新「ルパン三世」10話。まさかのハーレムラノベ展開
オープニングタイトルにも公式サイトにも出てこないけど、もうすぐ発売されるBlu-ray&DVDには「Part IV」とハッキリ書いてあって、なんだか感慨深い『ルパン三世』。
第10話は謎の女・峰不二子と新ヒロイン・レベッカがルパンをめぐって争う「恋煩いのブタ」。
ルパンにアプローチをかける美女がふたり。ひとりは第1話でルパンと結婚式を挙げたイタリアの富豪令嬢であり、スリル至上主義のレベッカ。もうひとりは『ルパン三世』永遠のヒロインであり、“裏切りは女のアクセサリー”を地で行く女泥棒の峰不二子だ。
レベッカと不二子の狙いは、オークションに出品される幻のワイン「恋煩いのブタ」。そのワインを飲んだカップルは必ず恋に落ちて幸せになるという伝説があった。カップル限定のパーティーでオークションが開催されるので、ふたりはルパンを誘ったというわけ。
とはいえ、ふたりともルパンと恋に落ちるために「恋煩いのブタ」を狙ったわけではない。不二子は盗み出して高く売るため、レベッカは厳重な警戒をくぐり抜けてワインを盗むためだ(ワインそのものには興味なし)。
どちらの誘いも断りきれないルパンは、ダブル(ブッキング)デートを敢行。しかし、あっさりバレて吊し上げをくらう。
不二子「ルパンはあなたに譲るわ」
レベッカ「別にいらない!」
美女ふたりのワイン争奪戦が開始! しかし、途中でふたりの頬がポーッと赤らみ、ルパンの元に帰ってきて急にベタベタしはじめる。会場で密かに「恋煩いのブタ」が振舞われ、それを飲んだ男女が発情してしまっていたのだ。不二子とレベッカもトローン。
その隙に乗じて「恋煩いのブタ」を樽ごと盗もうとした男がいた。(今度はルパンのために)ワインを奪い合う不二子とレベッカ。挑発するレベッカに、不二子がひと言。
「あなた、誰かを本気で愛したことある?」
ハッとするレベッカに不二子のハイキックがスパーン!
魂が震えるような恋を求める不二子と、男はアクセサリーのようなものだと考えるレベッカ。ぶつかり合う女の意地と恋愛観。
そこへルパンが登場し、ふたりをなだめつつ、男の正体を暴くともにワインの謎を解いてみせた。男は「恋煩いのブタ」のワイナリーの主で、樽には死んだバイオ研究者の妻の死体が隠されていた。「恋煩いのブタ」は妻がつくった媚薬入りのワインだったというわけ。『包丁人味平』に出てきたブラックカレーのようなものか。
これにて事件は一件落着。しかし、ルパンは不二子とレベッカに色目を使い、ダブルキックを浴びることに。怒って去っていく美女ふたり。残されたルパンは、
「やれやれ、女のプライドを保つのも大変だぜ……」
まったくタイプの違う猛女ふたりを立ててるんだから、ルパンの苦労もしのばれる。でも、このセリフは言わないほうがダンディだった気も……。
ラストは、不二子の「誰かを本気で愛したことがある?」という言葉を反芻しつつ、謎の男の写真を見るレベッカの姿を写してエンド。はたしてレベッカが本当に愛した男とは……?
不二子とレベッカ、ふたりのヒロインを相手に右往左往したり、一気にモテモテになったりするルパンを見て、視聴者からは
「今週のルパン、まさかのラノベ展開」
「ルパンがラノベ主人公っぽくなってる!」
「ハーレムアニメみたいになってきた」
などの声が多数あがっていた。それにしても、セックスシンボル日本代表のような不二子を相手に回して位負けしないレベッカはすごい。
赤いドレスを身にまとい、赤ワインを飲む不二子に対して、白いドレスを身にまとい、白ワインしか飲まないレベッカ。対照的なふたりだが、どこか似たもの同士でもある。
ちなみに革のツナギでバイクに乗る不二子の姿のモデルになったのは映画『あの胸にもういちど』のマリアンヌ・フェイスフルだが、そのときの役名はレベッカだったりする。偶然の一致だろうが、なんだか因縁を感じる。
なお、レベッカの「白ワインしか飲まない」という設定は、今後の伏線になっているらしいので注目しておきたい(「ルパン座トーク」より)。
一方、突然レベッカに本気の愛を語り始めた不二子に対して驚いた視聴者もいた様子。愛よりお金やお宝が大事で、いつも男を裏切ってばかりというのが不二子のイメージだろうか。“裏切りは女のアクセサリー”だもんね。しかし、不二子はこれまでに何度も本気の恋愛に身を焦がしてきた。
TV第1シリーズ「殺し屋はブルースを歌う」では、かつてコンビを組んでいた殺し屋ブーンとルパン、それぞれとの愛に引き裂かれる不二子の姿が描かれている。TVスペシャル『EPISODE 0 ファースト・コンタクト』では、殺された恋人ブラッドの仇討ちをしようとしていた。だからこそ、愛を語る不二子の言葉には説得力がある。
ハーレムラノベ的な展開の前半に対して、後半は一気にサスペンス調に。テキパキと謎解きをするルパンが、まるで名探偵コナンのようだった。
今回は不二子とレベッカがメインのようだが、実はルパンの出番とセリフが多かったわけで、今年でルパンを演じて20年(!)になる栗田貫一に今さらこんなことを言うのもなんだが、今シリーズは本当に違和感なくルパンの声を聞くことができる。軽すぎず、渋すぎず。20年かけてほどよく熟成されたワインのよう。
