔の前にカメラつけて、顔や体の動きを撮り込みます。カメラが100台くらいあって、上下左右360℃一気に撮っちゃうんです。
──カメラ100台、さすがハリウッドって感じですね。
祐真 すごいですよ、ほんとに。モーションキャプチャーは1分間、2000万円くらいらしいです。
──すごーい。
祐真 来ていただいたチームも、『アバター』のCGを作っているチームなんですよ。
──バック転して刀の上に乗るカットがありますが、さすがに実際はやってないですよね?
祐真 やってないです(笑)。刀の上に乗るのは、代わりに箱に乗っています。敵の首を刺す時は、私が乗ったボードを3人くらいの男の人が掲げてくれて、揺らされつつ、刺すみたいなことをしています。
──そのへんはアナログなんですね。
祐真 そのへんはね。たくさんの人が作業しています。その都度、いろいろなやり方があるんです。
──殺陣の勉強もされているから、動くのは苦もなく?
祐真 いやあ、大変でした。怪我しないようにと常に気を張っています。怪我しやすいんです、私。骨も折れやすしいし(笑)。例えば、3話の激しいアクションシーンで、もし怪我でもしたら、キャストを交替されることも考えられるので、絶対怪我できないなって思って臨みましたが、敵役の木刀が当たっておでこがかなりパックリいっちゃったんですよ。
──それは大変!
祐真 3針縫いました。
──女優は顔が命なのに。
祐真 かなり血が出たので相当深く切れたかと不安でしたが、幸いそこまでではなくて。前髪で隠せたのも助かりました。
──よかった、前髪パッツンで。
祐真 本当に(笑)。
──前髪パッツンはキャラのイメージですか?
祐真 オーディションではもともとちょっと滑らかなVだったんですよね。横髪はなくて、普通にストレートで。役が決まるとテストヘアメイクみたいなものがあって、その時にされた髪型がすごくださくて(笑)。ふつうのポニーテールみたいな感じだったので、キャラクターがアニメぽいから、せめて、もう少しアニメぽくしようとして、横髪をつけて、前髪ももっと深いVにしてもらったんです。Googleで日本のアニメを検索してみたら、けっこう日本のアニメキャラって横髪がついてるんですよね。
このチャンスを逃せないな
──ところで、ミコって言うのは巫女さんのミコですか?
祐真 漢字は決まってなかったので、自分で決めたんです。巫女さんじゃなくて神の子でミコなんです。
──ほう。
祐真 それで押してください(笑)。ウィキペディアとかで予想して書かれているのが『巫女』になっていたりするので。早く神の子に変わらないかなあって(笑)。
──わかりました、強調しておきます。
祐真 お願いします(笑)。
──いろいろご自分の役を膨らませているんですね。
祐真 はい。
──現在、祐真さんはアメリカ在住なんですよね。
祐真 はい。
──今回の日本滞在はどれくらいの予定ですか。
祐真 4日前くらいに来て(取材は11月に行われた)、年末くらいまでいる予定です。
──京都生まれなんですよね
祐真 はい、京都です。
──アメリカで生活していても、京都のイントネーションが残りますか。
祐真 全然残ります。アメリカで暮らしてまだ3年ですし、いつもはかなり日本語をしゃべっているので。
──向こうでも日本人の仲間が多いんですか。
祐真 多いとまでは言わないですが、何人か日本人の友達がいるので、もう普通に日本語で会話しています(笑)。
──3年、アメリカで勉強されていたんですか。
祐真 そうですね、ちょうど3年と4、5ヶ月くらいですか。
──その中で、今回『HEROES Reborn/ヒーローズ・リボーン』 のミコ役に抜擢され、大活躍ですね。
祐真 ありがとうございます。
──今回、すごくたくさんの媒体が祐真さんの取材につめかけているようで、そのお気持ちはいかがですか。
祐真 すっごく嬉しいです。でも私もけっこう必死なんで(笑)。
──必死?
