「連続テレビ小説 まれ Part2 」NHK出版

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朝ドラ「まれ」(NHK 月〜土 朝8時〜)7月31日(金)放送。第18週「親心ロールケーキ」第107話より。脚本:篠崎絵里子(崎の大は立) 演出:村橋直樹

紺谷博之(板尾創路)が塗師屋の五代目・紺谷弥太郎を継ぐと言いだしたのは、市長選に有利だからではないか疑惑が持ち上がり、圭太(山崎賢人/崎の大は立)は逆上します。

板尾創路さん、あなただけが頼りです。
紺谷課長改め部長が出てくると問答無用に面白いのです。
107話では、紺谷博之が本当に怒っているときにグルグル回るという、「まれ」史上最高の名場面(37話)のネタが生きました。

まわりくどいことをしますなあ


なんでもかんでも情報がだだ漏れの「まれ」世界において、いまだ博之の本音だけが見えないままで魅力的なのです。一応、本音を言うときは方言になるという設定があるにせよ、ふだん、ものすごく本音を抑えこんでいるひととして描かれています。
107話は、その本音が見えない彼のキャラを生かして、事情通のキミさん(根岸季衣)に、わざと自分の思惑を察知させてしゃべらせる作戦をやっているのではないかと推理させます。
それが本当なら、出世するひとはまわりくどいことをしますなあ(褒めています)。希の夢を潰すなと圭太に進言していたこといい、いっちばん、希のことをちゃんと考えているのもじつは博之な感じもします。
とかいって、ほんとうに市長選のためだったら・・・それはそれでとことん冷酷な男として讃えたい。善人でも悪人でも、とにかく「まれ」世界に複雑にねじれた人間がひとりくらいいてほしいのですよ。
大悟(小日向文世)と大輔(柳楽優弥)の父子関係のこともあっさり解決しているので、博之と圭太の確執もまた、土曜日の15分間でさくっと解決されるんじゃないかと戦々恐々です。
頼む、ここだけはしっかり納得できるように描いてくれ!!

今日の、名場面


「ダメ嫁ってうちの娘け!」のあと、かなり長いこと驚いた顔をし続けた常盤さんの耐久力を讃えたい。
(木俣冬)

エキレビ!にて月〜土まで好評連載中! 木俣冬の日刊「まれ」ビュー全話分はこちらから

いまひとつ視聴率が伸びないが、奮闘は讃えたい。NHK朝ドラ「まれ」おさらい(54話までを総括))