さて、今夜放送の11話は、長らく伏線が張られてきた「イタリアの夢」の謎が解き明かされる、タイトルもズバリ「イタリアの夢 前編」。いよいよ第1クールもクライマックス、銭形も五エ門もレベッカもニクスも全員出てくるぞ! チャンネルは決まったぜ。
(大山くまお)
第10話は謎の女・峰不二子と新ヒロイン・レベッカがルパンをめぐって争う「恋煩いのブタ」。
ルパンにアプローチをかける美女がふたり。ひとりは第1話でルパンと結婚式を挙げたイタリアの富豪令嬢であり、スリル至上主義のレベッカ。もうひとりは『ルパン三世』永遠のヒロインであり、“裏切りは女のアクセサリー”を地で行く女泥棒の峰不二子だ。
とはいえ、ふたりともルパンと恋に落ちるために「恋煩いのブタ」を狙ったわけではない。不二子は盗み出して高く売るため、レベッカは厳重な警戒をくぐり抜けてワインを盗むためだ(ワインそのものには興味なし)。
どちらの誘いも断りきれないルパンは、ダブル(ブッキング)デートを敢行。しかし、あっさりバレて吊し上げをくらう。
不二子「ルパンはあなたに譲るわ」
レベッカ「別にいらない!」
美女ふたりのワイン争奪戦が開始! しかし、途中でふたりの頬がポーッと赤らみ、ルパンの元に帰ってきて急にベタベタしはじめる。会場で密かに「恋煩いのブタ」が振舞われ、それを飲んだ男女が発情してしまっていたのだ。不二子とレベッカもトローン。
その隙に乗じて「恋煩いのブタ」を樽ごと盗もうとした男がいた。(今度はルパンのために)ワインを奪い合う不二子とレベッカ。挑発するレベッカに、不二子がひと言。
「あなた、誰かを本気で愛したことある?」
ハッとするレベッカに不二子のハイキックがスパーン!
魂が震えるような恋を求める不二子と、男はアクセサリーのようなものだと考えるレベッカ。ぶつかり合う女の意地と恋愛観。
そこへルパンが登場し、ふたりをなだめつつ、男の正体を暴くともにワインの謎を解いてみせた。男は「恋煩いのブタ」のワイナリーの主で、樽には死んだバイオ研究者の妻の死体が隠されていた。「恋煩いのブタ」は妻がつくった媚薬入りのワインだったというわけ。『包丁人味平』に出てきたブラックカレーのようなものか。
これにて事件は一件落着。しかし、ルパンは不二子とレベッカに色目を使い、ダブルキックを浴びることに。怒って去っていく美女ふたり。残されたルパンは、
「やれやれ、女のプライドを保つのも大変だぜ……」
まったくタイプの違う猛女ふたりを立ててるんだから、ルパンの苦労もしのばれる。でも、このセリフは言わないほうがダンディだった気も……。
ラストは、不二子の「誰かを本気で愛したことがある?」という言葉を反芻しつつ、謎の男の写真を見るレベッカの姿を写してエンド。はたしてレベッカが本当に愛した男とは……?
“本気の愛”を語る不二子に視聴者困惑?
不二子とレベッカ、ふたりのヒロインを相手に右往左往したり、一気にモテモテになったりするルパンを見て、視聴者からは
「今週のルパン、まさかのラノベ展開」
「ルパンがラノベ主人公っぽくなってる!」
「ハーレムアニメみたいになってきた」
などの声が多数あがっていた。それにしても、セックスシンボル日本代表のような不二子を相手に回して位負けしないレベッカはすごい。
赤いドレスを身にまとい、赤ワインを飲む不二子に対して、白いドレスを身にまとい、白ワインしか飲まないレベッカ。対照的なふたりだが、どこか似たもの同士でもある。
ちなみに革のツナギでバイクに乗る不二子の姿のモデルになったのは映画『あの胸にもういちど』のマリアンヌ・フェイスフルだが、そのときの役名はレベッカだったりする。偶然の一致だろうが、なんだか因縁を感じる。
なお、レベッカの「白ワインしか飲まない」という設定は、今後の伏線になっているらしいので注目しておきたい(「ルパン座トーク」より)。
一方、突然レベッカに本気の愛を語り始めた不二子に対して驚いた視聴者もいた様子。愛よりお金やお宝が大事で、いつも男を裏切ってばかりというのが不二子のイメージだろうか。“裏切りは女のアクセサリー”だもんね。しかし、不二子はこれまでに何度も本気の恋愛に身を焦がしてきた。
TV第1シリーズ「殺し屋はブルースを歌う」では、かつてコンビを組んでいた殺し屋ブーンとルパン、それぞれとの愛に引き裂かれる不二子の姿が描かれている。TVスペシャル『EPISODE 0 ファースト・コンタクト』では、殺された恋人ブラッドの仇討ちをしようとしていた。だからこそ、愛を語る不二子の言葉には説得力がある。
ハーレムラノベ的な展開の前半に対して、後半は一気にサスペンス調に。テキパキと謎解きをするルパンが、まるで名探偵コナンのようだった。
今回は不二子とレベッカがメインのようだが、実はルパンの出番とセリフが多かったわけで、今年でルパンを演じて20年(!)になる栗田貫一に今さらこんなことを言うのもなんだが、今シリーズは本当に違和感なくルパンの声を聞くことができる。軽すぎず、渋すぎず。20年かけてほどよく熟成されたワインのよう。
さて、今夜放送の11話は、長らく伏線が張られてきた「イタリアの夢」の謎が解き明かされる、タイトルもズバリ「イタリアの夢 前編」。いよいよ第1クールもクライマックス、銭形も五エ門もレベッカもニクスも全員出てくるぞ! チャンネルは決まったぜ。
(大山くまお)