祐真 必死で売り込まないと。このチャンスを逃せないなって感じで(笑)。
──この3年間はいろんな作品のオーディションを受けていたとか。
祐真 そうですね、200以上は受けていると思います。
──受かった率は。
祐真 200受けたうち、8回に1本くらいは受かっているんですかねえ。オーディションの内容も今回の大バジェットのテレビドラマから、ほとんどギャラのでない仕事まで、ピンからキリまでありまして。エキストラの場合もあります。種類も、映画やドラマからコマーシャルや雑誌といろいろなんですよ。
──エキストラ出演にもオーディションがあるんですか。
祐真 ないものもありますけど、基本的にオーディションですね。
──受かる秘訣はありますか。
祐真 ないです! ハハハ(笑)。自分のベストを発揮するだけなんです。アメリカってオーディションで自己アピールする時間がまったくないんですね。
──へえ!
祐真 ほんとに事前に渡された台本をやるだけ。自己紹介の時間はいっさいなく、部屋に入ったら、すぐに演技をやって帰るだけなんです。
──作品に自分が合ってるかだけが問われる。
祐真 そうそうそう、そうですね。
──あとは、自分がいかに鍛錬してるか。
祐真 そうですねえ、厳しいですね。
──演技レッスンと殺陣のレッスンをやっているんですか。
祐真 アメリカに行く前に日本で、UPSアカデミーという奈良橋陽子さんがやっている学校に2年くらい通いまして、演技レッスンを受けました。その学校のワークショプに殺陣のクラスがあって、『ラストサムライ』に出演されている高良隆志先生に殺陣を教えていただきました。演技と殺陣の基礎を身につけて、アメリカに飛びました。
──そのアップスアカデミーに入られたのは、最初から海外を見据えてのことですか。
祐真 そうです。
まさに、世界を救う人たちのお話
──日本ではなくて海外で俳優をやろうと思ったのはなぜなんですか。
祐真 有名になるなら世界で有名になりたいなっていう感じですね。
──有名になりたい?
祐真 私の最終的な目標は人道支援なんです。女優として有名になって影響力をもてると、その目的が達成されやすいと思いました。日本で有名になっても日本のなかだけのことも多いものですが、ハリウッド映画は世界に配信されます。その広さに惹かれました。
──志がかなり高いところにあるんですね。
祐真 かっこよく言うとそうなります(笑)。
──難民を助けている方の姿を見て、心を動かされたとか。
祐真 私自身はまだ助けるまでいってないので、助けるのが目標です。
──作品につなげるのもなんですけど・・・これーー
祐真 『HEROS/ヒーローズ』! まさに、世界を救う人たちのお話ですね。
──あらゆる人種に偏見のないようにっていう話だし。
祐真 私のテーマとしていることと近いですね。この作品も実は、地球に起こりえそうな問題をフィーチャーしているのでなかなか面白いです。このドラマに出ることができて光栄です。
──前作『HEROES/ヒーローズ』にも日本人のマシ・オカさんが出演されていて、今回も祐真さんが日本人代表ということですか。レンっていう相棒も日本人?
祐真 レン役の内門徹君は、横浜育ちの生粋の日本人なので、ふたりで台詞の翻訳をしました。
──自分で訳すんですか?
