『tenki.jp』を起動した画面。シンプルなデザインのなかに、たくさんの情報が詰まっている。週末になると【今週末のポイント】を教えてくれるのが嬉しい。

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天気予報アプリを2つ紹介したい。2つあるのには理由がある。役割が違うのだ。例えるなら「攻め」と「受け」なのである。

起動後すぐに10日先の予報までわかる『tenki.jp』


『tenki.jp』(無料:iOS)は日本気象協会の公式アプリ。アプリ起動後に表示される情報が、他の天気アプリに比べて格段に多いのが特徴だ。

上段に今日と明日の予報。
中段に1時間単位の天気・気温・降水確率など。
下段には向こう10日間の予報が並ぶ。
右下には現在の気温、左下は周辺の雨雲の様子がわかる「豪雨レーダー」へのリンク。10日間予報は日本気象協会独自のもので、さらに細かく6時間単位でチェックできる。

これらの情報が「起動後すぐ」「1画面で見られる」のがポイント。

天気予報は「いま」知りたい情報のひとつ。アプリ起動後にメニューから場所を選んで…など、何度かタップ操作を挟むのは面倒なのだ。上段の今日の天気の表示が大きいのも「パッと開いてパッと確認」の助けになっている。

さらに、『tenki.jp』は画面を右へスワイプすると「地震情報」が表示される。さらに右へスワイプするとコラムや天気図が出てくる。すぐ確認したい情報は最初に、じっくり読みたいものほど操作した先に配置してある。

日本気象協会が持つ豊富なコンテンツを「早く知りたい順」に並べている。情報の置き方、並べ方がきちんとデザインされいて美しい。

なお、Android版の『tenki.jp』は提供されていないが、『豪雨レーダー』機能がアプリとしてリリースされている。

豪雨・洪水・噴火などの警報を通知する『Yahoo!防災速報』


土砂災害の危険など、速報性が大事な情報は天気予報ではカバーできない。これを任せられるのが『Yahoo!防災速報』(無料:iOS/Android)。現在地に気象警報や避難情報などが発令されたとき、スマホにプッシュ通知を送ってくれる。

『Yahoo!防災速報』は、地震(緊急地震速報)・津波・豪雨・土砂災害・河川洪水といった気象警報を一通りカバーしている。これらの警報は個別にオン・オフができ、地震は「震度3以上を通知」など通知のレベルを変えることができる。

すべての通知は気象庁や環境省、各自治体が発令した情報が元になっている。警報の発令をメディアが伝えても、そのメディアに触れていない住民には伝わらない。防災無線などのインフラもあるが、例えば移動中に情報を得るのは困難だ。

スマホに届くプッシュ通知には詳細までは含まれない。ただ、通知がくれば「なにか起きそうだ」と情報収集を始めることができる。スマホに届く「第一報」が次の行動を起こすきっかけになる。

ちなみに、気象警報以外の警報もある。「噴火警報」は噴火警戒レベル3以上を通知。「国民保護情報」はテロや武力攻撃など有事の際に政府が発令するもの。それにしても鳴ってほしくない通知ばかりである。

天気予報アプリの「攻め」と「受け」


『tenki.jp』は人が能動的に情報を集める。言うなれば人が「攻め」のアプリ。
反対に『Yahoo!防災速報』は受動的で、情報が人のほうにやってくる。「受け」のアプリだ。

2つのアプリを組み合わせることで、異なるタイプの情報をカバーすることができる。両方とも使うのがオススメです。

(井上マサキ)