祐真 ええ、オリジナルの『HEROES/ヒーローズ』もマシ・オカさんがほんとにご自分で訳していらしたし、一番はじめに台本の訳が来たのを見たら、翻訳する会社を通したみたいなのですが、その訳がGoogleトランスレーターで訳したようなひどいものだったんです。
──たどたどしいやつですね。
祐真 そもそも、台本も、撮影の当日、変わることも多くて、間に人を通すと、キャストに届くのが遅過ぎるんですよね。私たちは少しでも早く読みたいですから。
──台詞を覚えなくてはいけないですからね。
祐真 そうです、そうです。だから、ふたりで訳すことにしたんです。今回、ふたりだったので、ほんと助かりました。もし、私だけで訳すと、アイデアが貧困になっちゃいますから。実際、そういう言い回しがあるのかって刺激になったことも多くて。それに、私は関西弁なので、標準語でなんて言うのかわからないところもあるので、徹君に確認することができてよかったです。
──ミコは関西弁の設定じゃないんですね。
祐真 ただ、6話で、ゲームの中でダーク・ミコというキャラクターが出てきて、それは関西弁にしました。
──得意な関西弁を生かした。
祐真 ミコ対ダーク・ミコの戦いがでてくるので、ふたりの対比を出すためにコテコテの関西弁にしました。
──面白いですねえ。
祐真 ちょっと遊んじゃいました(笑)。
──翻案で携わることで、クリエイティビティーが発揮できて楽しそう。
祐真 大変ですが楽しいです。日本語訳は大変な作業でした。本筋は変えられないのが当然ですし、難しいのは、アメリカンジョークのような、英語で言ったら面白いけれど日本語で言うと全然面白くないっていう場面をどうするか。短い時間のなかで作業しながら、やっぱりプロの翻訳家にいてほしかかったなと思いました。
──シェイクスピアを訳すプロの方でも、英語のジョークを日本語のジョークに直すのは大変そうですもんね。
祐真 やはり文化が違いますからねえ。面白いと思うこともそれぞれで。
日本人っていうよりも“自分”に近い
──ミコのキャラクターは、外国の方が日本に抱くイメージを投影していると思いますが、日本人としてはどう思いますか?
祐真 日本のイメージを出すというよりも、サイファイ的と言いますか、日本のアニメのイメージを描いている印象を受けました。日本人の女の子がゲームの世界に入っちゃう設定はすっごく面白いですよね。やっぱり日本は、ゲーム文化が進んでいます。ゲームは日本の文化だと思います。ゲームとかオタクとか刀とか日本の文化をアメリカ人が面白くとりいれていますよね。
──純然たる日本というより漫画。
祐真 純然たる日本じゃないですよね。私と徹君以外は、カナダ人が日本語もしゃべれないカナダ人だったりもしますし(笑)。
──求められる日本人的イメージを出しているわけではないんですね。
祐真 日本人っていうよりも“自分”に近いです。話し方もそうですし、ミッションのためには何があっても諦めない性格が似ている気がしています。私もゴールのためには諦めたくないので。
──人道支援のために。
祐真 そうです、それが私のミッションです。
──アニメもそうですが、外国の方って日本の京都が好きですよね。京都出身ということで興味もたれることは多いですか。
祐真 意外と京都を知らない人も多いんですよ。実は、アメリカでは大阪のほうが知られていて、京都より大阪のほうが通じますね。なんででしょう、空港があるからかなあ(笑)。ただ、コアな人とか行ったことのある人はいろんなことを聞いてこられますね。
──大阪のほうが有名とは。
祐真 私はそう感じていますね。経験上、日本のどこ出身? と聞かれて、京都と答えてもわからなくて、大阪の横だよっていうとわかる人がけっこう多いんです。
──世界で行きたい都市ナンバーワンと言われているけど、実は大阪のほうが有名(笑)。日本のなかで感じてることと実際世界に行って知ることとは違うものですね。
祐真 日本のランキングは日本でつくっていることもありますし、実際、体験しないとわからないことは多いですよね。
──『HEROES Reborn/ヒーローズ・リボーン』もこの目でしっかり見たいですね。ではご興味をもった方にメッセージをお願いします。
祐真 オリジナルを見てない方も1から楽しんでもらえるストーリーになっていますので、ぜひともHuluさんに登録して、見ていただきたいと思います。
──世界平和にメッセージはありますか。
祐真 うーんそれは難しいですね。今、戦争も、テロも多いし、知れば知るほど難しいと感じています。
(木俣冬)